鎌倉散策 ( 朝比奈切通、十二所果樹園展望台 約 149m ) 2019.4.5 登山



【PHOTO & 記録 鎌倉散策 1】

3月20日に 大菩薩嶺に登ったことで、恥ずかしながらも漸く今年の登り初めを行うことができたのだが、 残念ながら続けて山に登るほど体調 (特に左膝) の方は万全では無く、中途半端な状態が続く。
そうこうしているうちに 4月に入り、そろそろ恒例となっている 『 鎌倉ハイキング 』 のコース決めをする必要に迫られるようになったことから、 足の状態を試す良い機会でもあると考えて、下見に出かけることにする。

この鎌倉ハイキングというのは、とある関係にて年齢 50歳以上の方々を募り、 毎年 5月と 12月に鎌倉の山を絡ませながら周辺の寺社巡りをしているもので、2015年冬に実施した 第一回散策 (その時は鎌倉アルプスを歩く) から数えて今回で 8回目となるものである。
そして、その主催者側に小生も組み込まれており、小生が山登りを趣味にしているということからコース決めを任されているという状況なのである。
しかし、毎回 広く参加者を募集してはいるものの、大半が固定客 ? という現状になりつつあるため、同じコースを辿ることや同じ場所を訪れることは極力避けねばならず、 いつもコース決めに頭を悩ませている。
しかし、今回は以前から暖めていた企画があるため、散策コースはスンナリと決まる。

そのコースというのは、 前から訪れたいと思っていた鎌倉七口 (かまくらななくち = 三方を山に囲まれた鎌倉への陸路の入口を指す名数) の一つである 朝比奈 (朝夷奈) 切通を中心にした散策を行い、併せて、 鎌倉五山 (= 鎌倉にある臨済宗の寺院を格付けをする制度による 5つの寺) の一つである浄妙寺に詣でるというものである。

なお、鎌倉七口のうち極楽寺切通、亀ヶ谷切通、巨福呂坂 (こぶくろざか) 切通の 3つの切通は、 今や車道が通っていることから当時の雰囲気を味わうには適していないと思われ、また大仏切通の方は山道ではあるものの今の状況は明治時代になって開削されたものであることに加え、 実際に訪れてもあまり面白味が無いことから、やはり見るべき切通は名越 (なごえ) 切通と化粧坂 (けわいざか) 切通、 そして朝比奈切通ということになろう。
このうち、名越切通、化粧坂切通は既に過去の散策にて訪れていることから、この朝比奈切通は是非とも行きたいと思っていた場所なのである。
加えて、浄妙寺については既に過去の散策にて鎌倉五山第一位の建長寺、第二位の円覚寺、第三位の寿福寺、第四位の浄智寺を訪れているので、 第五位の浄妙寺にもチャンスがあれば立ち寄りたいと考えていたものである。

4月5日(金)、車にて自宅を出発し、まずは大船駅近くにある タイムズポート大船の駐車場を目指す。
五十日 (ごとおび) のためか、混雑気味の道路を少しイライラしながら進み、駐車場に車を駐めた後は 10時45分。
駐車場からは大船駅まで歩いてJR横須賀線にて鎌倉駅を目指す。
本番では横浜駅 9時44分発の横須賀線逗子行に乗る予定であり、そのため鎌倉駅には 10時過ぎに着くことになるのだが、本日は家を出るのが遅く、鎌倉駅到着は 11時6分であった。

鎌倉駅東口に出て 5番のバス乗り場へと進み、11時18分発の金沢八景駅行に乗る。
鎌倉駅から鶴岡八幡宮の間は相変わらず渋滞が続いてノロノロ運転であったが、八幡宮前の丁字路を右折した後は順調に進み、 定刻より遅い 11時40分に十二所神社 (じゅうにそうじんじゃ) バス停に到着する。
バスはかなり混んでいたものの、ほとんどの客は 報国寺、浄妙寺に向かうべく浄妙寺バス停で下車しており、十二所神社で下りたのは小生を含めて二人だけであった。


バスを降りた後、県道204号線をさらに少し先に進み、地蔵尊の所にある押しボタン式信号機にて県道を渡る。
渡った先から斜めに延びる道が出ているので (写真) そこに入る。
少々身支度をする必要があったので、駐車場に立つ看板の下で上着を脱いだり、カメラの取り出しを行う。
本日はかなり暑くなりそうである。

11時45分に出発。
少し進むと、すぐにアパート (ハイツ十二荘) の所で道が 2つに分かれるので、左側の道へと進む。
やがて右側に川の流れが現れる。

少し先で道は再び 2つに分かれるが、今度は右側の道 (というより道なりにまっすぐ) を進む。
すぐに橋を渡ることになり、ここから川の流れは左手に変わる。
また、周辺にはサクラが多く咲いており、周辺の緑も鮮やかで春を感じさせてくれる。

舗装道が暫く続くが、右手にアパートらしき建物を見て、その後左手に分かれる道を見送った後は、 砂利道へと変わり、そこからは民家もなくなって、左右を崖に囲まれた川沿いの道が続くようになる。

ここで失態をしてしまう。飲み物を買うつもりだったのだが、そのことをすっかり忘れてしまい、 先のアパートの下にあった最後の自動販売機を何も考えずに通り過ぎてしまったのであった。

暫くすると、左手の川沿いの柵は無くなり、続いて川の流れと道路の高低差も小さくなって、 川は小川らしい風情を見せるようになる。

その小川の流れを楽しみながら進んでいくと、やがて川の向こう側の崖から水がチョロチョロと川に流れ落ちている場所が現れる。
また、その斜面に竹の棒も差し込まれており、その中からも水が少量流れ落ちていて、傍らには 『 太刀洗水 (たちあらいみず) と書かれた標識も立っている。時刻は 11時53分。

この湧き水は、梶原景時が源頼朝の命を受けて上総介広常を謀殺した際、その太刀を洗い清めた水だと伝わっている。
広常は頼朝挙兵の際に 2万騎の兵を率いて頼朝に従った武将ではあるが、頼朝への謀反の心があると疑われ、討ち取られたのである。

今は草に覆われてしまって 『 太刀洗水 』 の奥が見えないが、奥には崖を削った場所があり、 そこに石祠が安置されている。

その 『 太刀洗水 』 から少し進めば、写真のような分岐が現れる。時刻は 11時55分。
朝比奈切通は左、右は 十二所果樹園で、計画ではぐるっと回って十二所果樹園の方からここへと戻ってくる予定である。

また、左手の道に入るとすぐに右側に小さな滝が現れる (写真 左奥に少し見えている)
この滝は 『 三郎の滝 』 と呼ばれており、その由来は朝比奈切通を一夜で切り開いたと言う伝説の武士、朝比奈三郎に因んだものとのことである。

ここからは左右の崖が迫ってきている中を進む。 いかにも切通という雰囲気である。
また、道は若干の上り勾配となっており、左手の崖下には少ないながらも水が流れている。

この朝比奈切通は、現在の横浜市金沢区六浦 (むつうら) へと通じるように作られた道なのだそうで、 先ほどの分岐にあった説明書きによれば、『 当時の六浦は鎌倉の外港として都市鎌倉を支える重要拠点 』 であったとのことである。

また、足下は土や砂利では無く、鎌倉に多く見られる凝灰質砂岩のようであり、 水の流れが柔らかい岩肌を削って岩に面白い形を作り出している。

一旦 道は土の上らしき所を歩いた後、再び凝灰質砂岩の上を歩くようになる。
川の流れは途中から右手に移り、そのため小さな流れが道を横切っている。

さらには、水の流れはそれ程の量ではないものの道の上にもはみ出すようになり、緩やかながらも足下が濡れている坂を登っていくことになる。
押し流されてきた土が混ざって泥濘 (ぬかるみ) もできており、足下は滑りやすいので、本番当日は山道を歩き慣れていない人にとっては少し厳しいかもしれない。



鎌倉散策データ
上記の散策データ 登山日:2019.4.5 天候 : 晴れ 単独行 日帰り
散策路 : 十二所神社バス停−梶原太刀洗水−朝比奈切通・十二所果樹園分岐−磨崖仏−熊野神社分岐− やぐら−熊野神社分岐−熊野神社拝殿−熊野神社本殿−山道分岐−鉄塔−山道分岐−六浦方面分岐−十二所果樹園入口−展望台−十二所果樹園分岐−十二所果樹園− 朝比奈切通・十二所果樹園分岐−十二所神社バス停−光触寺−明王院−浄妙寺−鎌倉駅
交通往路:瀬谷−(県道18号線)−原宿−(県道23号線)−笠間−(一般道)− タイムズポート大船駐車場 (車にて)−大船駅−(JR横須賀線)−鎌倉駅−(バス)十二所神社バス停
交通復路:鎌倉駅−(JR横須賀線)−大船駅−タイムズポート大船駐車場−(一般道)− 笠間−(県道23号線)−原宿−(県道18号線)−瀬谷 (車にて)

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