烏帽子ヶ岳( 烏帽子ヶ岳:2,194.5m ) 2013.11.16 登山



【PHOTO & 記録 烏帽子ヶ岳 1】

11月16日の土曜日に山に登ってきたのだが、愚かにも事前の情報収集を怠り、 また知識不足 (というより常識の欠如) もあって、 当初目論んだ山は登山口まで辿り着けずに中止せざるを得なくなってしまい、 急遽代替の山に登るという失敗を犯してしまったのだった。
以下にその記録を記す。

当初の目論見では、 左膝の調子があまり良くないことから (平地を歩くには何の問題も無いが、階段の昇り下り、 斜面の登り下りには鈍痛を伴う)、キツイ登りを避けて尾根歩きを中心とした山に登ることを意図し、 長野県大鹿村にある 二児山、黒河山、笹山、入山という えらくマイナーな山域を目指すことにしていたのであった。
この山域は、かつて念丈岳に登った際に参考にさせて戴いた 伊那谷の山というホームページの中に、伊那の山々などを紹介されているページがあり、そこで知ったものである。

この山域は位置的に南アルプス、中央アルプスの展望が良いはずであり、 何よりもササ原の尾根が多いため気持ちの良い尾根歩きが楽しめそうなこと、しかも人があまり入らないようなので静かな山旅が楽しめそうであり、 さらには少々ルートファインディングも必要とされること等々で、前から登りたい山のリストに入れていたものである。
しかも、黒川牧場から登り始めれば、それ程時間を掛けなくても尾根に辿り着けるようなので膝にも優しかろうと、 今回真っ先に思い浮かんだ山域であった。
問題は、現在黒川牧場までの林道にて工事を行っているため、通行できる時間がかなり限定されているので、早朝は良いとしても、 下山後の車の通行は時間がずれてしまうと相当待たされることである。まあ、そこは臨機応変に、 時間を見ながら登る山を調整して対応するつもりで出かけることにしたのであった。

横浜の自宅を 2時過ぎに出発。空には星が瞬き、 本日は天気予報どおり快晴になりそうである。
何時もどおり、国道16号線、町田街道を進み、高尾山ICから圏央道に乗って、八王子JCTから中央道に入る。
月明かりで周囲の山影が良く見えるのを楽しみながら中央道を進む。途中、霧が発生しているところがあったものの、 岡谷JCTを通過した頃には霧も消え、順調に松川ICまで進んだのであった。
松川ICからは塩見岳小河内岳に登った時と同じく県道59号線そして県道22号線を進み、大鹿村を目指す。この道でも小渋湖の側を通る際に霧に囲まれたものの、 大鹿村役場近くとなって国道152号線へと進んだ時には 上々のコンディションとなったのであった。

国道152号線を北上し、大鹿中学校の先で右折する。 この右折路の所には 「大池高原・青いケシ・キャンプ場」 といった案内表示板があるので分かりやすい。
林道を登っていく。途中、いくつか林道が分かれたりするものの、そのような場所にはしっかりと標示板が置かれているので迷うことはない。 それにしても、かなり山奥に入り込んだつもりでいると、突然民家が現れてビックリさせられる。人々の生活力は逞しい。
順調に山道を進んでいくと、やがて路面が凍結気味になるが、この程度ならばノーマルタイヤでも問題ない。
しかしである、大池高原キャンプ場を過ぎ、ヒマラヤの青いケシを栽培している農場 ? を過ぎると、道路に雪が現れだしたのである。
雪の上には轍があるので、何とかなるだろうとそのまま進んでいくと、徐々に雪の量が多くなり、轍から少し外れた場合タイヤが滑るようになる。 それでも轍が続いていることに勇気づけられて先に進んでいったのだが、道路も含めて周囲は完全に雪に覆われるようになり、 しかも 5センチ近い積雪量になってきたのである。
スタックの恐怖が頭を過ぎり始め、タイヤが滑ることが多くなったことを機に、これ以上進むのは無理と判断して戻ることにする。
狭い林道ではあるものの、幸い少し先に路肩が広い場所があったので、何とかUターンし、登ってきた道を戻る。

今度はスピードの出し過ぎやタイヤのスリップに気を遣いながら坂を下る。
ようやく大池高原キャンプ場を過ぎて一息つくことができ、その後は問題なく下ることが出来たのであるが、 自分の愚かさを罵りながらの運転であった。よくよく考えれば、黒川牧場の標高は 2,000m程あるようで、この時期、そしてこの地方では、 積雪があって当たり前であった。事前の情報収集を怠ったこと、そして常識が欠如していたためであり、本当に自分が情けない。

よっぽどこのまま帰宅してふて寝してしまおうかと思ったものの、 折角 高い高速代を支払ってここまできたので、何もせずに帰ることはさらに自分が惨めになるだけと思い、 この辺で登ることができる山を考えてみる。
とは言っても、黒河山近辺 (この山域については国土地理院の電子地図から自分で作成した) 以外の地図を持ってきておらず、 そうなると登る山も限られてしまう。
そんな中 思い浮かんだのが烏帽子ヶ岳・小八郎岳である。 松川ICから近く、1回登っているので、地図無しでも問題ないはずである。 他にも、鳥倉林道から三伏峠、小河内岳に登るという案や、前回と同じルートにて念丈岳に登るという案も浮かんだのだが、 積雪具合も心配だったので、無難と思われる烏帽子ヶ岳に決定し鳩打峠を目指すことにする。

林道から国道152号線に再び合流し、 さらには県道22号線・県道59号線を進んで松川ICへと戻る。
松川ICが近くなった所で、朝日を浴びてピンク色に輝く冠雪の中央アルプスが見え、落ち込んでいた気持ちが少し上向く。 本日は烏帽子ヶ岳にて中央アルプス、南アルプスの眺めを楽しむことで良しとしようと自分を納得させる。
松川ICの交差点を右折し、県道15号線を進む。記憶どおり宇寿田製菓の看板、そして烏帽子ヶ岳・小八郎岳の表示が見えてきたので そこを左折する。
後は高速道の下を潜り、農道そして林道を進めば良い。
林道上に積雪はなく、また道に水が流れていた場所があったものの凍った箇所はなく、7時18分に無事 鳩打峠に到着したのだった。
なお、峠の手前で登山者を追い抜いたのだが、どこから登って来られたのだろうと不思議に思う。
峠には車が 2台しか駐車しておらず、登り始める時にさらに 1台が加わっただけであった。


7時22分、駐車場を出発する。
出発の際、峠から東を見れば、北岳間ノ岳を始めとする南アルプスの山々が見える。
本日登ろうとした二児山、 黒河山はどの辺なのであろうか。
なお、身支度をしている最中に、先程林道を登っていた登山者に追い抜かれる。

林道を少し登ると 大島山の姿がよく見えるようになる。 雪が積もっているのか、霧氷なのか、山はかなり白い。
ヘアピンカーブを曲がるとすぐに登山道の全体図が立っている場所に出る。そこに手袋と杖が置かれていたので不思議に思ったが、 その謎は後ほど解けることになる。

その全体図の左側からも山に取り付くことができるが (前回はそのようにしたが、かなりの急登)、 新たに整備された登山口が林道をさらに進んだ所にあるので そちらへと進む。
しかし、登山口が進行方向と同じ方向を向いていたので (つまり鋭角にターンして登ることになる)、 ついうっかり通り過ぎて林道終点まで行ってしまう。今朝程の出来事で、まだ心が落ち着いていないようである。
慌てて林道を戻り、こちら側を向いている登山道に入る。

ここからは記憶どおりの道が続く。
最初はジグザグに登って高度を稼いでいくが、その後は緩やかな勾配の登りが続く。

やがて、小八郎岳を経由する道との分岐に到着。時刻は 7時54分。
前回は小八郎岳経由の道を選択したのだったが、この時間、小八郎岳から眺める南アルプスは逆光になるので、小八郎岳は帰りに寄ることにする。

そのため、この分岐からは初めての道となる。
最初は山腹を横切るように進む、緩やかな登りの道が続く。

左側が開けているので、 樹林越しに烏帽子ヶ岳が見えるが、 こちらも霧氷のためかかなり白い。

緩やかだった道もやがてササ原の斜面を登ることになる。
この頃になると何となく身体がだるく感じられ、登山に集中出来ない状態になる。
心の持ちようというのは重要で、モラールが下がった状態、さらには今朝程の運転でかなり気を遣ったことによる疲れなどあって、 登山を投げ出したいという気持ちさえ湧いてくる。
しかし、ここまで来たからには、烏帽子ヶ岳頂上を踏まねば格好がつかないと思い、何とか足を進める。 足が重く、そうなると左膝の痛みも気になり始めるが、頂上から眺める南、そして中央アルプスの山々を楽しみに進む。

8時15分に、再び小八郎岳経由の道と合流する。
前回の登山記録でも報告したように、登山道には鳩打峠から烏帽子ヶ岳までの間を 10等分し、 その1単位毎に標示板 (実際はラミネート処理された紙) が設置されている。
小八郎岳経由の道と再び合流するこの地点は 3/10。そして道は 5/10手前から登りがきつくなる。

上を見上げれば青空が広がり、快晴状態である。
本来ならば心がウキウキするはずなのであるが、何か烏帽子ヶ岳に登るというノルマを課されているようで、 あまり心が弾まない。

なお、写真は 4/10少し手前の地点。

5/10は 8時54分に通過する。
先にも述べたように登りもキツくなってきており、一方 テンションは低いままなので、足がなかなか進まない。

やがて、少しキツイ斜面を登り切ると、左側の展望が開け、 烏帽子ヶ岳の姿を見通せるようになる。
また、今いる場所のすぐ先にセキナギと呼ばれる崩壊地も見える。



烏帽子ヶ岳登山データ

上記登山のデータ登山日:2013.11.16 天候:快晴後曇り後晴れ単独行日帰り
登山路:鳩打峠−小八郎岳分岐−小八郎岳分岐再合流点−七合目(飯島ルート合流点)−セキナギ− シラクモナギ−烏帽子岩−烏帽子岳 (往路を戻る)
交通往路:瀬谷−国道16号線−八王子バイパス 相原IC−(町田街道)− 医療センター入口 −(八王子南バイパス)− 高尾山IC −(圏央道)−八王子JCT−(中央高速道)−岡谷JCT−(中央高速道)− 松川IC−(県道59号線・県道22号線)−大鹿村役場−(国道152号線)−大鹿中学校−(林道中峰黒川線)−中村農園(引き返す)− (林道中峰黒川線)−大鹿中学校−(国道152号線)−大鹿村役場−((県道22号線・県道59号線)−松川IC−(県道15号線)− 宇寿田製菓−(林道)−鳩打峠 (車にて)
交通復路:鳩打峠−(林道)−宇寿田製菓−(県道15号線)−松川IC− (中央高速道)−岡谷JCT−(中央高速道)−相模湖IC−(国道20号線)−相模湖駅前−(国道412号線)−三ヶ木−半原日向− (県道54号線)−角田−中津−厚湘バイパス下−下当麻−(県道52号線)−相模原公園入口−(県道507号線)−相武台団地入口− (県道50号線)−中央林間−鶴間二丁目−下鶴間−(かまくらみち)−瀬谷 (車にて)

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