島根県松江市の「彩雲堂」の、求肥餅(ぎゅうひもち)に薄緑色の寒梅粉を一面に塗布した松江の代表銘菓(茶菓子)「若草(わかくさ)」

2015(平成27)年2月9日

 お茶席に供されるお茶菓子に関しては、2015(平成27)年1月3日長崎県長崎市の創業天保元年の寒菊・もしほ草本家「岩永梅寿軒」の昆布(こんぶ)と求肥餅(ぎゅうひもち)を使った長崎銘菓「もしほ草」でご紹介しました。

 今回は同じくお茶席で供されるお茶菓子の島根県松江市の「彩雲堂」の松江の代表銘菓「若草」をご紹介します。

 「若草」は、松江藩主7代目で茶道不昧(ふまい)流の始祖としても有名な松平不昧(ふまい)公が好み、また不昧公の歌から命名された、1月から4月の春のお茶席に好んで用いられたお茶菓子とのことです。

 この「若草」は、しばらくの間製造が途絶えていましたが、明治中期に「彩雲堂」の初代が再生した松江を代表する伝統の和菓子とのことです。

 大ぶりの直方体に切り分けられたふっくらもっちりした弾力ある食感の求肥餅に、薄緑色の寒梅粉を塗布した、萌(も)ゆる緑が印象的な上品な甘さのお茶菓子です。

 結構食べ応えもあります。

 「彩雲堂」の「求肥餅」の原料となる米粉は、奥出雲・仁多地区でとれる最高のもち米を使用して、コシの強い寒冷地ならではの弾力と歯ごたえの良い求肥餅をつくっています。

 そして、そのもち米を自社工場の石臼で水挽きしたものを使用して粒子の大きさにバラツキをだし、柔らかな舌触りと独特の粘りと風味を出しているとのことです。

 直方体に切り分けた求肥餅に、和三盆糖を使った薄緑色の寒梅粉のそぼろを一面に塗布する作業は一つ一つ手作業とのことです。

 薄緑色の寒梅粉のそぼろは、結構厚く塗布されていますが、手に持ってもなかなか崩れ落ちないです。

 口の中に入れると、寒梅粉のそぼろがホロホロハラハラと溶けていく食感が楽しいです。

 ちなみに、「寒梅粉」とは、餅を粉砕した粉で、粒子が細かく軽い感じの粉とのことです。

 ちょうど寒梅が咲く頃に新米を粉にすることからこの名がついたとのことです。

 一般に関西では「寒梅粉」と、関東では「みじん粉」と言っているようです。

 「若草」9つ入りで、1296円です。

 「彩雲堂」の電話番号は、0852-21-2727です。

 なお、「求肥餅」に関しては、2015(平成27)年1月31日福井県福井市の「松岡軒」の淡い白さの絹織物を思わせる風雅な餅菓子「羽二重餅(はぶたえもち)」と、2014(平成26)年10月25日北海道函館市の「嘉福堂」の北海道厚沢部町産のさつまいも「黄金千貫」を100%使用した函館スイーツ「はこだて雪んこ」(大福餅)と、2014(平成26)年7月16日福島県・会津坂下町(あいづばんげまち)に本店がある「太郎庵(たろうあん)」の会津銘菓「すっちょいさ」等でご紹介しています。

 また、「和三盆糖」に関しては、2014(平成26)年8月9日富山県を代表する富山市の銘菓「月世界(つきせかい)」と、2014(平成26)年3月30日山形市のシベールの期間限定の「金胡麻(きんごま)和三盆(わさんぼん)」ラスクでご紹介しています。


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