アッシュリオイ

アッシリア人。

アッソス

ヘレニズム時代に最も栄えたポリス。

アッタロス1

3世紀。ペルガモン王。

アッタロス2

アッタロス二世。ペルガモン王。位160〜138年。アッタロス三世の叔父。親ローマ政策をとる。

アッタロス3

アッタロス三世。ペルガモン王。位138〜133年。アッタロス二世の甥。アリストニコスの異母兄。ローマに国土を遺贈して死ぬ。

アッタロス4

シリアの人。フィルヘタイロスの父。

アッリアノス

アリアノスを参照。

アーキトレーブ

台輪(宗教建築の柱頂部をつなぐ厚い板)のこと。広辞苑の図版を参照。

アーリストン

昼食。

アイアコス

ゼウスとアイギナの子。エーロース(英雄)。テラモンとペレウスの父。アイアコス王家の祖。アキレウスやアイアスの祖とされる。

アイアス

イリアスの英雄。テラモンの子,フィライオスの父,テウクロスの異母兄。

アイアンテス

アテナイの部族名。

アイエテス

ヘリオスとペルセイスの子。コルキス王。メデイアの父。

アイオロス

オルセイスとヘレンの子。アイオリス人の祖とされる。

アイガイ

アイオリスの小邑。テミストクレスが一時隠れたことがある。

アイギュプトス

エジプト。

アイギュプトス2

ペーロスの子。リュンケウスの父。

アイギーナ

サロニカ湾に浮かぶ,サラミス南方の島。

アイギーナ2

ゼウスと交わってアイアコスとイアシオンを産む。アイギーナ島の語源。

アイギーネータイ

アイギーナ人。

アイギコレイス

羊飼い。

アイギス

神威盾。ゼウスの持つ盾。

アイギストス

テュエステスの子。兄弟をアガメムノンの父に殺され,アガメムノンを殺す

アイギナ

河神の娘。ゼウスと結ばれてテラモンとペレウスを産む。

アイギプランクトス

メガラ近郊の山。

アイギミオス

ドロスの子。デュマンとパムピュロスの父。ラピテス人に襲われた時,ヘラクレスに助けられ,ヘラクレスの子ヒュロスに領土を分け与えた。

アイゲウス

伝説のアテナイ王。パンディオンの子,テセウスの父。ミノタウロス退治に行ったテセウスが,白帆を掲げるのを忘れて黒帆を張ったまま帰還してきたのを見て,息子が死んだものと思い込んで海に身を投げた。

アイゴスポタモイ

ペロポンネソス戦争の海戦。405年,トラキアのアイゴスポタモイ河口付近で行われた。海の国アテナイと陸の国スパルタとの戦いだったが,スパルタの海軍力はペルシアの援助によって増大しており,スパルタが勝利した。

アイスキュロス

525〜456(5?)年。三大悲劇詩人の一人。エレウシス神官の家系に属し,神話や歴史にまつわるギリシア悲劇を創始した。マラトンとサラミスの戦いに参加した。悲劇コンクールで13回の優勝をものにした。シケリアのゲラにて客死。代表作は「ペルシア人たち(472年)」,「アガメムノン」,「テーバイ攻めの七将」「オレステイア」三部作(458年),「供養する女達」「救いを求める女達」「慈しみの女神達」「縛られたプロメテウス」など。

アイスキュロス2

エレトリアの人か。メネデモスを目の敵にしていた。

アイスキネス

アテナイの人。カリノス(またはリュサニアス)の子。弁論家。ソクラテスの弟子。努力家だったという。僣主ディオニュシオスの食客。アリストテレス2の師。作品は「クテシフォンを駁す」「ミルティアデス」「カリアス「アクシオコス」「アスパシア」「アルキビアデス」「テラウゲス」「リノン」など。

アイスキネス2

アテナイの人。ランプトライ区所属。プラタイアの戦いに前後して革命を策し,露見して逃亡

アイスキネス3

弁論家。弁論術の教本を著した。

アイスキネス4

390頃〜315頃(又は397〜322)。アテナイの人。コトキダイ区所属。弁論家,政治家。対マケドニア政策を巡ってデモステネスと対立,民会や法廷を舞台に激しく争った。

アイスキネス5

アルカディアの人。哲学者。イソクラテスの弟子。

アイスキネス6

ミュティレネの人。「弁論家たちの鞭」と呼ばれた。

アイスキネス7

ネアポリスの人。哲学者。アカデメイア派。メランティオスの弟子にして愛人。

アイスキネス8

ミレトスの人。政治的な文書を書いている。

アイスキネス9

彫刻家。

アイソポス

620〜560頃。イソップの変名で有名な寓話作家。もとはサモスの奴隷だった。

アイティオプス

哲学者。キュレネ派。アリスティッポスの弟子。

アイテル

澄明。ニュクスとエレボスの子。ヘメレと同腹。

アイトーン


アイトラ

テセウスの母

アイトリア

ギリシア中西部の地方名。コリント湾以北からエペイロス以南の一帯。

アイトン

ヘクトルの四頭の愛馬のうちの1頭。

アイドーネウス

モロッソイ人の王。

アイネイアス

ローマ名アエネアス。アフロディテの子。イリアスにおいてはトロイアの英雄で,地中海世界を流浪った末にローマを建国したという。

アイネイス

アイネイアスを主人公としたホメロスの叙事詩。

アイネシデモス

テロンの父。

アイペイア

キュプロスの小市。丘の上にあった。アテナイ人デーモフォンにより建設さる。フィロキュプロス王の代,低地に降って新市を建設,ソロイと改名。

アイリアノス

クラウディウス9を参照。後2c後半〜3c。著書にギリシア奇談集。

アウゲー

テレフォスの母

アウゲアース

別名アウゲイアース。ヘラクレスの物語に登場するエリス王。

アウゲイアース

アウゲアースを参照。

アウタルケイア

自給自足

アウトゥールゴス

自営農民。

アウトノエ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

アウトノエ2

カドモスとハルモニアの娘。

アウレートリス

笛吹き女。

アウロス

楽器。分岐した2本の管を持った管楽器。革帯を用いて口に固定し,演奏者は同時に他の楽器を扱うことができた。

アヴェスタ

ゾロアステルの教典。

アエイムネストス

スパルタの人。プラタイアの戦いで,マルドニオスに石を投げ当て殺す。

アエトリオス

ゼウスとプロトゲネイアの子。

アエネイス

アイネイスを参照。

アエロフォス

位397〜393年。マケドニア王

アオイドス

吟唱詩人。

アカイオイ

アカイア人。

アカイオス

劇作家。作品にサテュロス劇「オンパレ」

アカデーミアー

アカデメイアを参照

アカデメイア

プラトンの創設になるアテナイの哲学学校。語源はヘカデモス。

アカマンティス

アテナイの部族名。

アカルナイ

アテナイの区。市街北方に位置した。

アガウエ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

アガウエ2

カドモスとハルモニアの娘。ペンテウスの母。

アガシアス

アテナイの人。アカルナイ区所属。プラタイアの戦いに前後して革命を策し,露見して逃亡。

アガテノル

カルケドンの人。クセノクラテスの父。

アガトクレス

正しくはアガトクレース。アテナイの人。高名な音楽家。ピュトクレイデスの弟子,ダモンの師。

アガトクレス2

シュラクサイの人。361〜289年。有名な僣主。317年政権を掌握。304年対カルタゴ戦の航跡を後ろ盾に王となる。名君とされた。

アガトン

正しくはアガトーン。447頃〜。悲劇詩人。容貌才知衆に優れ,神童として知られた。416年優勝

アガペノル

アルメニアの王子。アンカイオスの子。トロイア戦争の参戦者の一人。

アガメムノン

正しくはアガメムノーン。伝説上のミュケナイ王。アトレウスの子,メネラオスの兄弟。エレクトラ,オレステス,イピゲネイアの父。娘をアルテミスに捧げる。トロイア戦争に総司令官として出陣,帰国後に妻クリュタイメストラとアイギストスに殺された。

アガリステ

正しくはアガリステー。クレイステネスの姪。ペリクレスの母。クサンティッポスの妻。

アキレウス

トロイア戦争の英雄。勇者の象徴。ペレウスとテティスの子,ネオプトレモスの父。イリアスの主人公。パリスに射殺された。

アギュッリオス

正しくはアギュ?リオス。アテナイの人。コッリュトス区所属。民主派。403〜2年頃廃止された民会手当を復活させた。

アギュリオス

アギュッリオスを参照

アギス

アギス一世。スパルタ王,ヘラクレス家。オリュンピア祭を仕切るエリス人を称賛した者に対して,「四年に一日正義の下で生活したとて,どうして偉大な事をしているものか」。

アギス2

アギス二世。427〜400年。スパルタ王,ヘラクレス家。アルキダモスの子,レオテュキデスの父。フィディティア(共同食事)に参加しなかったため,将軍に罰金を課せられる。413年デケレイアを奪ってアッティカに侵入。遠征中アルキビアデスに妻を寝取られる。

アギス3

アギス三世。位339〜391年。スパルタ王,ヘラクレス家。

アギス4

アギス四世(三世か?)。スパルタ王。位244〜241年。衰退したスパルタを革命によって独裁下に置き,再興させようとしたが失敗,獄死した。

アクゥメノス

アテナイの人。エリュクシマコスの父。

アクシオテア

プレイウスの人。女性の身にしてプラトンに学ぶ。

アクソーン

書板。ソロンの法律が書かれた板。別名キュルベイス。

アクタイエ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

アクメー

最盛期。人間ならば40歳頃を指す。

アクラーティスマ

朝食。アクラートス(生の葡萄酒)を飲むことから。

アクラートス

生の葡萄酒。

アクラガス

シケリア南岸のポリス。創建は581年で,母市はゲラ。ローマ名アグリゲントゥム。

アクラガンティーノイ

アクラガス人。

アクリシオス

アバースの子。ダナエの父。

アクロタトス

スパルタの人。3世紀頃。アレウスの子。ピュロスの新入を防いだ。大叔母キニスに恋慕されたという。

アクロティニオン

コリントスの人。アデイマントス6の子。

アクロポリス

神殿。ポリスの信仰の中心で,防衛上の最後の拠点。

アグノン

正しくはアグノーン。アレクサンドロス3の家臣

アグライア

カリスの一柱。カリスを参照。

アグライス

メガクレスの娘。軍隊喇叭吹き。鬘と羽根飾りをかぶり,四人前の食事をとったという。

アグリュレ

アテナイの区

アグロン

正しくはアグローン。3世紀頃。イリュリア王。

アケストドロス

著述家

アケルドゥス

アテナイの区名。ただし詳細は不明

アゲシポリス

スパルタ王。4世紀前半頃。位?〜371年。パウサニアスの子。アゲシラオスと同時期の王。お人好しだったという。レウクトラの戦いで戦死した。

アゲシラオス2

正しくはアゲーシラーオス。アゲシラオス2世。スパルタ王,ヘラクレス家。444〜360年。位400〜361年。アルキダモスの父。甥のレオテュキデスを押しのけて王となる。だが政治的には誠実で,約束を堅く守り,敬虔で,国法を遵守した。風采が振るわず足も悪かったため,自分を肖像にすることを禁じている。396〜394年アシア遠征の司令官。エジプトに遠征し,帰国を目前にしてメネラオス港にて死ぬ。

アゲトル

ラミアの人。メネデモスとアスクレピアデスのスポンサー。

アゲライ

スパルタの少年隊。アゲレーの複数形。共同生活を送って知恵と力を鍛える組織。

アゴラ

広場。ポリスにおける政治と商業の中心。語源は「(人と物を)集める」という動詞。

アゴラトス

アテナイの有名な密告者。奴隷の子として生まれ,三十人僣主時代に暗躍した。証拠のない告発による罰金を貯めにためたが,一文も払わなかった。多数の貴顕を処刑台に送ったが,本人は恩赦を与えられた。

アゴラノモイ

アテナイの市場監視員。アテナイとピレエフスに五人ずつ置かれ,欠陥商品や腐敗したものが売られないよう監督した。

アシュタルテ

フェニキア人の女神。アフロディテの原形になったとされる。

アシア

アテナイの人。レオンティス族,フレアリオイ区,リュコミダイ氏族(名門である)所属。テミストクレスの末娘。父の死後,従兄弟で姉の夫フラシクレスに養育される。

アシオス

7(6?)世紀。サモスの人。系譜学的な叙事詩を著す。

アスクラ

ボイオティアの寒村。ヘシオドスの家と畑があった。

アスクレピアデス

プレイウスの人。哲学者。エリス派。プレイスタノスの弟子。メネデモスの親友。妻を譲り受けるほど親密だった。

アスクレピオス

正しくはアスクレーピオス。エーロース,のち医神。アポロンとコロニスの子。母の死体から取り上げられ,ケイロンに育てられた。半神の身にして死者の復活を行ったためゼウスの怒りをかい,雷に当たって殺された。聖獣は蛇,犬,雄鶏,まれに雀。

アスクレピオス2

アスクレピオス学派。医神アスクレピオスの末流を称した。コス,ロドス,クニドスなどで活動した。

アステュアナックス

ヘクトルの子。城壁から突き落とされて死ぬ。

アステュダメイア

フォルバスの娘,レプレウスの母。ヘラクレスに息子をとりなした。

アステュノモイ

アテナイの市域監視員。アテナイ担当者が五人,ピレエフス担当者が五人いた。笛吹きやキタラ弾きが2ドラクマ以上で雇われないように監視し,汚物集め人が城壁から1700メートル以内に汚物を棄てないよう監督した。他に路上死亡者(生き倒れ及び捨て子)の処分や違法建築の取り締まりなども行っていた。

アステール

星男。天文官の呼び名。

アステユ

都会

アステラス

星々。

アステリア

コイオスとポイベの子。女神。夫は兄のペルセス。ヘカテの母。

アストス

アテナイ人の血筋を引く者。。女性形アステ。ペリクレス以降,アテナイではアストスとアステの息子でなければ市民権を得られなくなった。

アストライオス

クレイオスとエウリュビアの子。男神。妻はエオス。星々の父であるほか,ゼピュロス,ボレアス,ノトス,エオスポロスらの父。

アスパシア

ペリクレスの愛人

アセベイア

不敬行為。人間と人間を取りまく超人間的な力との間の調和を破ること。犯罪行為全体を指した。犯人は「汚れ(ミアスマ)」を負い,他人にも汚れをもたらすものと考えられた。

アゼニア

アテナイの区(デーモス)。

アソポス

河の神。ボイオティア地方などでこの名前の河が確認されている。サラミス女神の父。「アソポスの土地」はサラミス島をさす。

アタマス

正しくはアタマース。ボイオティアの王。后はイノ。ディオニュソスの育ての親。ヘラによって心を病む。

アタランテ

正しくはアタランテー。有名な処女。山野を巡って過ごしたという。

アタリアース

前4c。アレクサンドロス3の臣。アリオスまたはタリアスとも同定され,実在を疑われる。

アタルベース

アテナイの人。アスクレピオスの聖鳥(雀)を叩き殺したため,処刑される。

アダクリュス・マケ

『涙なき戦い』と訳される。先年にスパルタを荒らしたアルカディア人に対する復讐戦争。アルキダモス指揮のもとスパルタが勝利。

アテ

「破滅」。エリスの子。

アティモス

アテナイの言葉。税金または罰金の未納なものを指す。「国家への債務者」

アテュス

キュベレの愛した少年。

アテーネー

アテナイの区。

アテイーモイ

公権喪失者。

アテイミア

市民権(公民権)剥奪処分

アテナ

正しくはアテーナー。オリュンポス十二神の一柱。女神。ゼウスの娘。知恵を司り,芸術と科学を保護する。梟を象徴とする。別称に「燦めく目の〜」「梟の目の(青い目の)〜」「〜・アトリュートネ(疲れを知らぬ)」「〜・トリトゲネイア(またはトリトー)」「〜・サルピンクス(笛の〜)」など。

アテナ・パルテノス

「処女女神アテナ」の意。アテナの別称。

アテナ・ポリアス

アテナの別名。ポリスの守護女神の権能を期待されたもの。

アテナイオイ

アテナイ人。

アテナイオス

3世紀初頭。ナウクラティスの人。著述家。作品に「宴会の学者達」十五巻。

アテナイオス2

後2世紀頃。ナウクラティスの人。哲学者。テオドロス17の師。

アテノドロス

インブロス島の人。サルデイスの獄舎につながれた。

アテノドロス2

後1c頃。哲学者。ストア派。

アディマントス

アテナイの人。アリストンの子,プラトンとグラウコンの兄弟。

アデュナトーン

身体障害者。古代はもっと露骨な訳で通じただろう。ポリスから生活補償金を受け取る事があった。

アデイマントス

アテナイの人。477〜6年アルコン。

アデイマントス2

プラトンの兄弟。

アデイマントス3

アデイマントス2の孫。プラトンの遺産を受ける。

アデイマントス4

アテナイの人。レウコロピデスの子。アルキビアデスの副将。アデイマントス5と併せて「両アデイマントス」と呼ばれた。理由は不明

アデイマントス5

アテナイの人。ケピスの子。

アデイマントス6

コリントスの人。海将。アクロティニオン,ナウシニケ,アレクシビアの父。

アトラス

男神。イアペトスとクリュメネの子。マイア,アンティオペの父。ティタン族に与してゼウスに刃向かったため,敗戦後,両肩に天を支えて立ち続ける罰を負った。

アトレウス

ペロプスの子,アガメムノンとメネラオスの祖(または父)。兄弟で政敵のテュエステスの子を殺し,テュエステスに喰わせたという。

アトロポス

ニュクスの子。ケールの一人。

アトロメートス

アテナイの人。コトキダイ区所属。アイスキネス4の父。

アドニア

アドニア(またはアドーニア)祭。アフロディテの若い愛人アドニスの夭折を悼んで女達が行った私的な祭。ヘタイラ達の祭として有名で,またその賑やかさ,喧しさでも知られた。女性が壷に土や若枝をつめて屋根に登ったという。

アドメトス

モロッソスの王。妻はフティア。テミストクレスに恥を掻かされ激しく憎む。テミストクレスに庇護を嘆願され,不承不承保護を認めた。

アドメトス2

ペライ王ペレスの子。カリュドンの猪狩りとアルゴナウテス(アルゴー遠征隊?)に参加する。アポロンが罰としてこの男の下僕となったことがある。

アナカルシス

前600年頃。スキタイ族出身の哲学者。グヌゥロスの子。スキュティア王カドゥイダスの弟。母はヘラス人。キュベレ神の祭儀を行っている所を兄に見つかり,射殺された

アナカルシス1

ソロンの家を訪ねるも,「うちに居たままで友情を結ぶほうが良い(外国人は御免だ)」と言われ,「よろしい,あなたはうちにいるのだから私を友,客として迎えて下さい(言葉を意味でなく表現通りに受け取ってみせた)」。立法者ソロンが法律の整備に尽力しているのを笑って,「法の網は蜘蛛の巣と同じだ。弱い者は捉えておけるが,強い者には破られてしまうだろう」。アテナイの民会に出席して,「提案するのは賢者なのに,決定するのが愚か者とは驚いたね」。

アナクサゴラス

499頃〜428年頃。クラゾメナイの人。哲学者。ヘゲシブーロス(またはエウブーロス)の子。ペリクレスの友。エウリピデスとアナクサゴラスの師。感情を露にせず,「理性(ヌース)」の別名で知られた。作品は「自然について」。

アナクサゴラス2

弁論家。イソクラテスの弟子。

アナクサゴラス3

彫刻家。

アナクサゴラス4

文書学者。ゼノドトスの弟子。

アナクサルコス

前4c頃。アブデラの人。ソフィステース。

アナクサンドリデス

アテナイの人。喜劇作家。作品に「プロテシラオス」

アナクサンドリデス2

ロドス島はカミュロスの人。4世紀前半。喜劇作家。作品は「テセウス」

アナクシマンドロス

哲学者。610〜540.ミレトスの人。プラクシアデスの子。アナクシメネスの師。哲学者。

アナクシマンドロス2

ミレトスの人。歴史家。イオニア方言で書かれた史書を残す。

アナクシメネス

585〜528年。ミレトスの人。エウリュストラトスの子。哲学者。アナクシマンドロスの弟子。

アナクシメネス2

ランプサコスの人。弁論家。アレクサンドロスの業績録を著す。アナクシメネス3の叔父。

アナクシメネス3

ランプサコスの人。歴史家。アナクシメネス2の甥。

アナクシライデス

著述家。作品に「哲学者たちについて」

アナクシラオス

レギオンの人。僣主。494年実権を掌握,490年頃にはザンクレを占領した。その後カルタゴと通じてシケリアに勢力を伸ばそうとしたが,480年にヒメラの地でシュラクサイに敗れ去った。

アナクシラス

スパルタの人。サラミスを巡るアテナイとメガラ間の調停者。

アナクシラス2

4世紀後半。喜劇作家。作品に「ボトリュオン」「キルケ」「金持ちの女たち」

アナクレオン

572頃〜482年頃。テオスの人。叙情詩人。処方流浪の生活を送った。

アナプリュストス

アテナイの区名。

アニュトス

アテナイの人。革なめし業者。金持ちだったらしい。425年ピュロス島奪回作戦に失敗。告発されたが陪審員を買収して免れた。ソクラテスを涜神罪で訴える

アバス

リュンケウスの子。アクリシオスの父。

アバリス

伝説上の人物。アポロンの神意を受け,神の象徴たる矢を携えて託宣を授けながら世界を巡ったという。一説では神の矢に乗って自由自在に飛び回ったとも。

アバンティダス

3世紀中ごろ。シキュオンの人。僣主。264年クレイニアスを殺して僣主となる。アゴラにて討論の最中,アリストテレス8らの手にかかって果てた。

アパテ

「欺瞞」。ニュクスの子。

アパトゥーリア

アテナイの祭儀。ピュアネプシオーン月に各プラトリア(同族会)にておこなわれた。1日目は会食(宴会),2日目は供儀,3日目でプラトリアへの新生児の入籍が認定された。

アフロディテ

またはアプロディテ。オリュンポス十二神の一柱。はじめ豊穣の女神,のち美と愛の女神になった。ヘファイトスの妻。ウラノスの捨てられた陰茎とキュプロス南岸の海の泡から生まれたという。キティオン近くのパレア・アフォスが聖地。アシュタルテを参照。

アブデラ

トラキア地方南海岸の都市。

アプシネス

250〜190年頃。ヒスパニアのガダラの人。アテナイに移り,雄弁術に関する書物を著す。

アプトネートス

フィリッポス二世の近習。

アプロス

泡。アフロディテ(アプロディテ)の語源。

アペッラ

スパルタの民会。20歳以上のラケダイモン全員によって構成される。エフォロスの選出などを行うことになっていたが,実権はなかった。

アペレウテロス

アテナイの解放奴隷

アペレス

正しくはアペッレース。三世紀頃。画家。アレクサンドロスに厚遇され,大王はアペレスにしか肖像を描かせなかったという。

アポイキア

植民市

アポテタイ

スパルタの幼児遺棄所。タユゲトス山近傍の穴ぐら。レスケーで長老に命じられた父親は,ここに赤子を放置しなければならなかった。

アポボス

アテナイの人。デモンの子。デモステネス3の甥,デモステネス1の従兄弟。デモステネスの死後,叔母(デモステネス1の母)を娶る。デモステネス3の遺産を横領し,のちに起訴された。

アポマグダリア

犬の取り分。ヘラス人は食事の時,パンの柔らかい部分で手を拭い,拭い終わると犬に投げ与える。それをアポマグダリアと呼んだ。

アポリア

困窮。

アポロクラテース

ディオニュシオス一世の子。

アポロドロス

正しくはアポロドーロス。後1世紀(または2世紀後半)。アテナイの人。著述家。作品は「ギリシア神話」「年代記」「神々について」など。

アポロドロス2

アテナイ(またはミレトス)の人。アルケラオスの父。

アポロドロス3

4世紀前半。アテナイの人。シュコファンテス。アリストゲイトンの知り合い。

アポロドロス4

アテナイの人。パソンとヒッポクラテス4の父。毒杯を仰がんとするソクラテスに死に装束を献呈したが,断られた。

アポロドロス5

キュジコスの人。アテナイに渡り,ストラテーゴスに選ばれる。

アポロドロス6

?〜276.カルキディケはカッサンドレイア(ポテイダイア)の僣主。民衆を煽動して僣主となる。酒豪にして酒乱,粗暴な振る舞いが多かったという。アンティゴノス・ゴナタスに討たれた。

アポロニオス

哲学者。ディアクレティコイ。「クロノス(老いぼれ)」とあだ名された。ディオドロス3の師。

アポロニオス2

2世紀〜1世紀。ロドスの人か。弁論家。モロンの子。キケローの師の一人。別名モロン(ラテン名モロー)。

アポロニオス3

プトレマイオス二世に仕えた財務長官。前3世紀半ば。ゼノン5の主。

アポロニオス4

アンティオコス四世に仕えた傭兵隊長。前2世紀半ば。第六次シリア戦争の敗退後,エルサレムを略奪する。

アポロニオス5

デメトリオス二世に仕える。前2世紀半ば。アレクサンドロス・バラスとの内戦中コイレ・シリアの総督に任命されるも,ヨナタンに敗れる。

アポロニデス

プラトンの奴隷

アポロン

オリュンポス十二神の一柱。太陽神。ゼウスとレトの子,アスクレピオスとオルペウスとイアモスの父。テミスに育てられる。若さの象徴。予言,医術,詩と音楽を司る。弓術の名手でもある。毎年5月と10月に,種蒔きの時期とあわせて「清めの(権能を備えた)神」アポロンに祭りが奉納された。別名ポイボス。キュクロプス殺しの罰として,下僕の身分で一年間アドメトスに仕えた。

アミュクラ

スパルタの人と言われる。アルキビアデスの乳母。

アミュクロス

ヘラクレイアの人。プラトンの弟子。

アメイニアス

イアソスの人。ディオドロス3の父。

アメニアス

アテナイの人。デケレイア区所属。サラミスの海戦で,ソクレスとともに勇将アリアメネスを殺す。

アモンファトレス

スパルタの人。サラミスを巡るアテナイとメガラ間の調停者。

アモンファレトス2

スパルタの人。将軍。プラタイアの戦いで短気と浅慮と無鉄砲を遺憾なく発揮する。

アラクナイオン

アルゴス地方の山。

アラクネ

リュディアの人。織物の名人で,アテナと織物の腕くらべをしたが,その技量の素晴らしさが女神の嫉妬をかい,蜘蛛にさせられたという。

アラトス

キリキアのソロイの人。315年頃〜240年。詩人。メネデモスの友。アテナイでストア派を学ぶ。アンティゴノス二世の宮廷に招かれた。作品は天文詩「パイノメナ」。

アラトス2

271〜213年。シキュオンの人。クレイニアスの子。僣主を倒しアカイア同盟に参入,245年以降は同盟を主導した。

アラバストロン

香料を入れる細長い小ガメ。

アラルコメニオス

ボイオティアの暦。今の11月末から12月初め。

アリュアッテス

位617〜560年。リュディア王。メルムナダイ朝4代。ヘラス贔屓として有名。デルフォイに寄進を行ったりした。

アリュバロス

多用途に用いられた,頚部の細い小さな壺。

アリアドネ

ミノス王の娘。テセウスの結婚の約束につられて,ミノタウロス退治を手伝った。

アリアノス

ただしくはアッリアノス。後1〜2世紀。歴史家。著作に「アレクサンドロス東征記(アナバシス)」

アリアペイテス

スキュティア王。イダンテュルソスの子。スキュレス,オクタマサデス,オリコスらの父。

アリアメネス

クセルクセスの兄弟。勇猛な海軍提督。サラミスの海戦で一隊を指揮する。アテナイ人アメニアスとソクレスに殺される。遺体はアルテミシアに拾われ,クセルクセスのもとに送られた。

アリオン

7〜6世紀。レスボスの人。コリントスに渡ってペリアンドロスの宮廷に入り,ディテュランボス唱歌を完成させた。

アリスタ

「エクセレント」「典雅」の意。

アリスタゴラス

6世紀後半〜5世紀初頭。ミレトスの僣主。ペルシアに従っていたが,ミレトスに平等政治(イソノミア)を成立させて叛乱する。イオニア諸市を誘導してペルシアと戦ったが敗北,トラキアに亡命して客死した。

アリスタルコス

310〜230年。天文学者。太陽を芯とした公転と自転の関係を説いた。280年頃,太陽と月との距離を測定する。

アリスタルコス2

2世紀半ば。文献学者。153年頃アレクサンドリア大図書館の館長に就任。145年プトレマイオス8世に反発してアレクサンドリアを去る。

アリステイッポス

哲学者。ソクラテスの弟子。キュレネの人で,キュレネ派の祖と言われる。アレテの父。ライスの愛人。僣主ディオニュシオスの食客。八方美人で有名だが同業者には嫌われた。作品は「リビュア史」(全三巻),「アルタバゾス」「難破した人たちへ」「亡命者たちへ」「乞食へ」「ライスへ」「ポロスへ」「ライスへ,鏡について」「ヘルメイアス」「夢」「酒宴の主人役へ」「ピロメロス」「身内の者たちへ」「古い酒と女を持っていることを咎めるものたちへ」「贅沢な食事をしていると非難する人達へ」「娘アレテへの手紙」「オリンピック競技にそなえて自己鍛錬している人へ」「質問」「同じく,質問」「ディオニュシオスへの苦言」「「同じく,彫像について」「同じく,ディオニュシオスの娘について」「軽蔑されたと思っている人へ」「忠告しようとしている人へ」「教育について」「徳について」「哲学のすすめ」「ソクラテスへ」「運について」

「古人の奢侈について」など。ただし全て散佚している。

アリステイッポス2

著述家。アルカディアに関する書物を著したという。

アリステイッポス3

アレテの子。哲学者。キュレネ派。「母親に教えられた人」と呼ばれる。テオドロスの師。

アリステイッポス4

哲学者。新アカデメイア派。

アリステイデス

520頃〜468年頃。アテナイの人。アンティオキス部族,アロペケ区所属。リュシマコスの子。リュシマコス2の父。政治家,将軍。悪名高いカリアスの遠縁だが,正義の士として知られる。ステシラオスを巡ってテミストクレスと恋のさやあてを演じ,以後終生の政敵となる。テミストクレスの法案を潰した後に,「テミストクレスと私をアクロポリスの穴(バラトロン)に放り込まないかぎり,アテナイに救いはやってこないな」。政敵を起訴したが,相手が弁護演説もなく判決を下されるのを見て,「頼むから,法に従って被告の言い分も聞いてもらいたい」。483年,田舎者から陶片に自分の名前を書くように頼まれ,文句も言わず,言った通りにしてやった。だが追放決定の後,「神様,アテナイ人に我が名を思い起こさせる災いが降りかからぬ事を」。アイスキュロスが『テーバイ攻めの七将軍』を公演した折,俳優の「人は善い人と思われるのではなく,善い人であるよう心がけねばならない」という台詞に,市民は一斉に彼を振り返ったという。とかく噂の絶えないテミストクレスに将軍の特性を問われて,「本当に立派な将軍に相応しいのは,その手を汚れに染めぬ事だ」。金持ちのカリアスに金を差し出されて,「富を見事に使う人は多くても,貧乏に堂々と耐えていく人は,そうそう見つかるものでない。しぶしぶ貧乏暮らしをする者は,恥じているにすぎない(が私は違う)」。483〜482年,テミストクレスとの政争に敗れ,陶片追放により国外に亡命。サラミスの海戦で帰国,テミストクレスを助けて活躍する。478〜477年,プラタイアの勝利後,ヘラス全市の貢納金負担額を査定する。公正な分担を示し,後世その存在は「ギリシアの幸運」とまで称えられた。晩年は不遇だった。

アリステイデス2

アテナイの人。クセノフィロスの子。ディオニュソス祭のコンクール優勝者。

アリステイデス3

哲学者。ディアクレティコイ。

アリストクセノス

タラスの人。アリストテレスの弟子。哲学者。音楽論の理論家でもあった。笑うことを厭うたという。

アリストクラテス

前2または1世紀。スパルタの人。ヒッパルコスの子。「ラコニア史」を著す。

アリストクラテス2

アルカディアの名族。アリストデモスとエリステネイアの父。アルカディア地方全域に権勢を振るったという。

アリストクラテス3

アテナイの人。コリュットス区所属。アリストン2の父。

アリストクラテス4

プラトンの最初の名前。

アリストクラテス5

アテナイの人。411年テラメネスと共に400人評議会の転覆に成功する。406〜5年頃のストラテーゴスの一人。アルギヌゥサイの海戦における責任を問われ,同僚とともに処刑された。

アリストゲイトン

514年,ハルモディオスと共に僣主ヒッパルコスを殺害,アテナイに民主政治を復活させた者として崇められた。

アリストゲイトン2

4世紀前半。アテナイの人。シュコファンテスとして有名。マケドニア王ピリッポス二世の支持者に雇われて九回もデモステネスを告発,フォキス人やピレエフスの青銅細工師,革細工師などを訴追,ヘゲモンに対する訴追を売り渡し,オリーブ職人アガトンやデマデス,デモクレスに対する告発を賄賂で取り下げた。

アリストス

アスカロンの人。アンティオコス15の兄弟。

アリストテレス

384〜322。カルキュデス島,スタゲイロスの人。ニコマコスの子,ニコマコスの父。妻はピュティアス(その死後にヘルピュリスを迎える)。最高最後の大哲学者。文化的功績によりアテナイ市民権を与えられる。アレクサンドロスの師を務めた。323年不敬罪で起訴され,カルキスに退去。亡命の理由を問われて,「私は無花果(シュコン=シュコファンテースの語源)がやたらに茂っているような町に留まりたくはない」。消化器系の疾患により死去。享年62歳。著書に「政治学」「弁論術」「アテナイ人の国制」「動物誌」など。

アリストテレス2

アイスキネスの弟子。通称「ミュートス(神話)」

アリストテレス3

哲学者。キュレネ派。創作論について書いた。

アリストテレス4

アテナイの人。5世紀末。三十人僣主の一人。

アリストテレス5

「イリアス」の研究者。

アリストテレス6

シケリアの人。弁論家。イソクラテスの『パネギュリコス』への反論を公刊した。

アリストテレス7

体育教師。詳細は不明。アリストクセノスの『プラトン伝』を参照。

アリストテレス8

文法家。著書に『冗語法(プレオナスモス)について』など。

アリストテレス9

3世紀中ごろ。シキュオンの人。論理学者。アバンティダス暗殺者の一人。

アリストディコス

タナグラの人。5世紀頃。エピアルテスを暗殺した。

アリストデモス

スパルタ王。ヘラクレス家。プロクレスの父。

アリストデモス2

アルカディアの名族。アリストクラテスの子。エリステネイアの兄。

アリストデモス3

エレトリアの人。メネデモスを売国奴と中傷して国外退去させた。

アリストデモス4

8世紀。メッセニア王。エウパエスの死後,王に指名される。第一次メッセニア戦争でイトメの山塞を死守,20年間戦いつづけたが,戦況に絶望して自殺したという。

アリストデモス5

?〜490年。クマエの人。僣主。エトルリア人の侵略を防いで名を挙げ,僣主となる。独裁の色を濃くしたため,自分が追放した貴族階級に殺された。

アリストニュモス

アテナイの人。クレイトポンの父。

アリストニコス

アッタロス3の異母弟。アッタロス3世の国家放棄に反対して叛乱を起こす。

アリストファネス

445〜385年悲劇・喜劇作家,詩人。日常生活を活写した。作品は「雲(423年)」,「騎士たち(424年)」,「蛙(405年)」,喜劇「女の平和(リュシストラテ)」,「アカルナイの人々」,「蜂(422年)」,「平和(421年)」「女の議会(392年)など。詩に「福の神(388年)」など。

アリストファネス2

257〜180年。ビザンティオンの人。文献学者。エラトステネスを継いでアレキサンドリア図書館の館長になる。ホメロス以来のギリシア詩人の校訂本をつくった。

アリストフォーン

前4c半頃。アテナイの人。アゼニア区所属。シュコファンテース。放埓な道楽者。

アリストブーレー

最良方策。テミストクレスがアルテミスに捧げた神殿の添え名。自分を指しているのだとしてアテナイ市民に嫌われた。

アリストマケー

ディオンの妹。

アリストムネノス

アリストテレスの友人。

アリストメネス

アリストテレスに遺言の執行監督を頼まれた。

アリストン

正しくはアリストーン。ケオスの人。著述家。

アリストン2

アテナイの人。コリュットス区所属。アリストクラテス3の子。プラトン,アデイマントス,グラウコン,ポトネらの父。妻はペリクティオネ(またはポトネ)

アリストン3

アルゴスの人。レスリング選手。プラトンの体育教師

アリストン4

3c半頃。哲学者。ストア派。

アリプロン

アテナイの人。ペリクレスの依頼でクレイニアス2を預かったものの手に負えず,半年足らずで実家に送り返した。

アリムネストス

プラタイアの人。将軍として,プラタイアの戦いに参加。

アル・ミナ

レバントのヘラス人基地。オロンテス河口に位置する。

アルカイオス

620年頃。レスボスの人。叙情詩人。貴族の生まれで僣主ピッタコスのライバルであり,政治宣伝的な詩も著した。

アルカイオス2

ペルセウスの子。アルクメネの父。

アルカイオス3

ヘラクレスの幼名

アルカイオス4

前2c前半。哲学者。エピクロス派。

アルカゲタス

第一人者,首長。複数形アルカゲタイ。

アルカス

ゼウスとカリストの子。エーロース。アルカディア王家の祖。

アルカディオーン

伝説的な酒豪。息子は墓碑に「生酒をあおりつつ死んだ呑んだくれ」と刻んだという。

アルカンドロス

スパルタの人。リュクルゴスの改革に反発して彼の片目を奪う。罰としてリュクルゴスの召使いとなり,心服するに至る。

アルガデイス

職人。

アルキュタス

前4世紀前半。イタリアのタラスの人。ピュタゴラス派の哲学者,数学者。革命の嫌疑にかけられたプラトンを救うため運動した。

アルキッペ

アテナイの人。アロペケ区所属。リュサンドロスの子。テミストクレスに嫁ぐ。

アルキアス

コリントスの人。シュラクサイの伝説上の創建者。

アルキダマース

スパルタ王。白髪を染めたキオス人の外交使節を見て,「心の中ばかりか頭の上にまで嘘偽りを持ち歩いているこの男が,どんなまともな事をいえるだろうか」と非難した。

アルキダミダス

スパルタの人。雄弁家ヘカタイオスが,招かれておきながら一言もしゃべらなかったが,それをなじった者に向かって,「言葉を知る者は時機も知っているのだ」。スパルタ人の人口を聞かれて,「悪党どもを防ぐのに充分な数だけ(いる)」。

アルキダモス

スパルタ王,ヘラクレス家。アギス二世の父。

アルキダモス2

アルキダモス二世。位469〜427年。スパルタ王。431年アッティカに侵入,ペロポンネソス戦争当初をリードした。

アルキダモス3

アルキダモス三世。スパルタ王,ヘラクレス家。アゲシラオス二世の子。妻はデイニカ。アダクリュス・マケでの司令官。362年エパメイノンダスのラコニア侵入を防いだ。

アルキテレス

アテナイの人。テミストクレスを嫌っていたが,ペルシア戦争を期にその軍門に降らされる。

アルキトエー

ミニュアス王の娘。レウキッペとアルシッペの姉妹。

アルキノオス

オデュッセイアに登場するスケリア島の王。ナウシカアの父。

アルキノス

アテナイの人。30人僭主制倒壊後のアテナイで活躍した。トラシュブロスの参政権付与決議に反対して否決させた。

アルキビアデス

452頃〜404年。アテナイの人。クレイニアスの子,クレイニアス2の兄。ソクラテスの弟子にして愛人。デマゴーグ。天才的謀略家にして稀代の寝業師。乳母はスパルタのアミュクラ,付き添い役はゾピュロス。妻にカリアスの姉妹を娶る。テオドロスの義兄弟。シュラクサイ遠征に失敗して亡命,アテナイ復帰後にも戦争で負け,国外で客死する。アリステイデスの遺児リュシマコスに国家から感謝の贈り物を届けさせる。415年シケリア遠征の将軍の一人となる。シケリア到着直後に召喚命令を出され,スパルタに亡命する。414年スパルタの民会に招聘され,アテナイの弱点をばらす。アギス王が遠征中にその王妃を寝取り,ペルシアに亡命する。ペルシアに亡命後,今度はティサペルネスに仕えてスパルタの短所と弱点をばらす(スパルタを弱体化させてアテナイに恩を売ろうとしていた)。次にサモス駐留のアテナイ軍を口説き落としてクーデターを起こさせ民主制を破壊する。410年キュジコスの海戦でスパルタを撃破。408(7?)年華々しい戦果と共に帰国。406年アンドロス島をスパルタから奪うも軍資金に窮乏し,部下の不手際から遠征も失敗。民衆の勝手な糾弾に愛想を尽かしてアテナイを去る。404年プリュギアにて暗殺者の手に掛かって果てた。享年46歳。

アルキポリス

メネデモスのスポンサーの一人。

アルキマケ

テラモンとペレウスの兄弟

アルキメデス

287〜212年。シケリアの人。科学者。アルキメデスの原理や円周率を発見した。

アルキモス

4世紀半ば。シケニアの人。哲学者,歴史家で,ヘラス第一とまで称された高名な弁論家だった。スティルポンに師事。著書は「アミュンタス王に(献ず)」「シケリア史」

アルキロコス

4世紀。詩人。

アルギュリオン

おゼゼ。金

アルギュレ

アテナイの区。

アルギレオニス

スパルタの人。ブラシダスの母。戦死した息子を称えるアンフィポリス人が「スパルタにもあれほど優れた人はいない」と言ったのを受けて,「それ以上は言わないで。ブラシダスは立派な優れた人だったけど,ここには彼より優れた人がたくさんいるのだから」。

アルクトス

複数形アルクトイ。熊。ブラウロンの聖域でお隠りをした少女達の呼び名。6歳以上9歳以下の100人近い少女たちで,裾の長い黄色の衣を身につけて踊った。演舞の途中で衣を脱いで熊のダンスをしたという。

アルクマイオン

アテナイの人。アルクマイオン家。デルフォイ防衛戦の司令官。メガクレスの父。

アルクマイオン2

アテナイの人。アルギュレ区所属。レオボテスの父。テミストクレスの政敵。彼を反逆罪で訴える。

アルクマイオン3

アルクマイオン家。またはアルクメオン。ネストルの子ピュロス王ネレウスの子アルクマイオンを名祖とする。アテナイ有数の貴族。

アルクマン

7世紀後半。リュディアの人。叙情詩人で,最初の合唱曲作家。大食漢。奴隷としてスパルタに渡来,後に解放されて高名な詩人となった。ドーリス方言で歌をつくった数少ない人物。「乙女歌」が現存。

アルクメオン

アルクマイオンを参照

アルクメネ

エレクトリュオン(またはアルカイオス)の娘。ヘラクレスの母。ゼウスに犯されてヘラクレスを産む。

アルケアナッサ

コロポンの人。芸妓。アテナイで仕事をしていた。プラトンの愛人。

アルケシラオス

哲学者。初めテオプラストスに師事し,のちアカデメイアに移る。クラントルの愛人にして弟子。

アルケシラオス3

アルケシラオス三世。キュレネの人。位535頃〜520頃。キュレネ王。バットス三世の子。失墜した王権を復興しようとしてサモスのポリュクラテスを頼り,キュレネを支配下に置いた。寡頭派に殺される。

アルケストラトス

合唱隊指揮者。アリステイデスの出資でディオニュソス祭のコンクールに出場,優勝したとされる。ペロポネソス戦争の時代に活躍した者と同じか。

アルケストラトス2

アテナイの人。有名な富豪。両替商を営んでいたが,有能勤勉な奴隷のパシオンを解放し,彼に商売を譲って引退した。

アルケストラトス3

アテナイの人。リュコミダイ氏族。433〜2年ストラテーゴス。

アルケダモス

5〜4世紀。アテナイの人。デマゴーグで無頼漢。シュコファンテース対策として多くの貴顕に重用された。クリトンと親しく,ソクラテスとも交流があった。

アルケプトリス

アテナイの人。レオンティス族,フレアリオイ区,リュコミダイ氏族(名門である)所属。テミストクレスとアルキッペの子。腹違いの妹ムネシプトレマを娶る。

アルケラオス

スパルタ王。ヘラクレス家。カリラオスと同時期にスパルタ王であった。

アルケラオス2

位413〜399年。マケドニア王。ペラに王宮を造営し,芸術を愛した。408年エウリピデスを招く。愛人クラテウアスに殺害された。

アルケラオス3

アテナイ(またはミレトス)の人。哲学者。アポロドロス(またはミドン)の子。アナクサゴラスの弟子。ソクラテスの師。

アルケラオス4

著述家。アレクサンドロスの征服した土地の地誌を著す。

アルケラオス5

著述家。作品は「自然の奇異」。

アルケラオス6

弁論家。弁論術の教科書を著す。

アルゲス

一つ目巨人。ガイアとウラノスの子。同族にブロンテス,ステロペスがいる。

アルコン

アテナイの執政のこと。ソロン改革では9人,クレイステネスにより10になる。任期一年。一種の高級官僚で,全員平等に偉いわけではなかった。筆頭アルコン(アルコン・エポニュモス)が最高の権威を持ち,年代は彼の名前で呼ばれた。アルコン経験者はアレオパゴスの終身議員となる。四世紀頃の手当は4オボロスだった。

アルコン2

九人の筆頭がアルコン・エポニュモス。他にアルコン・バシレウス,ポレマルコス,六人のテスモテタイがいた。

アルコン・バシレウス

エレウシスの秘儀を監視し,他の一部の祭典の行列と競技,供儀を司る。また殺人者の祭典からの排除を宣告した。

アルゴス

ペロポネソス半島にあったポリス。守護神はヘラ。最も名高かったヘラ神殿(ヘライオン)は423年に焼け落ちてしまい,後に建て直された。

アルゴス2

「悲嘆」。エリスの子。複数。

アルシッペ

ミニュアス王の娘。レウキッペとアルキトエーの姉妹。

アルタイア

オイネウスの妻。トクセウス,メレアグロス,クリュメノスの母

アルタバゾス

ペルシアの人。将軍。

アルタバノス

ペルシアの人。将軍。

アルタペルネス

ペルシアの人。太守。

アルタユクテス

ペルシア人。クセルクセスの妹婿。サラミスで子供を処刑される。

アルティス

神域。

アルテミシア

6世紀。ハリカルナッソスの僣主。サラミス海戦で活躍し,アテナイ人に10000ドラクマの賞金をかけられた。

アルテミス

オリュンポス十二神の一柱。月と狩猟の処女神。弓術の名手。ゼウスとレトの子。貞節の象徴にして弱者を守る神。また出産と多産の女神。ヘラスでは各地で,アルテミスの祭において結婚適齢期に近付いた少女達がダンスをした。これは若者達に,少女と知り合う機会を与えるものだったという。また,場所によっては(アテナイのように)少女達が一定期間にわたって聖域に隠るという通過儀礼も行われていた。アルクトイを参照。

アルテミス2

プラトンの女奴隷

アルテミドロス

著述家。著作に「夢判断」

アルトミアダス

スパルタの人。貴族。リュクルゴスの友人。リュクルゴスのクーデターに参加した三十人の一人で,片腕として活躍した。

アルトミオス

ゼレイアの人。ペルシア人の頼みによりギリシアに黄金(買収用か)を持ち込み,テミストクレスに名誉を剥奪される。

アルナケス

ペルシアの人。クセルクセスの宦官。サラミスの海戦で捕虜となる。テミストクレスによって釈放され,その策謀を助けさせられた。

アルピタモイボイ

大麦粥を

アレイオス・パゴス

アテナイのアクロポリスの西側の丘。民主制期以前のアテナイでは,ここで開催されたアレイオス・パゴス会議が行政・裁判の最高権限を持っていた。

アレイマニオス

すなわちゾロアスター教の混沌神アーリマン。

アレウス

スパルタ王。位307〜265年。アクロタトスの父。クレオニュモスの甥。エペイロス王ピュロスの侵入を防いだ。

アレオパゴス

アテナイの最高機関。アルコンの経験者によってのみ占められる。法に基づいた統治と秩序の維持を監督する。のちには謀略,暗殺事件の裁判も担当した。

アレクサメネス

2世紀前半。アイトリアの人。アカイア同盟軍の司令官。ナビスを暗殺した。

アレクサメノス

テオスの人。著述家。対話篇を発明したとされる候補者の一人。

アレクサルコス

マケドニアの人。4世紀頃。アンティパトロスの子,カッサンドロスの弟。アトス半島にウラノポリスを建設した。

アレクサンドロス1

アレクサンドロス一世。位495〜450年。マケドニア王。ペルシアに従属したが,プラタイアの戦いでヘラスに通謀する。宮廷のヘラス化を進めた。

アレクサンドロス3

アレクサンドロス3世。356〜323年。マケドニア王。大王と呼ばれる。フィリッポス二世の子。アリストテレスの弟子。妻はスタティラとパリュサティス。336年,20歳にもならず王座に着く。335年テーベを破壊して全住民を売却。子供の頃,琴を楽しんで父にたしなめられる。333年エルサレム制圧。同年イッソスの戦いでダレイオス三世を撃破する。332年エジプト制圧。331年アレクサンドリアを建設。同年ガウガメラの戦いでペルシア軍を破る。330年ペルセポリスを占領してペルシアを滅ぼす。327年パンジャーブに侵入。325年ゲドロシア砂漠を横断。323年,アラビア遠征を準備中にバビロンにて急死。享年33歳。

アレクサンドロス4

エウリピデスの作品名。原義は「防衛者」。

アレクサンドロス5

4世紀中頃。ペライの人。悪逆非道の僣主。権力者だった叔父イアソンを殺され,僣主となる。

アレクサンドロス・バラス

シリア王。位前150〜145年。アンティオコス六世の父。前153年アンティオコス四世の遺児を名乗って反乱。前150年デメトリオス一世をアンティオキアに攻め殺して王座を奪う。妻はクレオパトラ・テア。

アレクシアス

アテナイの人。405〜4年アルコン

アレクシス

4世紀後半〜3世紀。トゥリオイの人で,後にアテナイ市民。喜劇作家。作品に「メロピス」「アンキュリオン」「オリュンピオドロス」「寄食者」

アレクシネイオス

エレトリアの人。法案を起草したメネデモスを,親の職業から身の程知らずとして非難した。

アレクシノス

エリスの人。哲学者。ディアレクティコイ。負けん気の強い男で,「エレンクシノス(反駁屋)」と渾名された。ゼノンの論争相手。オリュムピアに渡って学園を開いたが,弟子に去られて孤独のうちに世を去った。

アレクシビア

コリントスの人。アデイマントス6の子。名前は「兵力を防ぐ」意。

アレス

オリュンポス十二神の一柱。戦争の神。男神。ゼウスとヘラの子。短慮,凶暴でゼウスにたしなめられた。

アレテ

シュラクサイの人。ディオニュシオス一世の子。

アレテ2

アリスティッポスの娘。アリスティッポス3の母。哲学者。キュレネ派。他人の手を借りず自分で子を教育したという。

アレテー

徳性

アレトリス

小麦粉挽き娘。アテナイの祭事で,神に供える菓子を作るために石臼を挽いた少女。10歳以上の良家の子女から選ばれた。

アレフォリア

スキュロポリオ-ン月の初めにアクロポリスで催された夜祭。アテナ女神への秘儀だったため,詳細は不明。

アレフォロイ

秘物運び。アレフォリアでアテナに捧げ物を運んだ者。7〜11歳の4人の少女の役目で,極めて公的な性格の「役職」だった。

アロペケ

アテナイの区(デモス)。市街近くに位置する。

アンカイオス

伝説上のアルメニア王。アガペノルの父。

アンキピュロス

哲学者。エリス派。

アンゲレ

アテナイの区名。

アンタゴラス

キオスの人。パウサニアスの御座船に喧嘩をしかける。

アンタゴラス2

ロドスの人。エピグラム作家。アンティゴノス二世の食客。メネデモスの知友。

アンタルキダス

スパルタの人。コリント戦争に敗れペルシアとの和約(通称アンタルキダスの和約)を締結,国を売ったと非難された。アゲシラオスの政敵の一人。レトラを参照。レウクトラで大敗したアゲシラオス王に名言を言い放つ。「戦うことを欲せず戦い方も知らなかったテーベ人に戦い方を教え,たっぷりとその報酬を貰ったわけだ」

アンティオキス

アテナイの部族名。

アンティオコス

アンティオコス一世ソーテール。位前281〜261年。シリア王。プトレマイオス二世とパレスチナを奪い合い,敗れる。

アンティオコス12

アンティオコス十二世ディオニュソス。前1世紀前半のシリア王。

アンティオコス15

前1c頃。アスカロンの人。哲学者。アカデメイア派。アリストスの兄弟。ブルートゥス2の師。

アンティオコス2

アンティオコス二世テオス。位前261〜246年。妻はラオディケ,ベレニケ。セレウコス3の父。

アンティオコス3

アンティオコス三世メガス。シリア王。位前223〜187年。クレオパトラ1の父。フィリッポス五世と結んでエジプトと争いガザを奪う。のちエジプトと和を講じてローマと戦う。前191年テルモピュライ,前189年マグネシアで敗北。前188年アパメイアの和議でタウロス山脈以西を失う。スーサのベル(バァル)神殿を襲い,現地人に殺される。

アンティオコス4

アンティオコス4世。セレウコス朝シリアの国王。位前175〜164年。通称エピファネス(現人神)。アンティオコス三世の子,セレウコス四世の弟。アパメイアの和議でローマに送られる。167年エルサレム神殿をゼウス神殿に改称,君主礼拝を強制。マカバイ戦争の原因をつくる。パルティアのミトリダテス一世に破れ,帰途に病没。

アンティオコス5

アンティオコス五世エウパトル。アンティオコス四世の子。位前164〜162年。

アンティオコス6

アンティオコス六世エピファネス・ディオニュソス。シリア王。位前145〜142年。アレクサンドロス・バラスの子。父の敗死後,二歳にしてディオドトス・トリフォンに擁立される。前142年前述トリフォンに殺される。

アンティオコス7

アンティオコス七世エウエルゲテス・シデテス。シリア王。デメトリオス4の子,デメトリオス5の弟。位前138〜129年。パルティアの捕虜となった兄にかわって王となる。ディオドトス・トリフォンを破った。兄の奪還を目指してパルティア遠征を敢行し,戦死。

アンティオペ

アトラスの娘。ゼウスと交わってアンピオンとゼートスを産む。

アンティオロス

スパルタの人。リュクルゴスの子。子供を残さず,家系を途絶えさせた。

アンティゲネス

アテナイの人。トゥリア区所属。クラテス4の父。

アンティゴノス

アレクサンドロスの将軍。ディアドコイを名乗る。デメトリオスの父。301年イプソスの戦いで敗死。

アンティゴノス10

著述家。著書に「奇聞集」

アンティゴノス2

アンティゴノス二世ゴナタス。マケドニア王。320頃〜239年,位283〜239年。デメトリオスの子。279年ケルト人により王国を逐われる。276年マケドニアに入り王国を回復。同年アポロドロス6を討つ。ストア派の祖ゼノンの弟子。多くの食客を抱えた事で知られる。

アンティゴノス3

アンティゴノス三世ドソン。マケドニア王。263〜221,位229〜221年。エウパントスに学ぶ。222年セラシアの戦いでクレオメネス三世を破った。

アンティゴノス8

3世紀。彫刻家。ペルガモンのアッタロス一世に仕えた。

アンティゴノス9

カリュストスの人。著述家。著書に「ゼノン論」「哲学者伝」

アンティステネス

455頃〜360年頃。哲学者。ソクラテスの弟子。犬儒学派の祖。プラトンを嫌っていた。レウクトラの戦い後,有頂天のテーベ人を批判して,「付き添い役を打ちのめしていい気になったガキと同じさ」。笛上手のイスメニアスを評して,「だが人間としては劣等だ。さもなければそれほどの笛上手であるわけがない」。レウクトラの戦いの後で,「テーバイの人々は,自分たちの先生を打ち殺した言を喜んでいる悪童のように私には思われる」。作品に対話篇「サトン(プラトンを攻撃する内容だったという)」

アンティドシス

財産交換。共同体により奉仕を命じられた金持ちが不満を抱いた場合,別の金持ちを推薦する事がある。推薦された金持ちは,その奉仕を引き受けたくない場合,指名した者と財産を交換しなければならない。

アンティドトス

アテナイの人。451〜0年アルコン

アンティパトロス

397〜319年。マケドニアの人。アレクサンドロスの将軍。ディアドコイを名乗る。カッサンドロスとアレクサルコスの兄。330年メガロポリスの戦いでペロポンネソス人を破る。

アンティパトロス2

アリストテレスの遺言受託人。

アンティパトロス3

キュレネの人。哲学者。キュレネ派。アリスティッポスの弟子。エピティミデスの師。

アンティパネス

405頃〜332年。喜劇作家。

アンティファネス

アテナイの人。美少年として知られたが,テミストクレスに肘鉄をくらわす。のちにテミストクレスが有名になると,彼に取り入ろうとして拒まれた。

アンティポン

480頃〜411年。アテナイの人。弁論家。トゥキュディデスの師とされる。412年400人寡頭政の主導者となるも,のちに反逆罪に問われ,処刑された。その屍骸は埋葬されることなく,国境外に放り出された。法廷弁論に「継母を毒殺のかどで訴う」。

アンティポン2

アテナイの人。占い師。ソクラテスと犬猿の仲だったという。

アンティメニダス

ピッタコスのライバル。

アンティモイロス

メンデの人。プロタゴラスの弟子。ソフィスト。

アンティロコス

レムノスの人。ソクラテスと犬猿の仲だったという。

アンテステーリア

花祭り。迎春祭。ディオニュソスを市街に迎えるもの。期間は三日で,一日目は「樽開きの祭(ピトイギア)」,二日目は「枡(クース)の祭」,三日目が「壺の祭(キュトロイ)」。飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎで,飲み比べ大会などもあった。

アンテステーリオーン

アテナイの8月。現在の2〜3月。29日間。花祭りの月。

アンテノル

彫刻家。有名な『アリストゲイトンとハルモディオスの銅像』の作者。

アンテノル2

トロイア戦争参戦者の一人。プリアモス王の助言者。トロイア陥落後は処方を流離した。ウェネティー族の祖になったなどの伝説がある。

アンテムス

サモス島の旧名。

アンドキデス

440頃〜390年頃。アテナイの人。デーマゴーゴス。寡頭派。「一味同心に告ぐ」,「密議事件について」などの演説がある。415年のヘルメス像破壊事件に関係していたため,エピカレスに告発される。追放処分を受けたが,後に帰国を許された。

アンドラポダ

奴隷

アンドラポディスタイ

人浚い

アンドレイア

クレタ方言。「共同で取る食事」の意。

アンドロクタシア

「殺人」。エリスの子。複数。

アンドロクラテス

英雄。プラタイア付近に社があった。

アンドロクレス

アテナイの人。410年代の民衆指導者。寡頭派の暗殺者に殺される。

アンドロティオン

前4世紀頃。アテナイの人。「アテナイ史」の著者で,同書はアリストテレスに多く利用された。

アンドロティオン2

アンドロンの父。

アンドロマケー

テベの人。テベ王エエティオンの娘。トロイアの英雄ヘクトルの妻。トロイア陥落後はネオプトレモスの奴隷にさせられた。

アンドロン

アンドロティオンの子。哲学者。

アンニケリス

哲学者。キュレネ派。パライバテスの弟子。奴隷にされたプラトンの身代金20ムナ(または30ムナ)を払った。

アンピアラオス

伝説上の人物。予言者。テーバイ攻めの参戦者だが,攻撃の失敗を予言していた。敵の追撃をうけてイスメノス河畔まで来たところ,ゼウスが雷を落として大地を裂き,馬もろとも地に呑まれる。

アンピオン

ゼウスとアンティオペの子。ニオベの夫。ヘルメスより竪琴を授かった琴の名人。テーバイの城壁は,彼の琴の音に従って動く石により築かれたという。

アンピクテュオン

デウカリオンとピュラの子。伝説上の三代目アテナイ王。エリクトニオスに追放された。

アンピス

4世紀後半。喜劇作家。作品に「アンピクラテス」「デクシデミデス」

アンピテオス

アリストパネスの『アカルナイの人々』の登場人物。父方母方ともに神,の意。

アンピトリテ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

アンピドロミア

洗礼式,命名式。新生児にこの儀式が行われると,赤子は一族と認められたことになる。

アンピメネス

コスの人。ピンダロスのライバル。

アンピロギア

「口論」。エリスの子。

アンフィクティオニア

隣保同盟。

アンフィトロペ

アテナイの区

アンフィドゥロミア

『駆けめぐり』の意。または「デカテ(十日目)」とも。新生児(ブレフォス)の誕生から十日目に行われた子供認知の儀式。父親が赤子を抱いて,家の竈を駆けめぐったことから名付けられた。この儀式で初めて赤子は命名され,家族の一員となった。パイスを参照

アンフォラ

貯蔵用の壺

アンブラキス

アリストテレスの奴隷。アリストテレスの遺言により解放される。

アンモニオス

後1世紀後半。アテナイの人。プラトン派,哲学者。プルタルコスの師。

イッコス

タラスの人。オリュムピアの五種競技で優勝した優勝した運動家。

イア

すみれ

イアッコス

エレウシスの秘儀で,行列の先頭に立つ神。同じような秘儀を持つディオニュソス神と誤解される事が多いが,別物。バッコス神の別称とも言われる。

イアソン2

ペライの人。?〜370年。位380〜370。僣主。アレクサンドロス5の叔父。国際関係の天秤を利用して勢力の伸張を図ったが,370年にピュティア祭りの最中,殺害された。

イアネイラ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

イアピュクス

奴隷によくある名前。

イアペトス

廃人。

イアペトス2

男神。ガイアとウラノスの子。妻はクリュメネ。アトラス,プロメテウス,エピメテウス,メノイティオスらの父。

イアミダイ

イアミダイ一族。イアモスの末裔を名乗る。オリュンピアの神官職を務めた。

イアモス

イアミダイ一族の名祖。アポロンとエウアドネの子。母親により菫(イア)の野に捨てられた。

イアンブリコス

後3世紀。新ピュタゴラス派の哲学者。

イアンブロス

3世紀。空想作家。架空の旅行記を著した。

イウダイオイ

ユダヤ人。

イオ

イナコスの娘。ヘラに仕える巫女だったが,ゼウスに愛されてヘラの怒りを買い,牝牛に変えられた。処方を流浪の末,エジプトでエバポスを産む。

イオダマ

ゼウスと交わってテーベーを産む。

イオネ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

イオン

奇矯さで知られる詩人。

イオン2

イオニア人の伝説上の祖先。アポロン(またはクストス)とクレウサの子。アテナイの王となり氏族制を創始した。

イクティノス

5世紀。パルテノン神殿の設計者。

イクテュアス

メタロスの子。哲学者。ディアレクティコイ。大人物だったという。トラシュマコスの知友。

イサイオス

420頃〜345年頃。弁論家。イソクラテスの弟子でデモステネスの師。法廷弁論11篇が残っている。

イサゴラス

6世紀後半〜5世紀前半。アテナイの人。政治家。貴族の出身で,スパルタの後援をうけてヒッピアス追放後のアテナイを牛耳ろうとした。政敵クレイステネスの追放には成功したものの,民衆の反発が強く,自身も国外退去を余儀なくされた。

イストミア

二年に一度開催された競技会。ペリアンドロスの創設になる。コリントスで開かれ,ポセイドンに奉納されていた。

イストモス

地峡。

イスメニアス

有名な笛吹き上手。

イスメニアス2

テーバイの人。ペルシアに使節として派遣される。跪拝を命じられ,指輪を拾うことで誤魔化してみせた。

イスメノス

ポイオティア地方テーバイ付近を流れる河の名前。前5〜4世紀,ここにアポロン・イスメニオス神殿があって大いに尊崇された。

イセーゴリエー

平等の権利。自発性を解放する事で発展を促す,そのための条件

イソクラテス

436〜338年。アテナイの人。テオドロス21の子。哲学者。ギリシア散文の完成者とされる。アイスキネス5の弟子,テオポンポスの師。作品に「パネギュリコス」「平和について」「ピリッポス」など

イソテレイス

アテナイの市民待遇外人。在留外人税を免除され,保護者も必要とされなかった。メトイコイを参照。

イソノミエー

平等政治

イタリア

アテナイの人。レオンティス族,フレアリオイ区,リュコミダイ氏族(名門である)所属。テミストクレスとアルキッペの娘。パントイデスに嫁ぐ。

イダス

アポロンとマルペッサを争った。

イダンテュルソス

スキュティア王。カドゥイダスの子,アリアペイテスの父。アナカルシスの甥にあたる。

イトメ

ペロポネソスの有名な山。466年のヘイロータイ叛乱で,彼らはここに立てこもった。

イドメネウス

著述家

イナコス

アルゴス王。イオの父。

イナロス

リュビア人。460年頃アテナイの助力を得,エジプト人を率いてペルシアに反乱する(〜454年頃)。

イニュクス

シケリアの人。解任された僣主スキュテスを追放された。

イノ

ボイオティア王アタマスの后。カドモスとハルモニアの娘。ディオニュソスの叔母だが,育ての親との説もある。ヘラによって心を病む。

イビュコス

550年頃。イタリアのレギオンの人。叙情詩人。合唱曲と恋の歌の断片が現存する。

イピクラテス

415頃〜353年。アテナイの人。コリントス戦争で活躍した将軍。390年軽装歩兵でスパルタ軍を破り,その実用性を証明した。死刑の告発を受けたが郎党を引き連れ裁判所を取り囲み,裁判官から無罪をもぎ取った。のちペルシアに仕えた。トラキア王コテュスの娘を娶る。

イピゲネイア

アガメムノンとクリュタイメストラの子。父にアルテミスの供儀として殺される。

イピスティアダイ

アテナイの区名。

イピトス

エリスの人。断絶したオリュンピア競技祭を再開させたと伝えられる。詳細は不明。

イピトス2

エウリュトスの子。父の牛を盗んだヘラクレスに返還を要求して殺された。

イリオン

トロイアの別名。

イリス

「虹」。タウマスとエレクトラの娘。羽衣をまとった有翼の乙女。天地を結ぶ神々の使者

イレー

スパルタの少年組。アゲレーより小さい単位。

ウーラニア

天界

ウラニア

ムウサの一柱。ムウサを参照。

ウラノス

天神。ガイアの子。オケアノス,コイオス,クレイオス,ヒュペリオン,イアペトス,テイア,レア,テミス,ムネモシュネ,ポイベ,テテュス,クロノス,キュクロプス,ヘカトンケイレスらの父。妻の陰謀によりクロノスに王位を奪われた。エリニュエス,ギガス,ニュンペ,アフロディテらを生む。

ウラモス

スパルタの騎兵隊。正方形に配置された騎兵隊。

ウリアデス

サモスの人。パウサニアスの御座船に喧嘩をしかける。

エーリ

朝一番

エーロース

超人的な英雄。半神。ほとんどが神を父祖に持つ。

エイオネ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エイコステー

アテナイの20分の1税。貿易で商う財貨の20分の1を貢税として徴集しようとしたもの。

エイスポラ

アテナイの戦時財産税。軍資金を集めるための臨時税。428年のミュティレネ離反の際に初めて登場。

エイレイテュイア

ゼウスとヘラの子。女神。出産の女神。

エイレシダイ

アテナイの区名。

エイレン

スパルタの見習い兵。16〜20歳までの期間をこの身分で過ごし,一人前の兵士となる。

エウアイオン

ランプサコスの人。プラトンの弟子。

エウアゴラス

リンドスの人。クレオブーロスの父。

エウアゴラス2

435頃〜373頃。キュプロス島のサラミスの人。411年にサラミスの僣主となり,親アテナイ政策で世に知られた。405年埋服の毒(コノン)を仕掛け,392年に宗主国ペルシアに反乱するが,失敗した。

エウアゴレ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エウアドネ

ポセイドンの娘。アポロンと結ばれてイアモスを産んだが,イアモスを野に捨てた。

エウアンテス

サモスの人。著述家。

エウエノス

4世紀末〜3世紀初頭。ソフィスト。399年頃アテナイを訪れた。

エウエルゲテス

アテナイの称号。「人民の恩人」

エウキダス

プラタイアの人。プラタイアの戦勝後,ゼウスに炎を捧げるため,デルフォイの聖火をもらいに走り,本陣に帰ってほどなくして死んだ。

エウクランテ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エウクレイア

「名高き者」。プラタイアのアルテミス神殿に与えられていた権能。

エウクレイダス

スパルタ王。3世紀後半。クレオメネス三世の弟。

エウクレイデス

アテナイの人。403〜402年首席アルコン。彼がアルコンの年,アテナイにイオニア式アルファベットが公式採用された。

エウクレイデス2

宝石細工師。プラトンに借金をしていた。

エウクレイデス3

哲学者。ソクラテスの弟子。イストモス近くのメガラ(あるいはゲラ)の人。ディアレクティコイ(問答競技家たち)の祖。作品は「ランプリアス」「アイスキネス」「ポイニクス」「クリトン」「アルキビアデス」「エロースについて」すべて対話篇。

エウテュウナ

執務報告。アテナイの公職者は,任期の終わりに報告を求められ,不正があれば起訴された。

エウテュキデス

アリスティッポスの奴隷。

エウテルペ

ハリカルナッソスの人。一説ではネオクレスの妻,テミストクレスの母。実在が疑われている。

エウテルペ2

ムウサの一柱。ムウサを参照。

エウドクソス

408〜355年。哲学者。惑星運動論を創始する。

エウドレ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エウニケ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エウノモス

スパルタ王,ヘラクレス家。プリュタニスの子。最初の妻(名前は不明)からポリュデクテス,二人目の妻ディオナッセーからリュクルゴスを産ませる。祖父エウリュポンによる民主化の余波を被り,民衆に軽視されて喧嘩を仲裁しようとして殺される。ちなみに凶器は剣でなく,肉斬り包丁だった。

エウパエス

8世紀頃。メッセニア王。

エウパトリダイ

アテナイの貴族。前6世紀頃には民衆に実権を奪われ,没落した。

エウパントス

オリュントスの人。哲学者。ディアレクティコイ。「同時代史」を著す。後にアンティゴノス三世を教えて「王制について」を著した。

エウパントス2

ボスポロスの人。ディピロスの父。

エウピレトス

五世紀頃。アテナイの人。妻を寝取ったエラトステネスを殺し,リュシアスに弁護される。

エウフォリオン

アテナイの人。ソロンの父か。

エウフランティデス

占い師。サラミスの海戦に同行する。

エウブーリデス

ミレトスの人。哲学者。ディアレクティコイ。詭弁家として有名。論題に「嘘吐き」「気付かれていない者」「エレクトラ」「覆いをされている者」「穀物の堆積」「角ある者」「禿頭」など(すべて詭弁)。アリストテレスの不倶戴天の敵。

エウブーロス

エウブロスを参照

エウブロス

またはエウブーロス。405〜330年頃。アテナイの人。経世家にして現実主義者のデーマゴーゴス。財政改善のための一括管理を提案した。観劇財務官に就任,国庫の余剰を観劇手当てに割り当てる事で大衆の支持を得た。和平主義をとり,アテナイ市街地域の美化を推進した。

エウプロシュネ

カリスの一柱。カリスを参照。

エウヘメロス

3世紀初頭。シケリアのメッセネの人。神話の合理的解釈を図った。著作に『神論』

エウボイア

アッティカとボイオティア対岸に浮かぶエーゲ海の大島。

エウポリオン

3世紀。カルキスの人。哲学者。アカデメイアで学ぶ。アンティオコス3世に仕え,アンティオキアの図書館長に任命された。

エウポリス

高名な喜劇詩人。作品は「アッティカの村々」「兵役忌避者(またはオトコオンナ)」。劇中にペリクレスの名を登場させて,「これはまあ,なんと冥界族のお頭をばお連れもうしたか」。

エウポルモス

アテナイの有名な神官一族。

エウマイオス

オデュッセウスの豚飼い。主人の出征中,よくその留守を守った。

エウメニデス

慈母神。。

エウメネス

ペルガモン王。位263〜241年。エジプトの援助でシリアから独立。

エウモルピダイ

アテナイの家名。エレウシニア祭の祭司の家系で,ケーリュケス家とともに祭りの役職を独占した。

エウモルペ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エウモルポス

エウモルピダイ一族の名祖。アテナイとエレウシスが戦ったとき,トラキア人を率いてエレウシスを守った。

エウリュアレ

ポルキュスとケトの子。ゴルゴの一人。不老不死。

エウリュサケス

イリアスの英雄。

エウリュストラトス

6世紀初頭。ミレトスの人。アナクシメネスの父。

エウリュトス

オイカリア王。イピトスの父。ヘラクレスに牛を盗まれ,返還交渉に出た息子をも殺され,最後は城まで燃やされてしまった。

エウリュノメ

オケアノスとテテュスの子。ゼウスと交わってカリスを産む。

エウリュバトス

プリュノンダスと並んで,悪党の代名詞。

エウリュビア

ポルキュスとケトの子。女神。クレイオスの妻。アストライオスとパラスの母。

エウリュビアデス

スパルタの人。将軍。アルテミシオン海戦の総司令官。ペルシア海軍に恐れをなして逃亡を企図するが,テミストクレスに買収されて踏みとどまる。サラミスの海戦でも消極策に走り,テミストクレスに脅される。

エウリュポン

スパルタ王,ヘラクレス家。ソオスの子,プリュタニスの父民衆に政治権力の分譲を行った。このためスパルタ王家をエウリュポン家と呼ぶ者もいる。

エウリュメドン

プラトンの遺言受託人

エウリュメドン2

小アシアの河の名前。468年の戦いが有名

エウリュロコス

カサンドリアの人。哲学者。メネデモスの知友。アンティゴノス二世の宮廷に招かれたが,メネデモスの批判を案じて固辞した。

エウリピデス1

480〜406年。三大悲劇作家の一人。エウリポスまたはサラミスの人。ムネサルコスの子。義父にムネシロコス。アナクサゴラスとプロタゴラスに学ぶ。演劇の登場人物に人間性をもたらした。生涯で表した劇作80篇という。408年アルケラオスに招かれペラに赴く。死してマケドニアのアレトゥーサに葬られた。埋葬の時ゼウスの象徴たる雷が落ちたという。死後,劇作への評価が高まった。作品は「メディア(431年)」,「バッコスの信女(408〜6年)」「アウリスのイピゲネイア」「ヒッポリュトス(428年)」「アンドロマケー(420年代)」,四部作「アレクサンドロス」「パラメデス」「トロイアの女たち(415年)」「シシュポス」「イオン」「ヒケティデス(嘆願する女達)」「ヘカベ」「ヘラクレスの子供達」「アイオロス」など。現存しているのは17篇のみ。

エウリメネ

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エウロペ

ゼウスと交わってミノス,ラダマンテュス,サルペドンらを産む。

エエティオネイア

ピレエフス海港内にあった小岬。ペロポネソス戦争末期に要塞が建てられたり破壊されたりしている。

エエティオン

キュプセロスの父。コリントスの人。

エオス

「曙」。女神。ヒュペリオンとテイアの子。ヘリオスの先導者。アストラエオスの妻,星々の母であるほか,ゼピュロス,ボレアス,ノトス,エオスポロスらの母。

エオスポロス

「暁の明星」。男神。アストライオスとエオスの子。

エキト゚ナ

人面蛇身の神。クリュオサルとカリロエの子。上半身は妖艶なる美女,下半身は斑の蛇。テュポエウスと交わってヒュドラ,ケルベロス,オルトスを産む。

エクサイネテス

ミュルメクス2の父。

エクセケスティデス

アテナイの人。ソロンの父。

エクレシア

アテナイの民会。語源は動詞「呼び集める」。およそ9日に一度開かれた。さらに各プリュタネイアに一回は主要民会と訳されるキュリア・エクレシアが開催される。五世紀から手当がつくようになり,四世紀頃の民会出席手当は1ドラクマだった。

エケクラティデス

ソフィスト。サルデイスの獄舎につながれた。

エケケイリア

オリュンピア開催などに際して宣言された「神聖な休戦」の事。

エゴスポタミ

エゴスポタミの海戦。スパルタ海軍,アテネ海軍を壊滅せしめる。この勝利がペロポンネソス戦争終結を決定した。

エドーデー

食事。

エナポリオン

交易港。

エニュア

ポルキュスとケトの子。グライアの一人。

エニュオ

戦女神。

エバポス

ゼウスとイオの子。エジプトのテーベ王家の祖。リュビエの父。

エパメイノンダス

420頃〜362年。テーベの人。貧乏人。371年斜線陣を用いてレウクトラの戦いでスパルタを破り,テーベの覇権を確立した。ペロピダスの友。362年マンティネイアの戦いで戦死

エビステーメー

知識

エピアルテス

アテナイの人。ソポニデスの子。政治家。キモンの政敵。466年のスパルタ大地震の際,スパルタ救援反対を唱える。アレオパゴスから実権を奪い,主権を民会に置いた。この改革の直後,貴族政信奉者の策謀により,アリストディコスに暗殺される。

エピカルモス

5世紀半ば。コス(またはシュラクサイ,メガラ)の人。喜劇作家。シュラクサイを中心に活躍した。35〜52篇の作品を著すも,今に伝わるのは断片のみ。アテナイの古喜劇に影響を与えた。

エピカレス

アンドキデスの訴追者。

エピキュデス

アテナイの人。デーマゴーゴス。エウフェミデスの子。口はうまいが臆病者で,金にも弱かった。第三次ペルシア戦争で将軍職に名乗りを挙げたが,テミストクレスに買収されて立候補を取り下げた。

エピクシュエス

ペルシアの人。上フリュギアのサトラペス。テミストクレスを暗殺しようとして失敗する。

エピクラテス

アテナイの人。アカルナイ区所属。テミストクレスの友。反逆罪で起訴されたテミストクレスのもとに,妻子を送り届ける。のちにこの罪を問われ,処刑された。

エピクレーロス

女相続人。原義は家付き娘。

エピクレス

ヘルミオネの人。アテナイで人気のあったキタラ弾き。テミストクレスに頼み込まれ,彼の邸宅で練習した(人を集めるため)。

エピクロス

341〜271年頃。サモスの生まれ。哲学者。エピクロス派の祖。父はアテナイ出身。307年頃アテナイに学園を開いた。

エピゲネス

アテナイの人。クリトンの子。ソクラテスの弟子。

エピタデウス

スパルタの人。エフォロス。有名なエピタデウス法(遺産相続人の指定を自由にした)の発案者か。

エピタラミオン

祝婚歌。

エピダウロス

サロニカ湾に面したポリス。内陸部にはアスクレピオス神の聖域があった。

エピティマイオス

著述家。作品は「歴史(ヒストリアイ)」。

エピティミデス

キュレネの人。哲学者。キュレネ派。アンティパトロス3の弟子。パライバテスの師。

エピトロボイ

遺言の受託人。単数形エピトロボス。単数形で家令,支配人の意。

エピファネス

アンティオコス4を参照

エピメテウス

男神。イアペトスとクリュメネの子。妻はパンドーレ。ピュラの父。

エピメニデス

クレタ島ファイストス(またはクノッソス)の人。パイスティオス(またはドシアデスかアゲサルコス)の子神事に詳しかった。ソロンの友。アテナイに来てムニュキア丘の危険性を訴える。

エピメニデス2

系譜学者。

エピメニデス3

ドーリス方言でロードス島について書いた人。

エフィアルテス

アテナイの人。政治家。461年暗殺された。

エフェタイ

アテナイの長老会議。名門出身の50歳以上老人51人により構成される。語義は「法の指示者」。故殺事件の裁判を担当した。

エフォロイ

スパルタの官職。テオポンポス王により始められる。全市民の指導を行う,平時の最高機関。五人のエフォロス(監督官)によって組織されている。単数形エフォロス

エフォロス

405頃〜330年。著述家,歴史家。小アシアのキュメの人。著作に『世界史』(30巻)

エペイオス

トロイア戦争の参戦者。30隻の軍船を率いてギリシア方に加わる。トロイの木馬のアイデアを出した。

エペタイ

またはエフェタイ。50歳以上のアテナイ市民から選ばれる裁判官で,再犯者の処罰を決した。定員51名。

エポニュモイ

「名祖半神」と訳される。アテナイの10ピューライ(部族)の名前の元となった英雄像を並べた列柱台座。4世紀頃に建てられた。エポニュモイは掲示板の役目を持ち,その部族に関する通知事項や提出される法案について掲示されていた。

エラストス

スケプシスの人。プラトンの弟子。コリスコスの同郷同門。

エラト

ムウサの一柱。ムウサを参照。

エラト2

ネレウスとドリスの娘。ネレイスの一柱

エラトス

スパルタの人。テオポンポスの臣下。初代エフォロス。

エラトステネス

275頃〜194年。キュレネの人。著述家。アレクサンドリア図書館の館長を務め,多方面にわたる著作があった。作品は「富について」。

エラトステネス2

五世紀頃。アテナイの人。オエ区所属。アテナイの『カザノバ』で,泣かした女(とその夫)は数知れず。エウピレトスの妻に手を出して殺される。

エラトステネス3

アレキサンドリア図書館の館長。

エラペーボリオーン

アテナイの9月。現在の3〜4月。30日間。鹿討ち祭り(タルゲーリア)の月。この月の9〜13日に市街で大ディオニュシア祭が催された。

エラレ

ゼウスと交わってティテュオスを産む。

エリュクシマコス

アテナイの人。アクゥメノスの子。医者。プラトン『饗宴』に登場。

エリュシクトン

伝説上のテッサリア王。神々を軽んじデメテルの杜を汚すなどの行為を重ねたため,決して満たされることのない飢餓の呪いを受ける。終には自分自身を食らって死んだ。

エリュトロス

「赤毛」

エリクトニオス

ヘファイトスの子。アテナ女神に育てられる。アンピクテュオンを追放してアテナイ王となった。パンアテナイア祭の創設者ともいわれる。

エリス

「争い」。ニュクスの子。ボノス,レテ,リモス,アルゴス,ヒュスミネ,マケ,ポノス,アンドロクタシア,ネイコス,プセウドス,ロゴス,アンピロギア,デュスノミア,アテ,ホルコスらを生む。

エリスティコイ

メガラ派の別名。「論争家たち」の意味。後にディアレクティコイと呼ばれた。

エリステネイア

アリストクラテスの子。アリストデモスの兄。エピダウロスの僣主プロクレスの妻となり,リュシデを産む。

エリニュエス

またはエリニュス,エリヌース。復讐の女神。ウラノスの血から生じた。従者にハルビュイアがいる。

エリニュス

エリニュエスを参照。

エリヌース

エリニュエスを参照。

エルガスティーナイ

貴婦人。

エルガスティーナイ2

織り子たち。パンアテナイア祭で女神に奉納するペプロスを織った少女達のこと。二人のアレフォロイの監督を受け,100人近い少女達が9ヶ月をかけて大きなペプロスを織ったという。

エルガステーリオン

工房。

エルキア

アテナイの区。

エルゴテレス

イオニアの人。キュメで(賞金首となった)テミストクレスを待ち受ける。

エルバ

エルバ島。鉄鉱石の産地として有名だった。

エルピニケ

5世紀前半。アテナイの人。ミルティアデスの子でキモンの姉。有名なペリクレスの演説に茶々を入れ,ペリクレスに姥桜呼ばわりされた。

エレイオス

アテナイの人。ラキアダイ区の人。キモンの子。

エレウシニア

アテナイの祭典。本来はエレウシスの祭典だったが,アテナイへの併合によってアテナイの祭典となった。豊穣の女神デメテルを祭る。

エレウテライ

アッティカの小市。初めポリスだったが,後にアテナイの一部となる。守護神はディオニュソス。

エレウテリオス

解放者。プラタイアの戦い後,ゼウスに与えられた権能。

エレウテロス

自由人。語源は「共同体に属する」ことか。

エレクティオン

アテナイの公共建築物。アクロポリスにあり,ポセイドンに捧げられた。

エレクテウス

伝説上のアッティカ王。パンディオンの子。エリクトニオスと同一人物ともいわれる。

エレクトラ

アガメムノンとクリュタイメストラの娘。父を殺したアイギストスと実母を,弟と結んで殺す。

エレクトラ2

オケアノスの娘。タウマスの妻,ハルビュイアとイリスの母。

エレクトラ3

ゼウスと交わってダルダノスを産む。

エレクトロン

貨幣の種別。金と銀の合成による貨幣の事。または金と銀の合金。琥珀金ともいう。

エレクレイデス

アテナイの人。403〜2年アルコン

エレトリア

エウボイア島にあったポリス。守護神はアポロン。

エレボス

暗黒。カオスより生まれたもの。同腹のニュクスと契ってヘメレとアイテルを産む。

エレボロス

吐瀉剤または下剤。気違いなおしにも役立つとされた。

エロス

愛の神。アフロディテの子

エロス2

原初から存在した属性。「精神」「魂」「情」など。

エンパデス

靴。アテナイでは,男はラコニア風,女はペルシア風の靴を履いた。

エンペドクレス

490(493?)〜430年頃。アクラガスの人。ソフィスト。医師。

エンポリオン

交易地。ナウクラティス,アル・ミナなどが有名

エンポリオン2

フォカイア(ポカイア)とマッサリアが共同で建設したスペイン東岸の植民市

エンポロイ

商人

オイア

アテナイの区。

オイアックス

ナウプリオスの子。パラメデスの兄弟。オデュッセウスの陰謀により投獄される。

オイエ

オイアを参照

オイケテース

下男。家内奴隷。複数形オイケタイ。

オイコス

家,同時に家産も表す。

オイコノミケー

家政術

オイジュス

「苦悩」。ニュクスの子。

オイディプス

伝説上のテーバイ王。ライオスの子。父を殺すとの神託があったため捨てられる。後に知らず父を殺し母を妻とした。

オイヌス

河川。スパルタの上流,エウロータス川に合流する。

オイネウス

伝説上のアイトリアのカリュドン王。アルタイアからトクセウス,メレアグロス,クリュメノスの父。またデイピュレからテュデウスの父となる。ディオニュソスから葡萄の木を授けられたという。

オイノコエ

水差し(正確にはワイン差し)。ワインのデカンターのようなもの。取っ手は一つで注ぎ口がある。

オイノス

ワイン

オクタマサゲス

スキュティア王。アリアペイテスの子。スキュレス,オリコスの兄弟。ギリシア文化にかぶれた王スキュレスを廃し,斬首した。

オケアノス

大洋。男神。ガイアとウラノスの子。妻はテテュス。世界の河川,大洋の精(クウレ,オケアニス)の父。ドリス,エレクトラ,ペルセイス,クリュメネ,メティス,エウリュノメの父。

オコス

ペルシアの人。パリュサティスの父。アレクサンドロスの岳父となる。

オストラキスモス

陶片追放。毎年一回,第六プリュタネイアに民会で追放投票の是非を問い,賛成多数の場合に執行された。公共の利益に反すると思われた人物の名を,陶片(オストラコン)に刻んで投票,6000ヶに達した人物は十日間以内に国外に追放された。実例としてはアリステイデス,アリステイデスの政敵のテミストクレス,ペリクレスなど。

オストラコン

陶片追放に用いられた陶片のこと。

オデュッセウス

イタカ王ラエルテスの子,テレマコスの父。妻はペネロペ。『オデュッセイア』の主人公。知恵と忍耐の象徴。

オトリュス

地名。オトリュス山。ゼウスとティタン族の戦争で,ティタン族が陣取ったとされる場所。

オネイロス

ニュクスの子。「夢の神」たち。

オネトル

著述家。著書に「賢者は金儲けをするだろうか」

オノス

ロバ。馬鹿者のこと。

オフティレティス

スパルタの神殿。リュクルゴスが片目を失うも両眼を失わなかった事に感謝して建立した。本尊はアテナ女神。

オフティロス

ドーリス方言。複数形オフティロイ。通常は複数形で用いられる(目は二つであるから)。

オボロス

貨幣単位。アテナイでは6オボロスが1ドラクマ。これは奴隷一人の一日賃料だった。重量単位のオボロスは約0.7グラム。

オメステス

ディオニュソスの別称。語義は「生肉を食む」。祭儀で生き身のまま肉を食べたと噂されたことから,この名前が付いた。

オリュントス

カルキジキ半島の南端に位置し,トロネ湾の奥に面する。

オリュンピア

夏の終わりから秋のはじめの満月のころに行われた。最初は運動競技だけだったが次第に科目が増加,最終的には芸術諸目も加わり,五日間にわたる大競技会となった。記録に残っている最古のオリュンピアは776年。ちなみに優勝商品は月桂冠だった。

オリュンピア2

ペロポネソス半島にあった有名なポリス。守護神はゼウス。

オリュンピアス

ネオプトレモスの娘。

オリュンピアド

オリュンピア暦。776年の第一回オリュンピア開催を紀元とする。

オリュンピオス

アリストテレスの奴隷。

オリュンピドロス

アテナイの人。プラタイアの戦いで活躍。マシスティオスの部隊と戦い,マシスティオスを殺させる。

オリガルキエー

寡頭政治

オリコス

スキュティアの人。アリアペイテスの子。スキュレス,オクタマサゲスの子。

オルガノン・アプシュコン

魂のない道具。家具や生活用品

オルガノン・エンプシュコン

魂のある道具。奴隷

オルケストラ

演劇の踊り場。最初は俳優がここで演技していたが,のちには合唱隊(コロス)の占有地となり,演技は一段上のロゲイオン(舞台)で行われるようになった。

オルコメノス

伝説のアルカディア王。コロニスの父。

オルセイス

精霊。ヘレンにドロス,クストス,アイオロスを産ませる。

オルタゴラス

テーバイの人。吹奏楽家。エパメイノンダスにも笛を教えたという。

オルティア

アルテミス女神への添え名。ラコニア,アルカディアでのみ用いられた。

オルトス

テュポエウスとエキドナの子。牧羊犬。「頑なな心のオルトス」。キマイラと交わってネメアの獅子とピックスの父となる。

オルトロス

ゲリュオンの番犬。

オルビア

黒海北岸のヘレネス植民市。650年頃に建設。

オルペー

香料や体に塗る油を入れた,取っ手が一つの丸口の壺。

オルペウス

神話上の人物。アポロンとカリオペーの子。トラキアの王子。イアソンの冒険に参加し,帰国後に妖精エウリュディケと結ばれる。妻の死後冥界に下るが,妻を連れ帰る途中で顔を見たため,妻は再び冥界に連れ去られてしまった。オルペウス教の始祖とされた。

オレステス

アガメムノンとクリュタイメストラの子。父を殺したアイギストスと実母を,姉と結んで殺す。その後復讐女神に追われるが,アテナの赦免により救われる。

オロピア

オロポスの別名。アッティカとボイオティアの境界にある。

オロロス

アテナイの人。トゥキュディデスの父。