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この前国師岳も展望が良く、東にはこれから登る国師ヶ岳が丸い姿を見せている (写真)。
国師ヶ岳の右手には北奥千丈岳がこれまたドーム型の姿を見せており、
西を向けば金峰山へと繋がる尾根が見える。
南アルプスも見えるには見えるが、この時間では最早 ほとんど空の色に溶け込んでしまっている。
13時半、前国師岳を出発する。
すぐに木道を歩くことになるが、11年前に登った時とは違い、木道が多くの場所に設置されているようである。尤も、今回はそのほとんどは雪の下であり、
逆に木道の縁の雪を踏み抜いて深みにはまる危険性もあったのだった。 |
先達の足跡は北奥千丈岳の方に向かっているので、
少々ビビる。小生の記憶では三何とか平 (後で調べたら三繋平だった) という所で北奥千丈岳への道と分かれたはず。
しかし、足跡はまっすぐに北奥千丈岳に向かっているので、どこかで分岐を見落としたのかと不安になった次第。
だが、この方はしっかりしている。足跡は途中から右の北奥千丈岳へ向かうものと (恐らく 北奥千丈岳往復)、
左に見える樹林帯の方へと向かうものに分かれており、ホッとしたのだった。
左の足跡を追って樹林帯に入る。 | |
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ここまでもそうだったが、あまり目印のない中、先達は樹林帯の中でもしっかりルートをとっている。この方のルートファインディング能力には敬意を表さずにはいられない。
本当に助かった。
そして、13時48分、ついに国師ヶ岳に到着したのだった。
大弛峠からは途中休憩が入ったにしても 2時間を要したことになる。今朝程 林道で見た 『 大弛峠周辺案内図 』 には、
大弛峠から国師ヶ岳までの所要時間が 30分と記述してあったし、手元の地図では 1時間となっている。しかし、雪山の現実は 2時間 (正確には休憩を除くので 1時間47分 ) を要した訳で、
残雪期の山を舐めてはいけないことが大変良く分かったのだった。 |
苦労して到着した国師ヶ岳の展望は抜群と言いたいところだが、
それは岩場に立てばのこと。
展望は今まで見てきた以上のものはなかろうと思い、横着してワカンを外さず、従って岩場に足を踏み入れなかったのだった。
なお、この頂上には 一等三角点がある。
頂上で 10分程休憩しつつ、この後 北奥千丈岳を往復するかどうか検討する。結果、この時間でもかなり下山が遅くなることが予想されるので、
北奥千丈岳は諦めることにした。
ところで、先達の足跡だが、やはり国師ヶ岳よりさらに先へと進んでおり、
縦走であった。兎に角 感謝である。 | |
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13時58分、国師ヶ岳を後にする。
下り始めると、前方 樹林の上に金峰山が良く見える。
金峰山の左にはうっすらではあるが、鋸岳、
甲斐駒ヶ岳のシルエットも見える。
帰宅後調べると、鋸岳の右手後方には 本来であれば中央アルプスも見えるらしい。しかし、本日のコンディションではそれは叶わぬこと。
それでも十分に満足である。
順調に下っていくと、今度は金峰山の右手に八ヶ岳も見えてきた。
ということは、金峰山からの展望はもっと素晴らしいはず。手元の地図で金峰山を 『 奥秩父一の展望 』 としているのも頷ける。 |
そして、
前国師岳には 14時13分に戻り着く。
ここで 5分程休憩しながら、やはり 北奥千丈岳を往復すべきだったかな と反省する。
遅くなっても、山道で日が暮れる訳ではなく、林道歩きの途中に暗くなる訳で、それならどんなに遅くなっても道を間違えることはない と思い至ったからである。
しかし、地図では往復 30分程になっているものの、今日のこの状況なら 1時間近くかかってもおかしくないはず。
そうなると体力的な問題も出てくるかもしれない。迷うところである。
そう言えば、昨年の今頃、丸盆岳を登った後、
黒法師岳も登るべきだったと反省したのだった。
北奥千丈岳、黒法師岳、どちらも 一度登っているからこそ諦めがついたことは間違いない。 | |