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窪みに大きな岩々が打ち捨てられて、累々と積み重なっているような場所を過ぎ、
周囲の岩が大分小さくなってくると、先の方にうっすらと頂上らしき標識、そして人影が見えてきた。
漸く悪沢岳頂上である。
頂上到着は 7時3分。
頂上には 4人程の先客がおられたが、全員 先へと進むようである。
しかし、小生としてはこれ以上進むのは惰性としか思えず、それ故、さらに山中 1泊するのが無駄のように思えたため、やはり引き返すことにする。
椹島発のバスは 14時が最終のはず、十分に余裕がある。
今回、荒川中岳、前岳の頂上を踏めないのは残念であるが、そこまで行って往復すると、14時のバスには間に合わない。
7時10分、霧に囲まれ、全く展望の無い山頂を後にする。 |
往路を忠実に戻る。
途中、ライチョウと出会う。これはガスのお陰と言うべきか・・・。
その後、ありがたいことに と言うべきか、残念ながら と言うべきか、
岩場を下り雪渓の横を通る頃になると、ガスがかなり少なくなり始める。
これならば悪沢岳より先の山々もガスがとれるのではないかと思ったが、
あのまま進んでいれば、荒川中岳・前岳から下る頃にガスがスッカリなくなる というタイミングであろう。
今回は 悪沢岳メインなので、それではあまり意味が無い。
写真はこれから登り返す丸山。
ガスが流れ、山容が かなりハッキリ見えるようになってきている。 | |
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7時32分に丸山に戻り着く。往路と同様にここでは休まず通過する。
緩やかな丸山の斜面を下る。
前方には千枚岳とそこまで続く登山道が見える。
さらに、千枚岳の右後方には笊ヶ岳の双耳峰、
そしてズングリとした布引山がシルエットになって見えている。
残念ながら富士山の方は薄ぼんやりとしていて、
ほとんど見えない状況である。
振り返れば、ガスが無くなりつつあるとは言え、
まだ悪沢岳の上部はガスの中である。
しかし、嬉しいことに、小赤石岳の左斜面の向こうに、
昨年登った中盛丸山、大沢岳のシルエットが見えている。 |
ハイマツと砂礫の斜面を下り終え、
左に道をとって斜面を横切るように下れば、先の方に千枚岳が大きく見えてくる。
千枚岳の岩場に登る手前で赤石岳方面を見れば、
赤石岳、小赤石岳は相変わらずガスの中であるものの、
小赤石岳から南東へと下る大倉尾根の向こうに聖岳、
奥聖岳、東聖岳が見えている。
また、大倉尾根の途中にあり、赤石岳、聖岳、荒川三山の好展望台となっている富士見平は、
東聖岳の左手前下付近と思われる。 | |
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8時1分に千枚岳頂上に戻り着く。
振り返れば、悪沢岳はまだガスがかかっているものの、
その左の荒川中岳、前岳方面はガスが消えかかっており、
よく見ると稜線上に中岳避難小屋も見えている。ガスは思いの外、早い勢いでなくなりつつあるようだ。
チョット悔しいが、肝心の悪沢岳があの状態では、その後の行程の状態がどうであろうとあまり関係ない。
千枚岳頂上で 5分程休憩した後、千枚小屋へ向けて出発する。 |
順調に下り、
千枚小屋には 8時29分に戻り着く。
小屋でビール (500ml) を頼むとともに、椹島発のバスの時間を確認する。やはり 14時発が最終で、
その前は 13時発である。
今は誰も居ないベンチで、天候に恵まれなかったことを悔しく思いつつビールを飲む。
8時46分に小屋を出発。朝っぱらからビールを飲んだため、少し酔いが回ったらしく、何だかフワフワした状態で下る。
なお、トイレを借りたところ、トイレは既にキレイに清掃がなされていた。
この時間、千枚小屋のスタッフは皆 休憩中であったが、食事作りから始まる朝の仕事をしっかりこなし終えた後らしい。
感謝 & 感心。 | |
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フワフワした感じのまま道を下り、9時8分に駒鳥池に到着。
またまた池の縁まで下りてみる。昨日は日が当たってやや明るすぎたが、今は少し明るい程度。本日の方が美しい。
さらに下っていくと、登ってくる人たちと擦れ違うようになる。
昨日 椹島ロッヂに宿泊された方々のようである。
9時31分に 『標高 2,300m』 の標識を通過。 |