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上方の白馬岳頂上宿舎がよく見えるようになってきているにも拘わらず、なかなか到達できない。
雪の斜面の登りは辛い。
前方には小生が休憩中に追い抜いていた若者の姿が見える。なかなか足が速く、ドンドン差を広げられる一方である。
また、下方を見やれば、先程の葱平で休憩中、
後から追いついてきて休憩をとった方 2人が登ってくるのが見える。
かなり差が開いているので追いつかれることはなかろうが、それでも今のペースを続けていたのでは一寸心配である。
気を引き締めて登り続ける。 |
ようやく白馬岳頂上宿舎直下まで到達する。
しかし登り斜面はこれで終わりではなく、ここからもさらに急斜面が続いている。
その時、宿舎の前を男性登山者が下りてきた。挨拶を交わしただけであったが、なぜ 宿舎寄りに下りてきたのか不思議に思ったのであった。
雪の斜面は右の方へと続いており、白馬岳も右の方にあるはずであるが、
男性が下りてきたのは大分遠回りの方角だったからである。
その理由は後で分かることになる。
振り向けば、先程よりもかなり高度を稼いでおり、
杓子岳に加えて、その右後方に白馬鑓ヶ岳の姿も見えるようになってきている。
ただ、完全に青空がなくなってしまっているのが気になるところである。 | |
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白馬岳頂上宿舎前からの斜面はかなり急である。
ここも喘ぎ喘ぎ登る。油断していると下まで滑落する可能性もあるので、緊張感を切らさずに登り続ける。
しかし辛い。
何遍も斜面の途中で立ち止まり、上を見上げるという動作を続けながらも、
どうにか登り続けると、ようやく傾斜も緩くなり、右前方に白馬山荘の建物が見えてきたのだった。
左上の方にもまだ斜面が続いており、その稜線上にロープを張るための鉄杭らしきモノが見えているのが気になるところだが、
ここは楽な傾斜が続く方を選び、直接 白馬山荘の建物を目指す。 |
白馬山荘の建物がよく見えるようになると、
高度が上がったため、今まで見えなかった白馬岳と
杓子岳を結ぶ稜線の向こう側にある山も見えるようになってくる。
立山の大汝山、別山が見え、
その右には剱岳の姿も見える。
さらには、猫又山、釜谷山、毛勝山と続く毛勝三山 (写真) も見えている。
また、大汝山の左にはやや霞み気味ではあるが黒部五郎岳、
黒岳 (水晶岳)、
鷲羽岳、野口五郎岳も見えている。 | |
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さらに進むに連れ、これまで手前の高みに少々隠れ気味であった
剱岳も完全に姿を見せるようになる。
写真はその剱岳 (写真右の ピラミダルな山) で、
その左の高みは別山 (写真 真ん中)、そして大汝山といった
立山の山々が続く。
大汝山の左後方には、少々分かりにくいが薬師岳が見え、
さらにその左方に白き黒部五郎岳が見える。
バックが青空でないのは残念だが、すっかり曇り空になってしまった状況で、これだけ見えれば良しとしたい。 |
やがて、白馬山荘の真下に近づいたものの、
そこには高い石垣があって行く手を阻まれる。
石垣に沿って左へと進み、雪のない場所でアイゼンを脱着し、さらに左に進むと、本来の登山道に合流したのであった。
そして、そこから少し進めば白馬山荘受付前であった。
時刻は 12時25分。
山荘の後方には白馬岳の頂上も見える。 | |