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道は暫く進むと、再び樹林帯の中に入る。足下に転がっている石は黒ずんでおり、火山帯を進んでいることを感じさせてくれる。
やがて、道は背の低いカラマツが疎らに生える小石混じりの道に変わる。道の傍らにはケルンがいくつか積まれている。
雰囲気的にはここが賽の河原と呼ばれる場所のような気がするがどうであろうか。
暫くして、今度は Jバンドへの分岐に到着。時刻は 8時47分。
前掛山に登った後、ここまで戻ってきてJバンドへと向かい、火口原を進む予定である。
まずは、前掛山に向かってまっすぐ進む。
道は徐々に傾斜を増すようになり、周囲の木々は低木に変わる。 |
道はカラマツがまばらに生える砂礫の道を登っていくようになる。
足下には、火山噴火で飛んできたと思われるような岩塊も多く見られる様になる。
そして、正面右手には再び前掛山の姿が見えるようになってきた。先程見えた姿よりもかなり大きく、雄大である。
逆光気味なのが残念であるが、それでもその斜面に縦に入っている襞がハッキリ確認できる。
高度もドンドン上がり始め、左手には第一外輪山の山並みと、
その下に広がる火口原が見えるようになってきた。 |  |
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高度はさらに上がり、今や完全に火口原 (湯ノ平) が見渡せるようになる。
シラビソなどの常緑樹と落葉してしまったカラマツ、モミなどがほぼ全体を占めていて、最早 紅葉は終わったと感じさせられるが、
それでも斜面の所々に赤や黄色の木々を見ることができる。
その火口原の先に見える第一外輪山では、やはり蛇骨岳、仙人岳、そして虎ノ尾と呼ばれる赤黒く焼けただれた岩稜帯が目を引く。
空は青く本当に気持ちが良い。
これから向かう前掛山も楽しみだが、この湯ノ平を歩くことも本日の楽しみである。 |
道はいつの間にか、
前掛山の斜面を斜めに登っている。
最早 周囲に草木はなく、富士山のような登山道が続く。
ここで本日初めて導入したトレッキングポールが威力を発揮する。確かに効率よい足運びができ、今まで使わなかったことが悔やまれる。
高度はますます上がり、前方左手、第一外輪山の向こうに、
四阿山、
そして田代湖も見えるようになってきた。
また、四阿山の左には白く冠雪した山が見えるが火打山、
焼山のようである。
そして、焼山のずっと左にフジツボ型の山が見えるが、どうやら高妻山のようである。 |  |
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そして、ついに北アルプスが姿を見せ始める。
写真では、一番右に杓子岳、その左に白馬鑓ヶ岳、天狗ノ頭、不帰ノ嶮、唐松岳、
五竜岳、
鹿島槍ヶ岳、
剱岳、
大汝山と続く。
これらの山は後立山連峰と立山連峰であって尾根が違うのだが、真白き峰々はあたかも尾根続きのように見える。
さらに高度を上げていくと、徐々に第一外輪山に隠れていた大汝山より左側の山も姿を現し始める。
そして、ついには穂高連峰まで続く山並みを捉えることができるようになったのであった。
大汝山の左には、針ノ木岳。そして黒岳 (水晶岳)、
鷲羽岳、
槍ヶ岳、
常念岳、
穂高連峰と続いている。
もう興奮の一言。シャッターを押し続ける。 |
北アルプスもこの時点では
黒斑山の高さを超えることができず、
穂高連峰までにて山並みは隠されてしまう。
そして、黒斑山の左側、トーミの頭の後方には乗鞍岳の大きな山容が見え、
北アルプスはそこで終わりとなる。
となると、黒斑山に隠れている部分が気になるところだが、蝶ヶ岳、大滝山、
焼岳といったところであろうか。
乗鞍岳の左に見えるのは鉢盛山であろう。
この鉢盛山にも登ってみたいところである。 |  |