日本に北欧神話というものが知られ始めた最初の頃、人々が読んでいた「北欧神話」とは、現在のものとは違うものなのか?
そんな疑問を抱いたのは、北欧神話資料の末尾に記された、数多くの「参考・参照文献」一覧を眺めていた時のこと。可能な限り遡って見つけた資料の゛初版」日付は、昭和8年。戦前の日本において、北欧神話を
日本の人々に紹介した本があった。
、この古い本の中につづられていたものは、今ではおそらく知られていないであろう幾つかの物語だ。中身を見ると、ほとんどが抄訳。また、「エッダ」以外を出典とするものが多い。かつては、物語の出典を気にすることなく、すべて同列の「神話」として、紹介されていたようだ。
ここは、そんな「かつて北欧神話として紹介された」ストーリーを、皆さんに楽しんでいただこう、というコーナーです。