白馬岳 ( 白馬岳:2,932.3m ) 2014.6.2 登山


【PHOTO & 記録 白馬岳 2】

前回白馬岳に登ったのは 7月であり、雪渓も小さくなり、また雪の上にはルートを外さないようにベンガラが播かれていたのだったが、 今はまだ雪の量も多く、クレバスも生じていない状態なので、どこを進んでも問題ないようである。
無論、雪渓上の至る所に落石が点在しているので、雪渓の端は避け、できるだけ真ん中を進むのは言うまでも無い。

途中、直径 1m程の大岩が雪の上にあり、 この岩が上から落ちてきたことにビックリさせられる (写真)
また少し小さい岩になると、雪の上に滑った跡が残っている。岩がシリセードすることを知って またまた驚かされる。
なお、雪の表面は平らで、前回のようなスプーンカットは生じていない。

前方を見上げれば、 雪渓の左方に先程から徐々に見え始めていた岩峰が、その姿を大きく現してきている。
恐らく天狗菱であろうが、小生の記憶にある形とはほど遠い。
記憶では、槍ヶ岳のように尖った岩峰が天に向かって突き上がっていたのだが・・・ などと考えていたら、この天狗菱は登るに連れて、ドンドン形が変わって見えたことを思い出した。
この先が楽しみである。

傾斜は徐々に厳しくなり、ダブルストックをフル活用しながら登るが、体力を使うために呼吸も荒くなる。
少し傾斜が緩む棚のような場所に登り着いたので、登り来たりし方を振り返ると、 正面に高妻山戸隠山がシルエット状に見えている。
もう少し正確に言うと、写真 中央左に見える台形の山のうち、右側が高妻山。そして台形の左端、 少し尖っている山が乙妻山である。
高妻山の右下は五地蔵山が続き、その右に九頭竜山・八方睨をといった戸隠山、 そして徐々に高くなっていく稜線は西岳へと続いている。

また、月曜日と言うのに、先行者が数名、小生の下方にも数名の登山者が見える。 この大雪渓で前後に誰もいないと不安になるが、これぐらい人がいると心強い。

再び急斜面となり喘ぎながら登って行くと、またまた少し傾斜が緩む場所に登り着く。 振り返れば、先程の高妻山に加え、 その左方に、未だ斜面に多くの雪を抱く山が見えている。 妙高山である。
昨年 火打山に登ったので、 今年はこの妙高山にも登りたいところである。

前方を見れば、稜線上の真白き高みが青空に浮き立っている。
そして、その手前の斜面はかなり急角度に見え、その急斜面の途中に島のような雪の無い場所が見える。
恐らくあそこが葱平 (ねぶかっぴら) の先端であろう。
また、その急斜面の手前には岩がかなり散在しているのが見える。
雪渓左右の斜面も急になってきているので、落石も多く、崩れ落ちた岩が集まるような地形のようである。

葱平付近の斜面がかなり急に見える一方、その岩が散在する場所は緩斜面に見えたのだが、いざ登ってみると、そこもかなり傾斜が厳しい。
加えて、運転しつつ食事をとってから既に 4時間以上経っていることから、そろそろエネルギー補給が必要で、体力的にも厳しくなってきている。
岩が散在する場所で休むのは危険と思い、急斜面途中に見える、葱平先端と思われる場所を目指す。
この斜面は見た目通りにかなりの急傾斜でキツイ。前方に 1人登山者がいたが、その方も苦労されているようで、なかなか足が前に進まない。

この急斜面ではダブルストックよりもピッケルの方が良かったなと思いながら、 ストックを短く持ち、慎重に登る。
しかし、 ここまでほとんど休まずに登ってきたため、身体の方が言うことを聞かず、 少し登っては立ち止まって上を見上げるという状況が続く。

ヘロヘロになりながらも何とか登り続け、 ようやく葱平の先端に辿り着き (枕木のようなもの、ロープなどもあったので 葱平と思う)、 適当な場所を選んで休憩する。
本当にくたびれた。時刻は 9時56分。

食事をしながら周囲を見渡す。
杓子尾根側を見れば、すぐソバの天狗菱が圧巻である。
天狗菱にほとんど雪はなく、岩峰が天に突き上げている姿は岩の砦のようである。
ただ、その山肌は荒れ気味で、岩が崩れて砂のようになっている部分があるなど、いつ、どの部分が崩壊してもおかしくないような状況である。
事実、休憩中に絶えず岩が落ちる音が聞こえていたのであった。



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