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なるべく立ち止まらないように頑張り続け、何とか階段を登り切り、
花立山荘には 9時19分に到着する。
ここまでかなり時間がかかってしまった。
空いていたベンチに腰掛けて食事にする。
一息ついたところで周囲を見渡すが、ガスが流れている状態なので、近くにある鍋割山稜の斜面が辛うじて見える程度である。
本来ならば、ここからは
富士山や
愛鷹山、
そして相模湾などがよく見えるのに大変残念である |
9時26分に出発。
その際、この先さらに雪が多くなると思われるため、チェーンスパイクを装着する。
山荘の横を通り緩やかに登って行く。
雪はこの辺から俄然多くなり、丸太の階段もかなり雪で埋まっている。
周囲が完全に雪景色となった中、斜面をジグザグに登ってやがて花立に登り着く。
本来ならば、木道の先に
塔ノ岳の姿が見えてくるのであるが、
本日は全く見ることができない。 |
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道は一旦下りとなり、狭い尾根道を進む。
ただ、雪は多いものの、道はよく踏まれており、しっかりと雪の中に幅のある溝ができているので安心である。
小さなアップダウンを繰り返しながら進み、
ロープやパイプ柵のある細い尾根を通り越していくと、やがて道は再び登りとなり、
その先に標識が見えてくる。金冷しに到着である。時刻は 9時43分。
ここは丁字路になっており、左が鍋割山方面、そして
塔ノ岳は右である。
どちらにも雪の中に溝状の道ができている。 |
右に曲って緩やかに登っていく。
周囲は完全に銀世界、冬に逆戻りしたかのようである。
なお、今朝ほど一本松の所で、短靴を履いてゲイターも付けていない若者に追い抜かれた。
その際に、上は雪なので大丈夫かと声を掛けたのだったが、これ位よく踏まれた道ならば靴に雪が入ることもなく、問題なく登れたことであろう。
しかし、恐らく昨日であれば完全にツボ足や、ラッセルが必要であり、とても短靴では無理だったはずである。
こうした山の状況が分かっての短靴だったのだろうか、それともたまたま運が良かっただけなのか・・・。 |
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一方、溝の道がしっかりできているとはいえ、擦れ違いはかなり厳しい。
当然擦れ違う際にどちらかが避けねばならない訳で、溝を外れるとかなり足が雪に沈む。
雪は多いところで 50センチ以上あるようだ。
喘ぎながら登り続ける。ほとんど展望が得られない状況であるが、
途中、樹林が切れたところから
蛭ヶ岳方面が見えるようになる。
本日は全く展望がないと思っていただけにこれは嬉しい。
不動ノ峰が大きく見えており、その左後方に棚沢ノ頭が被さるように見え、さらにその後方に
蛭ヶ岳の頂上部分が見えている。
そして、その後方に青空は全く見えず、どんよりと曇った状態である。 |
小さなアップダウンを繰り返しながら進んでいくと、やがて前方に
塔ノ岳の姿が見えてくる。もう少しである。
やがて最後の登りにかかる。
本来はこの辺は階段が続くはずであるが、雪が多いために完全に雪の斜面になっている。
実際、アイゼン無しで頂上から下って来る方の中には、この斜面の下りでかなり苦労されていた人もいたのであった。 |
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