ワイルド・トラスト

　十六夜がつねにフラスクに入れて持ち歩いているウイスキー。
　ナノ技術と醸造技術の向上により、ウイスキーのような蒸留酒はかなりの短期間で製造できるようになっているが、ワイルド・トラストは大破壊の被害から逃れることの出来た数少ない醸造所で昔ながらの方法で作られているウイスキーである。
　飲み口の軽い、混じり気のない酒よりも、混じり気があるからこそ楽しめる、そういった趣を愛する人々によっていまだに熱烈な支持を受けている。
　安価で品質も良いウイスキーが出回る中で、十六夜が割高なこのワイルド・トラストを愛用しているのは、彼の信条である「データで測れないもの」を貫く昔気質の酒だからである。

ワーカー・デトニクス

<WORKER DETachedly Newly Industrialized CompanieS>　

　工業用リブロイドを得意分野とするメーカー。中小メーカー数社の合併によって誕生した。
　特殊作業に特化したタイプのリブロイドを多数開発しており、非・人間型リブロイドにおいてはトップシェアを誇る。
　一方で大破壊前の技術探求に熱心であり、メモリーディッガー達との繋がりも深い。

　社名は「労働者のための新しい公平な立場での工業化促進企業体」を意味しているが、実は創業者一族の趣味で古式拳銃から取られたと言われている。