手のひらの汗
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−手のひらの汗の対処法(一覧)−

手のひらの汗の対処法について,いろいろと書いてきました.ここで一応の区切りとして一覧表にその利点,難点などをまとめてみます.自分にあった方法をみつけトライしてみましょう.
もう他人より汗が多いからと悲観することはありませんよ.

対処法 利点 難点 おもな副作用 参考 
 効果器レベル
外用剤 塩化アルミニウム液 治療法が容易(寝る前に塗って朝流すだけ) 治療効果がそれほど高くない
効果が出るまでに時間(2〜7日)
皮膚刺激性 しんじょう薬局
グルタールアルデヒド 治療効果が比較的高い 着色する    
理学的療法 イオントフォレーシス療法 安全治療効果が高い
器具を必要とする
効果が施行頻度に依存(週1回20,30分の通電,十数回で効果)
治療を停止より2〜3ヵ月で効果が切れる
ピリピリ感,小水疱 東京医科歯科大
愛知医大
札幌医科大学
ドライオニック(R)
(家庭版イオントフォレーシス器)
安全
家庭でできる(毎日できる)
機器の購入とメンテナンスが必要
機器が高価
ピリピリ感,小水疱 General Medical
 神経伝達レベル
内服療法 抗コリン薬プロバンサインなど) 治療法が容易(飲むだけ) 副作用が強く,治療効果が低い 視覚調節障害,口渇,悪心・嘔吐,嚥下障害,頭痛・頭重感  
自律神経調整剤(グランダキシンなど) 治療法が容易(飲むだけ)   眠気,ふらつき,口渇,吐き気,食欲不振,便秘  
漢方薬 副作用が少ない 治療効果不明    
手術療法
神経ブロック
胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS) 治療効果が確実
手術直後から有効
副作用についての十分な理解が必要 代償性発汗,しびれ,味覚性発汗,ホルネル症候群,気胸 てのひらドットコム
東名病院
経皮的交感神経節ブロック 侵襲が少ない
ブロック直後から発汗抑止
副作用の危険
効果の持続は数ヶ月から数年といわれる
   
星状神経節ブロック(SGB) 副作用がない
自律神経症状全般の改善
効果発現まで数十回の施術が必要
通院治療で1時間ほどかかる
なし 武蔵野病院
その他 A型ボツリヌス毒素療法(ボトックス注) 施術直後より有効
効果が10ヵ月ほど持続
保険適用されていない
高価(10万/回)
注射時の痛みが強い
一時的に握力低下をきたす例がある
(約1ヶ月で消退)
愛知医大
東京医科歯科大
皮膚圧迫 皮膚圧−発汗反射の応用で,皮膚をを圧迫するだけ 上半身をきつく締めると息苦しい なし   
 上位中枢レベル
内服療法 向精神薬(セルシンなど) 治療法が容易(飲むだけ) 不安,緊張を抑えることで汗を抑制するという間接的効果 眠気,ふらつき,頭痛・頭重感,脱力感  
心身医学療法 自律訓練法(AT) いつでもどこでも実施可能 あせるとうまくできず,体得が難しい なし  
バイオフィードバック療法(BF) 慣れると自分で汗をコントロールできるようになる 器具が必要 なし  
カウンセリング 汗が気になって仕方がなく,とらわれてしまった方に有効 精神的な問題以外に原因があると無力 なし しのみやクリニック
その他 音楽療法 ゆったりと音楽を聴くだけ   なし  
いままでどうしようもないと思っていた手のひらの汗.でも,こんなにも対応策があるんですよね.
それを知っただけでも,なんだか嬉しくなってきませんか?
※汗は「体温調節」という重要な役割を持っています.手のひらの汗ならまず大丈夫ですが,体幹部の汗は,たとえば塩化アルミニウム液で止まるからといっても,むやみに止めないでくださいね.

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