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キツイ登りを、喘ぎながら登っていく。
雪の量は多くないものの、周囲は白い世界。ガスも漂ってきた感じである。
少し登っては立ち止まって上を見上げる という、へばってきた時のしぐさが出始める。
途中、上から 2名の若者が下ってきた。この 2名が 1台の車で来たとすると、鳩打峠には 後からやってきた 1台を加えて 3台の車があったので、
これより上部には 少なくとも 2〜3名の登山者がいることになる などといったつまらないことを考えながら登る。
後からやって来た車の人には、七合目手前で追い抜かれており、さらには林道を歩いて登ってきた人が 1名、
そして もう 1台の車の方が 1名以上いるはずである。 |
長く辛い登りも、
ようやく先の方に樹林の切れ間が見え始め、やがて少し傾斜の緩やかな場所に登り着く。
周囲には立ち枯れの木々が目立ち、その先には烏帽子岩と覚しき岩峰が見える。
岩峰の右には少し青空が見えているものの、左側の方は完全にガス。やはり、頂上からの展望は期待できそうもない。
時刻は 10時55分。
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やがて烏帽子岩直登ルートと迂回ルートの分岐に到着。
前回は往復とも直登ルートを使用したが、今回は自分の心の状態、へばり具合、そして雪が積もっていると思われる岩場の危険度を考慮して、
迂回路を選択する。
ただ、迂回路と言っても、こちらにも鎖場などがあって結構スリリングであるし、さらには岩の上に積もっている雪を踏む場合には滑らないように慎重さが要求され、
結構 気を遣う。
無雪期ならば直登ルートの方が楽である様な気がする。 |
慎重に登って、ようやく烏帽子ヶ岳と烏帽子岩との鞍部に到着。
左に曲がれば頂上はすぐである。時刻は 11時7分。
右の烏帽子岩を見ると (写真)、雪の上に登り下りの跡が付いている。雪は凍っていないので、
それ程難しくないと思われるが、やはり巻き道を通って正解だったと思う。 | |
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そして、11時9分、烏帽子ヶ岳の頂上に到着。
予想どおり、頂上には 2名の先客がおられた。その中には、今朝ほど林道を歩いていた方はおられない。
そして、肝心の頂上の展望であるが、
見えるはずの仙涯嶺、南駒ヶ岳、
赤梛岳、田切岳は、
完全にガスに覆われていて見えない状態。僅かに仙涯嶺から下る斜面が見えるだけであった。
当然、南アルプス方面も真っ白である。
小八郎岳を後回しにしたツケが回ってきてしまった。やはり見ることができる時に見ておくべきだったと、またまた落ち込む。 |
先客 2名が次々に下山していく中、
奇跡的な天候の回復を願いつつ 15分程頂上に居たものの、一向にガスが引く気配はなく、むしろガスの量は増すばかりであり、
見える景色はドンドン狭まっていく。
しかたがないので、小生も下山することにし、11時25分、登ってきた道を戻る。
なお、
烏帽子ヶ岳から先、
念丈岳方面の道は雪に覆われたままで足跡は皆無であった。 | |