ヤーン・イマジネーション・ドールズ

　シノノメ製のリブロイドが「工芸品」ならば、ヤーンのそれはまさしく「嗜好品」である。
　創設当時より、「より人間らしく、表情豊かな、パートナーとしてのリブロイド」の製作を目標として掲げ、その造形美と感情制御プログラムの細やかさはユーザーの高い評価を得ている。
　同社のリブロイドは特に医療福祉関係で高い評価を得ており、特に医療現場のサポート用に開発された「メアリ」は時として患者が人間と間違えるほど高度なコミュニケーション能力を持つ。
　また、そのグレードアップ版とも言える「エリザベス」シリーズ（現在のバージョン１８）はハウスキーパーとして絶大なシェアを誇っており、そのスタイリングや衣装などに工夫を凝らすマニアも少なくない。
　そういったマニアへの配慮から、「エリザベス」シリーズの社名マーキングは額に施されており、ヘアスタイルを変えることによって容易に隠すことが出来るようになっている。