鷲羽岳 ( 鷲羽岳:2,924.2m ) 2015.9.14-16 登山 (登頂は 15日)



【PHOTO & 記録 鷲羽岳 6】

ずっと 鷲羽岳の美しい姿を見続けながら下り続け、 傾斜が徐々に緩やかになってくると、足下に水の流れが現れる。
前回、ここでテント泊した時は、水場が近いことが大変ありがたかった覚えがある。

テント場、そしてハイマツの中を抜け、三俣山荘には 14時42分に到着する。 山荘に到着した時には、大分県から来たという 10人程の団体が庭先を占めており、今夜の宿泊が些か心配になる。

宿泊を申し込む際に混み具合を聞いたところ、思った以上に人が入っており、 小屋の方もビックリしているとのことであったが、それでも どうやら布団が 1つおきに敷かれるという、理想的な状況が確保できるようであった。
ありがたい。

着替えを行った後、山荘前にて暫し周囲の山々を眺める。

今まで気づかなかったが、風がなくなったので日差しが意外と強い。 三俣蓮華岳の後方にある太陽がジリジリと顔を焼いている感じさえ受ける。
しかし、このところ、太陽になかなかお目にかかれなかっただけに、このような日光浴も嬉しいものである。

山荘周辺から 鷲羽岳が見えるのは勿論であるが、 水晶岳もしっかりと見ることができる (写真)
今まで、鷲羽岳から左に延びる稜線の端っこに見えていて、かなり遠くに感じたのだが、 今はその山頂部分がワリモ岳の斜面の左側に結構大きく見えている。

また、南東方面には 槍ヶ岳が見えているのだが、 その前を雲が流れており、その山頂部分は見え隠れが激しい。
なお、槍ヶ岳の左からは北鎌尾根が延びているのが見え、北鎌独標も確認することができる。

写真では、槍ヶ岳から左に下ってきた北鎌尾根が一旦 少し盛り上がって、 その後 一気に下っている様子が写っているが、その高みが北鎌独標。

一方、三俣蓮華岳は逆光となり、その山容が少々分かりにくい。

17時に夕食。メニューは鹿肉のジビエシチュー。
南アルプスにおけるニホンジカの食害はかなり深刻であるが、その問題はこの北アルプスにも及んできているとのこと。
捕獲もままならぬ中、食肉利用の促進により、登山者に対する鹿害 (ろくがい) の周知、 そして鹿肉需要拡大 = 捕獲促進を狙ってのものらしい。
何か良い手立てはないのだろうか。この美しい自然、そしてその中心でもある高山植物が食い荒らされては大変である。問題は深刻である。

夕食後は一休みのつもりで布団に潜り込んだところ、 やはり疲れていたのであろう、そのまま寝込んでしまった。
途中、イビキに起こされたことや、朝早くから出発する人の気配で目を醒ますことがあったものの、 そのまま朝まで眠り続け、十分に休むことができたのだった。

翌15日(火)

朝食を済ませ、身支度を調えて三俣山荘の外に出ると、 空は明るいものの、全体的にガスが漂っていてスッキリしない。
小屋の正面、南東の 槍ヶ岳はその穂先まで見えてはいるが、 少しガスが掛かり気味。
三俣蓮華岳はガスに囲まれて全く見えず、手前の三俣峠付近の稜線だけが見えている。
そして、これから登る 鷲羽岳は、 山頂付近がガスの中である (写真)

少し気落ちしつつ、5時58分に三俣山荘を出発。
ありがたいことに十分休養が取れたようで、身体の方は軽い。

ハイマツの海の中を進む。
道はやがて、ハイマツ帯から離れ、 鷲羽岳頂上から こちらへと下ってきている尾根に絡む形で登っていく。
最初は尾根の右側を進むのだが、この辺の傾斜は緩やかである。

見上げれば、 鷲羽岳の上部にかかるガスが流れ、時々山頂が姿を現す。
この分なら、山頂到着時にガスに囲まれていたとしても、暫く待てば展望が開ける可能性が高い。
今朝の様子を見てテンションが下がっていたので、少し元気が出る。



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