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タイミングが悪いものだと悪態をつきながら下る。
少し下って振り返れば、越百山の頂上とその後ろに青空が見える。まさに Such is life. である。
まあ、こちら側から越百山の姿を見ることができただけでも良しとすべきであろう。
と思ったのだが、右を見やれば、越百山の斜面の向こうに今まで姿を見ることができなかった南駒ヶ岳も見えるではないか。
やはりこの絶好のチャンスを逃したことが悔やまれる。
道はハイマツ帯からシラビソ等の樹林帯に変わり、
ドンドン下ることになる。 |
樹林が切れて、
下方に越百小屋の赤い屋根が見えてきた。
まだ結構 距離がありそうであるが、それはまあ良い。むしろ、小屋の後ろの山が気になるところである。
さすがに疲れてきているので、また登り返さねばならないかと思うと少々ゲッソリという訳である。
山は恐らく福栃山であろう。昭文社の地図にはその記載がないが、1995年版のアルペンガイド (山と渓谷社) にはその記載がある。
とは言え、帰るためには登らねばならない。気を取り直し、
小屋を目指して樹林帯を下る。 | |
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途中、大きく崩れたナギが左側に見えた。
特にザレの左側は未だに崩壊が続いている感じである。むき出しになっているのは土ならぬ、花崗岩の屑のような砂礫である。
従ってかなり脆いのかもしれない。
そのザレ場の向こうには中央アルプス南部の山々が見える。
さすがにデータが少なく、山の同定ができないが、この地域には奥念丈岳、袴腰山、安平路山、摺古木山などユニークな名前の山が多い。
機会があれば挑戦してみたいものである。 |
13時36分、越百小屋に到着。
先程までの下り斜面は、小屋を前にして登り斜面に変わり、疲れた身体には結構辛かった。
小屋に着いても越百山方面は晴れており、山容がよく見える。
また、南駒ヶ岳も少しガスが漂っているもののその姿を見せてくれており、何とか本日の山行の締めができた感じである。
疲れてはいたが、写真を撮っただけで、小屋は素通りする。
小屋からは懸念した通り登りが続く。ただ、思った程 急でないのがありがたい。
途中、何ヶ所かで樹林越しに南駒ヶ岳方面、越百山方面を見ることができる場所があったのだが、
この頃には再びガスが出てきており、十分に山の姿を捉えることができない状況であった。 | |
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登りも終わり、下りに入る。
周囲にはガスが漂い始め、あまり気分が良くない。熊でも出なければ良いがと思いつつ下る。
周囲はコメツガが整然として立ち並びなかなか美しいが、一方で写真の様な場所もあり、なかなか変化に富んでいる。
道は総じて歩きやすいが、少々滑りやすいのが玉に瑕である。
順調に下り、上の水場への分岐を14時11分に通過。
展望台は14時25分、そして下のコルは15時丁度に通過したのであった。 |
下のコルを過ぎると、
道は写真の様なササの中を下るようになる。下のコルにあった壊れた標示板には、登山口まで 30分とあったので自然に足が速まる。
そして、15時23分に堰堤の横を通過すると、すぐに登山口であった。時刻は 15時25分。ここは三合目で、今朝程、左 南駒ヶ岳、
右 越百山の分岐となった場所である。
ここからは今朝歩いた林道を戻ることになる。これが結構長いのだが、
緩やかな下り勾配になっているのがありがたい。
この分岐に自転車を置いている方がいたが、なかなか賢いやり方である。 | |
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三合目の分岐から林道を歩くこと 29分、15時54分に駐車場に戻り着いたのであった。
今朝程は満車だった駐車場も今はかなり台数が減っている。越百山を往復した人が多かったようである。
さて、本日はここまでのアプローチも長く、また登山ルートもかなり長いものだったが、
天候に恵まれ大変満足のいく山行であった。
南駒ヶ岳は空木岳から見たとおり、
魅力一杯の山であった。また、仙涯嶺、越百山への縦走路も素晴らしく、中央アルプスの魅力を十分に満喫した一日であった。
しかし、帰りがまた大変だった。岡谷JCTでは、長野方面に向かう車が詰まっていて渋滞が発生。
そして、またまた大月ICから先は30kmを越す渋滞。結局、家に着いたのは 22時近くであった。とにかく疲れた。 |