岡山県の備前名物の「大手饅頭(まんぢゅう)」(まんじゅう)
2014(平成26)年5月19日改訂
岡山県出身の知人から、岡山県の備前(旧国名で吉備(きび)国を前、中、後に分けた地域のうち、現在の岡山県の南東部を指します。)名物の「大手饅頭(まんぢゅう)」を頂きました。
「大手饅頭(まんぢゅう)」を造っている大手饅頭伊部屋は、初代伊部屋永吉が天保8(1837)年に創業した老舗菓子舗です。
「大手饅頭」の名称は、大手饅頭伊部屋が岡山城大手門付近にあったため、備前藩主から頂いたと伝えられているとのことです。
「大手饅頭(まんぢゅう)」は、米処の備前米を麹(こうじ)にして甘酒を造り、これに小麦粉を加えて発酵させて饅頭の生地を造る酒饅頭の製法です。
漉し餡は、北海道産小豆と特製の白双糖(はくざらとう)で練り上げています。
上記の薄皮の生地で、小ぶりに丸めた上記の漉し餡を包んでいますが、饅頭の皮が極薄に作られているため饅頭の表面随所に餡の黒色が透けて見える独特の形状をしています。
上質な漉し餡と極薄の皮の酒饅頭の風味の調和がとれていて非常に美味しい饅頭です。
「大手饅頭(まんぢゅう)」と非常によく似ている形状と風味の饅頭は、2012(平成24)年2月8日宮崎県延岡市の虎屋の「破れ饅頭」(まんじゅう)でご紹介した「破れ饅頭」です。
「大手饅頭(まんぢゅう)」の上質な漉餡(こしあん)の風味と通じている饅頭では、2012(平成24)年5月28日愛媛県松山市の「山田屋まんじゅう」をご紹介しています。
「白双糖(はくざらとう)」に関しては、2014(平成26)年2月9日愛媛県松山市の「一六タルト」と、2014(平成26)年3月10日東京赤坂に本店がある「虎屋(とらや)」の羊羹(ようかん)「夜の梅」でご紹介していますが、蔗糖を結晶させた砂糖で純度が極めて高いもので、一般的な通称はザラメ糖・白ザラメと言われています。
「大手饅頭(まんぢゅう)」の製造者は、「株式会社大手饅頭伊部屋」(電話番号086-225-3836)です。
なお、酒饅頭については、2013(平成25)年1月21日鶴岡の「福田屋」の期間限定の「酒まんじゅう」と、2012(平成24)年6月20日米沢名物の甘酒まんじゅうの「岩倉まんじゅう店」と、2012(平成24)年2月8日東京の虎屋の「虎屋饅頭」(まんじゅう)でご紹介しています。
また、岡山県の銘菓では、2014(平成26)年3月14日岡山県津山市(つやまし)の「京御門(きょうごもん)」の代表銘菓「桐襲(きりかさね)」饅頭(まんじゅう)をご紹介していますのでご覧ください。
更に、白双糖(はくざらとう)ではなく黒砂糖を使用した饅頭(まんじゅう)では、2013(平成25)年10月22日西川町の「菓子舗わかつき」の「月山黒糖まんじゅう」でご紹介していますのでご覧ください。
そして、岡山県銘菓の「吉備団子」に関連して、2014(平成26)年3月3日山形県金山町の「栗田米屋」の「粟(あわ)もち、黍(きび)もち」でご紹介しています。