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眼下に広がる気持ちの良い風景を見ながらゆっくりと下る。
しかし、よく見るとカモシカ平の右側も崩れが酷い。崩壊が進行中であることが良く分かるような状態である。
先にも述べた様に、本当に何年かしたらこの素晴らしい光景も無くなってしまうかもしれない。 |
斜面には立ち枯れの木々を所々に見ることができる。
ここも過去には木が沢山生い茂っていたのかもしれないが、今はこの状態。
地質的な問題もあるのだろうが、ササ原だけになってしまっていることも崩壊が進んでいる一因であろう。
しかし、どうしてこのように木が無くなる状態になってしまったのだろう。
見た目には大変気持ちの良いササ原の斜面だが、内在する問題はかなり深刻のようである。 | |
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この時点では黒法師岳往復はもう諦めていた。
従って、下りの足もややのんびりとなる。
主脈尾根 (等高尾根) 分岐から黒法師岳往復に要する時間は、小生の今日のコンディションでも 1時間もあれば十分であろう。
しかし、そうなるとゲートに戻り着く時間は凡そ 18時。
そこから水窪町まで行った時に、果たしてガソリンスタンドがまだ開いているかという心配がある (こういう場所では店が閉まるのは早いという思い込みがある)。
加えて、その後 飯田市まで行って、それから宿探しをすることを考えると、この 1時間はちょっと厳しい。 |
それにしてもこの丸盆岳は素晴らしい。
この場所は横浜から余りに遠い上に、この山域の主役は 黒法師岳、
不動岳、
そしてバラ谷の頭と思っており、これらの山を登ったので丸盆岳には登る必要ないという気持ちもなかった訳ではないのだが、来て大正解。
丸盆岳を登り損ねたという義務感にも駆られた気持ちから、宿題を片付けにはるばる戻って来たところ、そこにお宝があったという感じである。
むしろ黒法師岳よりもお薦めの山と言っても良いと思う。 | |
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左手を振り返れば、朝日岳、風イラズが見える。
風イラズのさらに左にある大無間山は、丸盆岳の陰に隠れてしまっている。
もっと南の方に下れば見えるはずで、実際、黒法師岳への登りからは見えた記憶がある。
また、先にも述べたように、この近辺から撮った風イラズの後方に
富士山が写っている写真を見た記憶があるが、
往路、復路とも雲に阻まれ、富士山を見ることはできなかったのだった。 |
下る時に足が滑って苦労した主脈尾根分岐の斜面であるが、
登りも苦労させられることになった。ササが煩く、加えて 獣道なのであろうか、ササが少し凹んでいるところが数多くあり、
その内の 1つに迷い込んでしまったのである。
見上げると、尾根はかなり上の方にある。戻って登り直すのも面倒と、ササの斜面を強引に直登する。
無論、足下は滑りやすいので、ササを両手で掴んで身体を引き上げるというやり方で進む。暫し苦戦しながらようやく尾根の上に戻り着く。
後は平坦な道が続く。
振り返れば、鎌崩の頭の斜面に雲の影が映り、鎌崩の悪場を一層際立たせている。 | |
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分岐には 14時5分に戻り着く。先にも述べたように、この時間では、黒法師岳は諦めるべきである。
何とかなるかもしれないという気持ちとの葛藤が少しあった後、無念という気持ちを抱きながら下山する。本当に 渋滞が恨めしい。
加えて もう少し体調が良かったらとも思う。
しかし、どちらも自分が悪いのだから (見込みの甘さ、体調管理のいい加減さ) 致し方ない。
後は 往路を忠実に下る。最後の展望場所から丸盆岳、鎌崩を眺めた後、登山口には 15時31分に到着。そこから 6kmの林道を歩き、
ゲートに戻り着いたのは 16時50分であった。
これなら、黒法師岳登山を諦めた甲斐があるというものである。
しかし、この後が大変であった。内容は 新・山の雑記帳で。 |