|
また、東南東方面には赤石岳がどっしりとした姿を見せている。
いつまでも見飽きない光景であるが、まだ仕事が残っている。
奥茶臼山に向かおうとしたところ、白いバンの方が上から下ってきた。
確かにこの方の足は早い。
少し言葉を交わし先を急ぐ。時間は 11時17分。
できたら、11時30分までには頂上に着きたいところである。特に 根拠はないのだが、切りの良い時間をノルマとして自分に課す。
暫く登ると、斜面に雪が現れ始めた。結構 量の多いところもあって、
踏み抜いたら股まで潜ってしまうこともある状況であった。 |
この辺の道は樹林が多くやや狭いが、
赤テープがしっかり付けられており、迷うことはない。
雪も凍っておらず、心配は 踏み抜いてしまうこと。先の方の苦労した跡が雪にハッキリと残っている。
主に樹林帯の中の登りであるが、所々で 樹林が切れて展望が開ける。
先程も見えた、小河内岳、塩見岳、
西農鳥岳、
間ノ岳、
北岳がよく見える。 | |
|
斜面も緩やかな勾配となり、先の樹林の後方に空が見える。
案の定、そこは奥茶臼山の頂上であった。時刻の方は 計ったように 11時30分。
頂上には 二等三角点が置かれており、また、そばの木にいくつかの標識がぶら下がっていたが、
それらは 皆 お手製のもので、南アルプスの主要な山々のような立派な標識は立っていない。
頂上は細長く狭い。また樹林に囲まれているので、ハッキリした展望は得られないが、
この時期、木々に葉がないので、樹林の間から 周囲の景色が見える。 |
しらびそ峠からの登山道ができる前は、
この山には反対側の青木林道から登っていたとのこと。その名残がある斜面を下り、北側の伐採地の方に下ってみる。
下を見ると、確かに展望の良さそうな伐採地が見えたが、こちら側は風がもの凄い。恐らく 伐採地に降り立っても、
そこを吹き抜ける風で休むこともできないと思い、途中の景色の良いところで下るのを止めにする。
ここからも、小河内岳、塩見岳、
西農鳥岳、
そして間ノ岳、
北岳がよく見える。 | |
|
下方には、伐採地の他、大きくガレた部分を有する台形の山が見える。どうやらあれは前茶臼山らしい。
その前茶臼山の左側に林道らしきものが見えるが、以前はそこを辿ってここまで登って来ていたのだろうか。
林道は少々趣に欠けるが、一方で こちら側からは奥茶臼山の姿が常によく見えていることであろう。
なお、本来なら前茶臼山の左後方に中央アルプスが見えるらしいのだが、
この日はまるでダメであった。
先日の 恵那山もそうだったが、
中央アルプスの姿をスッキリ見ることがなかなかできない。 |
また、
北岳のさらに左には
仙丈ヶ岳の美しい姿が目に付く。
真っ白な部分は大仙丈沢カールであろうか。
仙丈ヶ岳の右には、うっすらではあるが、甲斐駒ヶ岳も見える。
ところで、仙丈ヶ岳のずっと手前の山に林道が走っているのが見える。
あれはもしかしたら鳥倉林道なのかもしれない。
もしそうならば、いつかあそこから、小河内岳、あるいは塩見岳に登ってみたいものである。
強く吹く風に身体が冷えてきたので、頂上に戻ることにする。 | |