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素晴らしい展望を楽しんだ後、13時25分に下山開始。
白馬山荘を通過した後、今度は雪の無い縦走路を辿り、旭岳と白馬岳頂上宿舎&大雪渓の分岐まで進む。
振り返れば、白馬岳の姿とともに、
白馬山荘が見える。白馬山荘はまるで要塞基地のようである。
分岐にてアイゼンを装着した後、雪の斜面を下るが、
白馬岳頂上宿舎前までは急斜面で、かなりの慎重さを要求される。
思い切ってシリセードでもできれば良いのだろうが、残念ながらそのような装備は持っていない。 |
白馬岳頂上宿舎前を過ぎてしまえば、
傾斜は緩くなり、ダブルストックを使ってスケートのように滑りながら下る。
順調に下り、羊背岩 (ルントヘッカー)のある所まで来たが、
ここからは登る時に何度も喘いだ急斜面が待っている。
ダブルストックではこの急斜面を下るのが少々キツイとは思ったものの、ピッケルに取り替えるのが面倒でそのまま下る。 | |
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がしかし、急斜面に入った途端に後悔する。
シリセードならばともかく、普通に下る場合には抑えが効かないストックでは厳しい。
少々斜めになり、左足を下ろして足場を確保してから、右足を左足の少し手前にもってくるという 尺取り虫のようやり方で一歩ずつ慎重に下る。
往路で休憩した葱平先端までがかなり長く感じられ、よほど尻で滑ってしまおうかと思った次第であるが、
カメラを首からぶら下げている身には一寸難しく、しかもズボンが破れる可能性が高いと思われたため、我慢して一歩ずつ下り続ける。
葱平で一息ついた後も急斜面が続き、慎重に下る。
ようやく少し傾斜が緩んだ場所に下りるが、ここは落石のたまり場であり、早く抜け出すべく疲れた身体に鞭打って先へと進む。 |
落石のたまり場も過ぎ、
ようやく安心して下れる場所まで来たので、後はユックリと下る。
前方を見やれば、火打山、
妙高山、乙妻山、
高妻山、
戸隠山、
飯縄山が見えて気持ちが良い。
しかし、雪渓の方はまだまだ長い。
雪の上にはシリセードが行われた跡が残っていたが、この方はかなりのスピードで下山できたことであろう。
こちらは疲れている上に、滑らないように制御をかけながら下るので、かなりペースが遅くなる。 | |
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下山していると、今朝ほどにはなかったデブリが雪渓上に現れた。
写真はその一部であるが、よくよく見ると岩の方は今朝と同じであるため、崩れたのは杓子尾根側斜面の雪だけだったようである。
それでもこの光景を見た時には ゾッとしたのであった。
これからは気温が上がるので、このような雪塊、岩塊の崩落が起こりやすくなるに違いない。 |
長い雪渓下りも漸く終わり、
白馬尻小屋前には 15時33分に到着。ここでアイゼンを外す。
小屋からは少し雪の斜面を下れば、残雪の多い木道となり、やがて林道に飛び出す。
帰りは林道のショートカット取り付き口を見落としてしまい、林道を下り続けたが、ショートカットできなかった区間は
さほど長い距離ではなかったように思う。
林道を進み、猿倉荘への山道分岐には 16時18分に到着。
山道を下り、猿倉荘には 16時24分に戻り着いたのであった。
本日は目論見通り残雪を楽しむことができ、
また天候が途中から曇りとなったものの、山頂での景色も得られ、楽しい一日であった。
冒頭で述べたような事情で、これからは平日登山中心にしたいと思うが、その第一弾として、
そして梅雨入り前の山行として最高の登山であった。 | |