巻頭言2011
LAST UPDATE 2011-04-01

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2011-3-3
◆入試投稿事件の容疑者の具体像が見えてきて新たに感じることがあるではないか。そこには個別具体の人間がいるのだ。ネットとのつき合い方を間違って身につけた青年に、全ての責任を負わせてもいいのだろうか。教育現場で、家庭ですべきことがあったんじゃないか。ヤフー知恵袋の運営、ドコモの商品開発、管轄の省庁にも、利益優先の思想がもたらす弊害を、子どもや保護者、ひいては教育現場に与えている責務がないといえるのか。回復すべき信頼とは、単に大学の試験監督のあり方にとどまらないと考える。(日々雑感2200)

2011-2-15
◆昨日、中学生らしき男の子が、家の前の雪だるまを破壊していたようだ。誰かに見られていないか周りをうかがっていた様子を、物音に気づいた妻がインターホンのモニターで見ていた。妻は、「何か嫌なことでもあったのだろう」と、見逃したというが、その話を聞いた小学生の長男などは相当怒っていたと、昨夜帰宅して妻から聞く。妻は「かなり心がすさんでいるね」といい、kurochanも「しんどい子がいるんだな」と思ったのだが、今朝、愛犬散歩に出るとき、壊された雪だるまを見て、考えが変わる。たいして心はすさんでいないんじゃないか。モノを壊したい衝動が全くない中学生がどれほどいるだろうか。不満や不安に満ちているのが普通じゃないか。雪だるまを壊すことに後ろめたさを感じたがら周りを伺ったのだが、雪だるまを誰がどんな気持ちで作り、それをどんな気持ちで眺め、それが壊されたらどんな気持ちになるか、想像する力や姿勢が足りなかっただけなのだ。しかし、その足りないことが問題で、それが中学生の、その中学生に限らない課題なんだろうと。いじめの問題も、差別の問題も、ケータイトラブルも、想像する力や姿勢が足らないことが問題で、それを育むのが親や地域の大人や教員の役目なんだと。雪だるまは壊れていい。子どもたちの心を、未来を壊してはいけない。(日々雑感2184)