黒法師岳( 黒法師岳:2,067.4m ) 2010.05.08 登山



【PHOTO & 記録 黒法師岳 8】

14時8分、黒法師岳の山頂を後にする。
さすがにこの後丸盆岳を往復する体力、時間がないので、登り来たりし道を忠実に辿るだけである。
ガレ場を順調に下り、その後、先程は尾根を外して登ってしまったので尾根道を下る。さすがにこちらの方が展望が良い。
先の方には、丸盆岳、そして鎌崩、鎌崩の頭と連なる尾根が見え、その尾根の後方に不動岳が見える。 聖岳もわずかに不動岳と丸盆岳の間に顔を見せているが、 もう後方の雲に紛れ気味である。それにしても、先程の黒バラ平、バラ谷の頭、そして丸盆岳から先の尾根は素晴らしいの一言。 南アルプス 深南部の醍醐味であろう。

かなり下山してきて、黒法師岳を振り返る。
形はズングリとしたおむすび型で優しく見えるが、美しいササ原を有する一方で、その山肌にはかなり崩壊した箇所がある。 この黒法師岳、バラ谷の頭、丸盆岳、鎌崩、不動岳と、周辺の山々は皆 その斜面に大きな崩壊地を有している。 この辺の地質的なことを知れば、もっと色々なことが分かるのだろうが、それにしても崩壊の進捗が心配である。
そして、もう一つ心配なのが、立ち枯れがかなり目立つこと。 先般登った日光 根名草山や、 北八ツの縞枯山なども立ち枯れが目立つが、 一方で その立ち枯れの周囲には若い木が育っている。ここではそういう状況を全く見ることができない。

14時29分、丸盆岳、黒法師岳登山口との分岐に到着。
丸盆山へと続く主脈尾根を見やれば、気持ちの良さそうなササ原が続き、丸盆岳の斜面もササ原の絨毯となって気持ちよさそうである。 先程 丸盆岳を往復する体力・時間はないと書いたが、気力は少々ある訳で、どうしようか迷ってしまった。
行きたい気持ちはあるものの、丸盆岳との往復で 2時間ほどを要することを考えると、 下山時間が心配である。黒バラ平で南アルプス深南部の雰囲気をかなり堪能したこともあって、結局は往復せずに下山することにした。
しかし、最後は林道歩きなので多少暗くなっても構わないことから、今は、丸盆岳に行かなかったことを大変悔やんでいる。

快調に尾根を下る。 目印自体もともと明瞭な上に、下山の方が下を広く見渡せるため、目印を見落とすことはなく、何も問題なく下ることができる。
写真の崩壊地を 15時5分に通過。振り返れば、今朝ほどと同じように、バラ谷の頭が見える。稜線に沿ってグリーンのベルトが見え、 その下側の斜面は大きく崩壊している。

いつも思うのだが、往路を再び下る場合、 よくもまあこのような斜面を登ってきたな と驚かされる。初めての山なので、色々楽しみもあり、急斜面の連続でもあまり気にならないのであろう。 下山時は、早く降りてしまいたいの一念で、斜面を下るのが煩わしく、そのためにこのように感じるのだろう。

木々に陽が当たり、葉のグリーンがひときわ輝く中を順調に下り、やがて、102、103と書かれた林班を現すと思われる標示板の前に到着。 この表示板が現れれば、すぐにヒノキの植林帯へと変わる。
写真はその境目にある最低鞍部。ここからヒノキ林が続き、やがてすぐに見晴らしの良い尾根に飛び出すこととなる。
尾根からは、今朝ほど見た、鎌崩と思われるギザギザの稜線、そして崩壊した斜面が見える。 方角は東のため、今朝ほどは逆光に近かったが、今は崩壊した山肌がよく見える。
そして、順調に下って、15時50分に林道に到着。
ここからは 6kmの林道歩きである。幸いなことに道は緩やかな下りのため、17時頃にはゲートに着けるはずである。

林道歩きの途中、滝のそば、 道路上にある水溜まりを覗くと、何と黒いものがしきりに動いている。何とオタマジャクシであった。今朝ほどこの水溜まりの横を通った時は、 水の中にある黒いものは全く動かなかったので、藻だと解釈していたのだった。それだけに、本当にビックリである。
0.5km毎に現れる標示板の数字が減っていくのを唯一の楽しみにしながら歩き続け、目論見通り 16時58分にゲート前に到着。 件の方の車はまだ駐まっていたので、あの後、丸盆岳を往復されているのか、林道脇の小屋に泊まり、翌日 不動岳を目指すのかなと想像したのであった。

南ア 深南部の一端に触れることができ、素晴らしい山行であった。大満足である。 しかし、これからも長い。国道152号線・東名高速を飛ばし、家に着いたのは 21時20分であった。



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