![]() PHP文庫 | ![]() 読了して思うのは、普通は、大きな戦争に負けたことがないということは、強い英国ということの象徴のようでもあるが、結局は、敗戦という外圧がなかったことが、英国の「改革」の動きを鈍らせ、また人々の意識が帝国の衰亡という点に向かなかったことが、原因のような気がする。勝ったとはいえ戦争で国民は疲弊し(本書では終戦後も英国では物資の配給制度が続いたことが紹介されている)、米国に主役を完全に譲り渡し、各地の植民地も続々と独立し、結局、英国は第二次大戦に勝って何を得たのか。別に、敗戦国日本の負け惜しみという訳ではないが。
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![]() 東洋経済新報社 | ![]() 私は、イギリスの日常生活は日本のそれよりもかなり劣っていると考える。繰り返しになるが、もしこれだけしか書かなければ、本書はイギリス批判の本になるだろう。しかし、一方で、政治や思想のレベルでイギリスはまだ生き生きとしている。そして、この文化レベルにおける優越性が日常レベルの劣悪さを補って余りある、というのが私の基本的な視点である。(p.16) 尚、本書の中で、ポンド補助通貨単位ペニーは複数形ではペンスになるが、そのままペニーと言われることが多いとされ、本文中にも「45ペニー」等と書かれている。私の知る限りでは、口語ではペニーともペンスとも言わず、単にpenny (or pence)の頭文字の「ピー」と言うだけだ。但し、最も多いのは、何にも言わない場合である。例えば、3ポンド45ペンスであれば、"Three pounds and fourty five, please."という具合に。ま、人によるか。 |
![]() 岩波新書 | ![]() 本書で面白いのは、近代経済学が英国で産まれたことの悲劇である。多くの国は国内に所得差のある二重構造であるが、英国は一重構造だったり、或いは農業を無視し得たりと、全く他の国の参考にならないモデルであるにも関わらず、それを分析して経済理論が出来上がり、それを無批判に他国に当て嵌めていった、というわけである。成る程ねえ。 どうでもいいが、イタリアを「イタリー」と言うのは爺くさい。 |
![]() 文春文庫 | ![]() |
![]() 実業之日本社 | ![]() ただ、著者が日航辞職後に何をしていたのかいまいちよく分からないため(終わりの方にちろっとだけ出ているが)、本書を読むときに視点の置き方に迷ってしまう場面があるのが難点と言えば難点。 |
![]() PHP | ![]() 尚、「女王陛下の町」と題名では言ってはいるが、本文中で女王に触れているのはごくごく僅かなので、普通のロンドン案内の本と思っていただいて結構です。 |
![]() 大和書房 | ![]() この人は、日本の何を見てきたのだろう。本書の中にはどこまでも荒んだ日本の光景が並ぶ。 この人には論理構成の力が全般的に欠けているが、その中でも「比較力」が決定的に欠けている。英国の一番素晴らしい例と日本の一番駄目な例とを「比較」して、イギリスは素晴らしい、それに引き替え日本はダメダメ、ってな論調で進み、各節の最後の方には、天からの啓示であるかの如く英国人からの「日本は駄目だ」式の発言が引用される。 私はこれは著者の全くの創作だと思うことにしている。こんなことを当の日本人に向かって言う英国人の神経が信じられないからなのだが、もし本当だとしたら、それを有り難がっている著者の神経、祖国を面罵されて喜び、更に活字にして流布しようとしている神経の方が信じられなくなる。 more |
![]() 集英社新書 | ![]() 著者は、例えば或る人物(国王の謀略により悲劇の死を遂げた人物等)に対する民衆の感情が、タブーであるがゆえに表面には現れず、代わりにゴースト伝説という形になって現れたものだと分析している。そういうわけで、恨めしやーという点では日英の幽霊・ゴーストは同じなのだが、民衆は本来ならばゴーストになってしまった人に同情し味方したい、と思っているから、ゴーストは愛され、その物件の価値が高まる、という寸法だろう。 というわけで、興味深い本なのだが、難を言えば、章立ての構成が年代順でもなければ地域順でもないので、ちょっと混乱する。 |
![]() 中公新書 | ![]() |
![]() 文春文庫 | ![]() いきなり言ってしまうが、この本は、私が「英国情報」の扉ページのところで念押しするように書いてある「英国を褒め称え、翻って日本を貶めるといった類の読み物ではありません」に言うような「英国を褒め称え、翻って日本を貶めるといった類の読み物」の代表格なのである。more |
![]() 文春文庫 | ![]() |
![]() 文春文庫 | ![]() それにしても、筆者はよっぽどサッチャーのことが嫌いと見えて、本書の中でも繰り返し彼女を罵倒している。 |
![]() 文春文庫 | ![]() また著者は、英国人に対して日本の立場、日本の良さをきちんと説明しており好感が持てる。日本は先の大戦について謝罪しろとぬかす英国人に対して、「あんたたちは、インドやアフリカ、中国やシンガポール、ビルマに謝ったの?」と言い返している(だからといって俘虜虐待を正当化している訳でもない)。前作よりは、普遍的っぽい記述の分量が若干増えた分だけポイントアップ。 あと、雑誌の投書欄(「出会い系サイト」の雑誌版か)を使った著者の「お見合い」体験記が興味深い。 |
![]() 中公文庫 | ![]() その他、泥棒に入られた記述や、田原総一朗氏の取材のコーディネートをしたエピソードなんかも入ってます。more |
![]() 中公文庫 | ![]() 本作でも筆者は、10年間住んでいたにも関わらず英国的な価値判断に囚われてはいない。いや、逆にちょろっと滞在しただけの人間の方が、英国の良い面だけを見てしまい、過てる英国観をせっせと日本に輸入しているのかも知れないが。more |
![]() 明窓出版 | ![]() しかしながら、記述は至って平板だし、各項目の長さも区々で全く統一感がない。自分の体験したことだけを書いており、何か他の資料に当たった形跡もないので、英国を貶すネタを探している人以外は読む価値は無いでしょう。 |
![]() 南雲堂 | ![]() レディング(Readingと書いてレディングと読む)はロンドンから電車で1時間ぐらいの街だが、もうここらへんに来ると有色人種の数はぐっと減って、アングロサクソン系の比率が随分と高くなる。本書を読むに当たっては、そうした情報を念頭に置いておく必要があると思うのだが、残念ながら、本書にはレディングがどういう街なのかとか(普通の日本人はレディングなんか知らないと思う)等の情報が全く出て来ないし、そもそも留学で行ってる筈なのに、大学の記述が一切無いというのは合点が行かない、というかそんなんありか。 |
![]() 駿台曜曜社 | ![]() 著者が留学したのはロンドン大学のユニバーシティ・コレッジ(米国風に言うとカレッジ)・ロンドン(略称UCL)。ここは伊藤博文も留学していた由緒正しく、また日本と縁の深い大学で、庭には日本人留学生の碑が建っている。著者はここに西洋史を学びに来たのである。が、本書では、よほど楽しかったのか、大学よりも、大学に入る前の準備コースでの悪戦苦闘ぶりに多くの記述が裂かれていて、肝心の大学院の部分は殆ど出てこないが、どうも続編が出てるらしいので、そっちに詳しく出ているのかも知れない。 因みに、著者の桜井氏は、ロンドンの日本人向け新聞にコラムを書いていました。 |
![]() 草思社 | ![]() なんかもう、とにかく、どんな事にでも文句を付けようと思えば付けられる、ということを証明する為に書いたとしか思えない、言い掛かりと独り善がりの勝手な意見に満ちた本である。もう笑うしかない。more |
![]() PHP新書 | ![]() ところで先ず、『漱石の「不愉快」』が何で英国本なの?という疑問に答えなければならないだろう。周知の如く、夏目漱石は英国ロンドンに2年間文部省の官費で留学する。その2年間の漱石の足跡を辿り、彼がどのように英国での生活を送ったかという点を細かく検証したのが本書であり、立派な英国本なのである。more |
![]() 筑摩書房 | ![]() |
![]() PHP新書 | ![]() |
![]() 丸善ライブラリー |
![]() ちくま新書 |
![]() KKベストセラーズ |
![]() 平凡社 |
![]() 紀伊國屋書店 |
![]() 丸善ライブラリー |
![]() 文春文庫 |
![]() 東京書籍 |
![]() 東京書籍 |
![]() 中公文庫 |
![]() 日本評論社 |
![]() ミスター・パートナー |
![]() 中公文庫 |
![]() 朝日文庫 |
![]() ゑゐ文社 |
![]() 文春新書 |
![]() 東京書籍 |
![]() 平凡社 |
![]() 丸善ライブラリー |
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![]() 新潮OH文庫 |