** Come:music by 安室奈美恵 / ブリーチ
私は癒すことしかできない。
力がないから。
私には、癒す以外出来ない。
それすらもできないような気がする。
黒崎君はあたしをかばってひどい怪我を負った。
どうして、あたしはあの攻撃を避けられなかったのだろう。
それだけが頭を回る。
そうすれば、黒崎君はしなくてもいい怪我をせずに済んだのに…。
「井上」
目を覚ました黒崎君の声は少しかれている。
「怪我、ないか?」
笑顔で言う黒崎君にあたしはなんと答えていいか分からず、ただうなずく。
「遅くなって悪かったな」
「そんなことないよ。黒崎君のおかげであたしは怪我しないで済んだんだもん。…黒崎君、あたしの方こそごめんね。あたしのこと庇わなければ、黒崎君は怪我しなかったのに」
そう言葉にしたらますます自分が情けなく思えて来た。
あたしはどうして弱いんだろう。
もう少し強ければ、茶渡君や石田君みたいに、黒崎君と一緒に戦えたのに。
あたしの攻撃は弱くて、あたしの盾は効かなくて、ただ、怪我を治すことしか出来ない。
「井上、」
黒崎君があたしを呼ぶ。
「起き上がって大丈夫なの?」
ゆっくりとうつむかせた顔を上げれば、黒崎君は体を起こしていた。
「大丈夫。お前が直してくれたからな」
「わたし、そんなことしかできなくてごめんね」
「井上…」
はらはらと涙がこぼれる。
ふと、視界に黒崎君の指が見える。
頬に流れる涙を丁寧に拭き取っていく。
「俺たちは、全員お前に助けて貰ってる。斬り合うだけが戦いじゃネェだろ?お前にはずいぶん助けられてるよ」
「でも、弱いと皆に迷惑を掛けちゃうんだよ」
そう言うと、黒崎君は苦笑する。
そして、一瞬後には視界は黒崎君の死覇装だけになって、抱き寄せられてることに気がついた。
「黒崎君?」
「俺に、護らせてくれよ。井上の事」
「く、黒崎君?!」
え?え?え???
黒崎君、今、何て言ったの?
「井上、返事は?」
頭上から聞こえる声はどこか照れていて。
「は、はい」
と思わず返事を返してしまった。
もしかして、黒崎君、ものすごく嬉しいこと言ってくれたんじゃないのかなぁ〜。
そうだとしたらものすごく嬉しいなぁ。
力がないから。
私には、癒す以外出来ない。
それすらもできないような気がする。
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激しい戦闘。黒崎君はあたしをかばってひどい怪我を負った。
どうして、あたしはあの攻撃を避けられなかったのだろう。
それだけが頭を回る。
そうすれば、黒崎君はしなくてもいい怪我をせずに済んだのに…。
「井上」
目を覚ました黒崎君の声は少しかれている。
「怪我、ないか?」
笑顔で言う黒崎君にあたしはなんと答えていいか分からず、ただうなずく。
「遅くなって悪かったな」
「そんなことないよ。黒崎君のおかげであたしは怪我しないで済んだんだもん。…黒崎君、あたしの方こそごめんね。あたしのこと庇わなければ、黒崎君は怪我しなかったのに」
そう言葉にしたらますます自分が情けなく思えて来た。
あたしはどうして弱いんだろう。
もう少し強ければ、茶渡君や石田君みたいに、黒崎君と一緒に戦えたのに。
あたしの攻撃は弱くて、あたしの盾は効かなくて、ただ、怪我を治すことしか出来ない。
「井上、」
黒崎君があたしを呼ぶ。
「起き上がって大丈夫なの?」
ゆっくりとうつむかせた顔を上げれば、黒崎君は体を起こしていた。
「大丈夫。お前が直してくれたからな」
「わたし、そんなことしかできなくてごめんね」
「井上…」
はらはらと涙がこぼれる。
ふと、視界に黒崎君の指が見える。
頬に流れる涙を丁寧に拭き取っていく。
「俺たちは、全員お前に助けて貰ってる。斬り合うだけが戦いじゃネェだろ?お前にはずいぶん助けられてるよ」
「でも、弱いと皆に迷惑を掛けちゃうんだよ」
そう言うと、黒崎君は苦笑する。
そして、一瞬後には視界は黒崎君の死覇装だけになって、抱き寄せられてることに気がついた。
「黒崎君?」
「俺に、護らせてくれよ。井上の事」
「く、黒崎君?!」
え?え?え???
黒崎君、今、何て言ったの?
「井上、返事は?」
頭上から聞こえる声はどこか照れていて。
「は、はい」
と思わず返事を返してしまった。
もしかして、黒崎君、ものすごく嬉しいこと言ってくれたんじゃないのかなぁ〜。
そうだとしたらものすごく嬉しいなぁ。
**後書き:一護を弱らせようかと思ったのですが、結局織姫を弱らせちゃいましたよ。