巻頭言2006i-mode版
LAST UPDATE 2006-11-14

2005年 2004年 2003年 2002年
2001年 12 11 10         
2000-12

2006-11-14
◆フセイン死刑判決は中間選挙前に演出されたアメリカの政治ショーだと思うが、日本では教育基本法を改悪するために、文科省のタウンミーティングの半数以上で「やらせ」の質問や参加者選定が組織的に仕組まれていた。高校の必修単位不足問題やいじめ問題さえ、「教育現場に対して教育行政が強力に指導力を発揮するべきだ」という世論操作として演出されたものではないかと考える。必修単位不足問題は教育行政のご都合主義がきっかけだし、いじめ問題は息苦しい格差社会の反映であり、どちらも現行の教育基本法が示す理想をなおざりにしてきた教育行政のつけであるといえるのではないか。現場にとってまさにこれこそが教育基本法が危惧する不当な圧力であったと思うし、この点をすり替える改悪案はさらなる悪夢をもたらすと考える。子どもたちや現場を振り回すのはやめてもらいたい。(時の話題vol.346「教育基本法改悪のための政治ショー」より)

2006-7-24
◆「A級戦犯の合祀に怒り、靖国神社参拝をやめた」という趣旨の昭和天皇発言メモが公表され、論議を呼んでいる。メモを最初に公表した日経新聞社への右翼の暴力は、文字通り論外だが、上坂冬子らの「松岡・白鳥を批判しただけ」という論評は、メモの冒頭部分を意図的に無視した曲解である。天皇の意志が政治に影響を与えてはいけないのは当然だが、現天皇を含め、日本の戦争責任や右傾化に関しての多くの天皇発言をマスコミが封じてきたのも事実である。さて、今回のメモ公表が、小泉の靖国参拝や自民党次期総裁選、戦犯分祀論にどう影響するかが語られているが、これもまた封じられかねないとkurochanが危惧している論点がある。まずは「天皇の戦争責任」だ。連合国との戦争責任相殺・占領統治の便宜・天皇自身による地位保持の懇願によって、東京裁判での被告から外されたことを昭和天皇自身はどう総括していたのか、と問いたい。次に「英霊顕彰の是非」だ。戦死を誉れ高きこととして讃えて、遺族の嘆きを権力批判から切り離し、次なる戦士を調達する戦争継続システムを、いかに断ち切るかという視点で、靖国や分祀問題を論じてもらいたい。(時の話題vol.326「昭和天皇とA級戦犯」より)

2006-4-6
◆民主党の永田議員を擁護する気はないが、ぬけぬけと出鱈目を並べ立ててきた与党議員や閣僚はそれこそどれだけいたことかと思うと、この間の騒ぎが白々しく見えてしまう。政治報道・世論誘導を読み解くリテラシー教育が求められる。
◆教科書検定もまたしかりだ。与党見解にそぐわない記述をとことん排除することこそ、教育基本法が禁じる「教育に対する不当な圧力」である。同法与党改訂案は「教育行政に対する不当な圧力」を禁じようとしているが、その真の狙いとその恐ろしさにも気付くべきである。(日々雑感752「出鱈目な議員と教育」より)