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東北方面と言うより、トイ面には黒法師岳。雲が太陽を遮り、雲の影が黒法師岳の斜面に映って斜面をさらに黒く見せている。
黒法師岳の右には前黒法師岳。
そして、黒法師岳と前黒法師岳の間には先程まで朝日岳が見えていたが、
今は沸き上がる雲にほとんどその姿を見ることができなくなってしまっている。
そして、目の前には崩壊しつつあるバラ谷の頭の斜面が広がる。
先も述べたように、こちらは岩や石ではなく、岩混じりの土で作った土手といった感じとなっており、その土が崩れている。
岩場よりも崩壊の進み具合は早いに違いない。 |
しつこい様だが、
もう一度黒法師岳へと続くグリーンベルトを眺める。やはり、素晴らしい眺めである。
もう少し季節が進み、緑が溢れるようになれば、なお素晴らしいことであろう。
『 静岡県の山 』 に書かれている地図を見ると、
黒法師岳とこのバラ谷の頭の間にある高みに上西平山 (1,909m) という名前が書かれている。
しかも、この黒法師岳登山口手前にあった戸中山林道の支線を辿り、その支線が終わった所からこの上西平山まで点線が書かれている。
登山道を示していると思われるが、先程通った時は全く気づかなかった。もし、明瞭な道があるのなら、
再び 黒法師岳に登らないで済むのだが・・・。 |  |
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周囲の景色を堪能して 13時9分にバラ谷の頭を出発。斜面を下り、再び黒法師岳を目指す。
斜面を下りながら北を見やれば、まずは池口岳の双耳峰が目に付く。その右の山は加加森山であろう。
加加森山の手前に見える 3つ連なったピークは合地山 (実際は 4つのピークらしい) に違いない。
合地山の左に見えるズングリした丸い山は中ノ尾根山と思われる。
いずれの山も、横浜に住む小生にとっては、このバラ谷の頭や黒法師岳よりもさらにアプローチがきつい遠い山である。
恐らく登ることはあるまい・・・。 |
伸びやかな斜面を下る。
先にも述べように、踏み跡はササの斜面に沢山付けられている。従って、どこを下ろうと、方向を間違えなければ良いことになる。
風もガレ場に近づかなければそれほど強くなく、非常に気分の良い草原歩きである。
黒バラ平では、先程は尾根の上を歩いたので、今度は 船窪の底の部分を歩く。周囲は所々でツガの木が緑を付けているものの、
多くの木々がまだ葉を付けておらず、加えて 立ち枯れの木もあって、これはこれで 1つの世界を作り出している。
ここで霧でも立ちこめれば、まさに幽玄閑寂の世界ができあがることであろう。 |  |
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さて、いよいよ黒法師岳への登り返しである。下りでも急斜面に苦労しただけに登りはもっと手強い。
ササはほとんどが膝の前後の高さであるが、所によっては胸元まである。登り斜面であるのでそれがもっと高く感じられ、ササをかき分けての登りとなる。
足下も滑りやすいので、結局は 平泳ぎのように両手でササをかき分け、かき分け終わった瞬間に左右それぞれの手でササを握りしめ、
その捉まりを利用して前に進むという作業が続く。なかなか面白い。
ササが低くなってきたので振り返れば、バラ谷の頭の右手奥に山が見える。恐らく 前黒法師山であろう。 |
14時丁度に再び黒法師岳頂上に戻り着く。
さすがに先程の方はおられない。結局、この日 この黒法師岳に登ったのは小生と先程の方の 2人のみ。その後、ネットを検索していて、
先程の方がブログを立ち上げているのを発見した。リンクを依頼していないので、ここではそのハンドルネームのみご紹介するが、
その方は 『 遠州のかめ 』 と称されている。黒法師岳の登山記録では、
小生も 『 単独のおじさん 』 として登場している。 閑話休題。
写真は黒法師岳頂上にある一等三角点の標石。
記録の 5 の方にそのことについて触れているので参照戴きたい。 |  |