** We are starting over 〜ずっと好きだった〜:music by TM NETWORK / 踊る大捜査線
何ていう顔すればいいのか、分からない。
逢うのは久しぶり。
ねぇ、あたし髪切ったんだけど。
なんて、言わなくても気づいてくれる?
声を張り上げて、湾岸署刑事課に戻ってくる。
観光課なんて出来ちゃったものだから、うるさくてしかたない。
書類整理には向かないな。
なんて思ってたら。
「青島ぁ〜うるせーぞ〜」
和久さんの怒号が走った。
「和久さぁん、俺の声より、こっち、外の方がうるさいですよ」
「仕方ねぇんだよ。今、一斉取り締まりやってようやく俺が戻ってこれたんだ」
定期的に行なわれる各署の成績上げの為の一斉取り締まり。
…どっかの会社のような行動は、警察機構という中でも変わらない。
誰が決めたか知らないけれど、不審者は取り締まれという一斉取り締まりのせいで取り締まる刑事と怪しい人物やらから未成年にいたるまで居るせいで刑事課周辺は大賑わいだ。
「3ヶ月に一度の治安維持取り締まりだ仕方ネェだろうが!」
「はぁ、大変な時にかえって来ちゃったなぁ」
「青島ぁ〜ぼやいてないで手伝え〜」
「はいはい」
和久さんの言葉に生返事で応える。
「青島君、取り調べ終わったら、報告書提出してね」
ひょっと顔を出した魚住係長とその後ろから課長。
「はいはい、分かりましたよ」
報告書出さないとならないとは思いもよらなかったよ。
荷物を置いて、いつものように背後を見る。
そこに居るはずの人は…この有象無象の人の中だ。
たぶん。
「さて、やりますか」
軽く気合い入れて、取り調べ(って何の取り調べだ)の開始。
ようやく落ち着ける頃にはもう外は真っ暗だ。
俺、帰ってきたの昼間だったよね。
お昼食べた後に帰ってきたんだよ?
戻ってきたら食いっぱぐれるって思ってたし。
「お疲れ様です、青島さん」
「雪乃さんもお疲れ様」
「大変ですね、今から報告書ですか?」
「そうなんだよ。参ったね」
「じゃあ、お先失礼します」
「お疲れ〜」
雪乃さんを皮切りに夜勤と現在取調中の刑事以外は次々と出払っていく。
そう言えば…まだ、すみれさんにあってない。
荷物はあるから、居るはずだけど。
報告書書きながら、夜食どうすっかなと考える。
書き終われば帰れるし…。
ホントは俺今日、直帰でも良かったんだけどね。
「食べる?」
ふと目の前に出されたラーメン。
「すみれさん?」
あり得ない行動に、思わず止まってしまった。
「いらないのね、あっそ」
素早く、手元に戻して椅子をこっちに引いて座り食べ始める。
「…俺、お腹空いてんだけど」
「あたしもお腹空いてるの。青島君帰ってくるまで豪華ディナー、全然食べられなかったし」
「真下くんが居るでしょう?」
「真下くんは雪乃さんといっしょじゃなきゃやだってだだこねるのよ。青島君だったら誰が居なくちゃやだなんて言わないし。どこでも連れてってくれるしねぇ〜」
「それはすみれさんが見つけてくるお店でしょ?」
「青島君が連れてってくれる屋台おいしいところ多いわよ」
ん?
「すみれさん?」
「何よ」
「もしかして俺が居なくて寂しかった?」
「何言ってんの?青島くん、今日の夕飯と、明日の夕飯、おごりね」
「え?」
ちょ、ちょっと待ってよ、すみれさん。
「青島君が警視庁から戻ってきたお祝いよ」
「お祝いって普通俺がされるほうなんじゃ」
「そうだけど、くだらない事言った罰!!」
くだらない事って。
そう思っただけなんだけどなぁ。
なんて、言ったら、ますます明後日のディナーもなんて言い出しかねないから言わずに。
「まぁ、お帰りなさい、青島君」
「うん、ただいま。すみれさん。そうだ、すみれさん。髪、短すぎない?」
「……明日のお昼もおごってね」
う、禁句だったらしい。
逢うのは久しぶり。
ねぇ、あたし髪切ったんだけど。
なんて、言わなくても気づいてくれる?
******
「青島俊作、ただいま警視庁出向より、戻って参りました!」声を張り上げて、湾岸署刑事課に戻ってくる。
観光課なんて出来ちゃったものだから、うるさくてしかたない。
書類整理には向かないな。
なんて思ってたら。
「青島ぁ〜うるせーぞ〜」
和久さんの怒号が走った。
「和久さぁん、俺の声より、こっち、外の方がうるさいですよ」
「仕方ねぇんだよ。今、一斉取り締まりやってようやく俺が戻ってこれたんだ」
定期的に行なわれる各署の成績上げの為の一斉取り締まり。
…どっかの会社のような行動は、警察機構という中でも変わらない。
誰が決めたか知らないけれど、不審者は取り締まれという一斉取り締まりのせいで取り締まる刑事と怪しい人物やらから未成年にいたるまで居るせいで刑事課周辺は大賑わいだ。
「3ヶ月に一度の治安維持取り締まりだ仕方ネェだろうが!」
「はぁ、大変な時にかえって来ちゃったなぁ」
「青島ぁ〜ぼやいてないで手伝え〜」
「はいはい」
和久さんの言葉に生返事で応える。
「青島君、取り調べ終わったら、報告書提出してね」
ひょっと顔を出した魚住係長とその後ろから課長。
「はいはい、分かりましたよ」
報告書出さないとならないとは思いもよらなかったよ。
荷物を置いて、いつものように背後を見る。
そこに居るはずの人は…この有象無象の人の中だ。
たぶん。
「さて、やりますか」
軽く気合い入れて、取り調べ(って何の取り調べだ)の開始。
ようやく落ち着ける頃にはもう外は真っ暗だ。
俺、帰ってきたの昼間だったよね。
お昼食べた後に帰ってきたんだよ?
戻ってきたら食いっぱぐれるって思ってたし。
「お疲れ様です、青島さん」
「雪乃さんもお疲れ様」
「大変ですね、今から報告書ですか?」
「そうなんだよ。参ったね」
「じゃあ、お先失礼します」
「お疲れ〜」
雪乃さんを皮切りに夜勤と現在取調中の刑事以外は次々と出払っていく。
そう言えば…まだ、すみれさんにあってない。
荷物はあるから、居るはずだけど。
報告書書きながら、夜食どうすっかなと考える。
書き終われば帰れるし…。
ホントは俺今日、直帰でも良かったんだけどね。
「食べる?」
ふと目の前に出されたラーメン。
「すみれさん?」
あり得ない行動に、思わず止まってしまった。
「いらないのね、あっそ」
素早く、手元に戻して椅子をこっちに引いて座り食べ始める。
「…俺、お腹空いてんだけど」
「あたしもお腹空いてるの。青島君帰ってくるまで豪華ディナー、全然食べられなかったし」
「真下くんが居るでしょう?」
「真下くんは雪乃さんといっしょじゃなきゃやだってだだこねるのよ。青島君だったら誰が居なくちゃやだなんて言わないし。どこでも連れてってくれるしねぇ〜」
「それはすみれさんが見つけてくるお店でしょ?」
「青島君が連れてってくれる屋台おいしいところ多いわよ」
ん?
「すみれさん?」
「何よ」
「もしかして俺が居なくて寂しかった?」
「何言ってんの?青島くん、今日の夕飯と、明日の夕飯、おごりね」
「え?」
ちょ、ちょっと待ってよ、すみれさん。
「青島君が警視庁から戻ってきたお祝いよ」
「お祝いって普通俺がされるほうなんじゃ」
「そうだけど、くだらない事言った罰!!」
くだらない事って。
そう思っただけなんだけどなぁ。
なんて、言ったら、ますます明後日のディナーもなんて言い出しかねないから言わずに。
「まぁ、お帰りなさい、青島君」
「うん、ただいま。すみれさん。そうだ、すみれさん。髪、短すぎない?」
「……明日のお昼もおごってね」
う、禁句だったらしい。
**後書き:えっと、楽しかったです。
OD1とOD2の間。
青島が、警視庁の生活安全課?に出向して帰ってきたときの話です。
踊る3週連続放送記念?
OD1とOD2の間。
青島が、警視庁の生活安全課?に出向して帰ってきたときの話です。
踊る3週連続放送記念?