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ミニ船窪に残る雪を越え、左右両方にある高みの右側の方を見上げると、ササが途切れて砂と岩屑が散らばる斜面の先に標識らしきものが見える。
頂上に違いないと斜面を一登りすると、そこはやはり丸盆岳の頂上であった。時刻は 13時7分。
頂上は狭く、ササに覆われており、千頭山の会による標識が立っている。この標識は四角形ではなく、上の方が山の重なりを示した形状になっている。
なかなか粋だと思って家に帰ってから調べてみると、黒法師岳も同じであった。
ちなみに、不動岳の標識はキチンとした四角形、
バラ谷の頭は四角形に近いものの、上下は木の持つ本来のカーブが生かされている。 |
さて、この頂上からの展望だが、
やはり黒法師岳とバラ谷の頭が一番目立つ。
そしてバラ谷の頭の手前には、先程 弁当転がしの急坂をヘロヘロになりながら登り着いた主脈尾根 (等高尾根) の出合が見え、
さらにはそこから始まるササ原がこの丸盆岳まで続いているのが良く見える。素晴らしいの一言。
また、西北を見やれば、シヤウヅ山、奥布山、そして黒沢山と続く尾根のずっと後方に うっすらとドーム型の山が見える。もしかしたら、
明日 登る予定の恵那山かもしれない。
これは嬉しいサプライズである。 | |
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山頂は風が強く、意外と体温を奪うので立ち続けるのが辛い。
すぐに丸盆岳より北側の景観を求め、頂上とは反対側のピークの方に移動する。
案の定、こちら側は丸盆岳より北に続く、鎌崩、鎌崩の頭、鹿ノ平、
不動岳の姿がよく見える。
先般 不動岳に登った時は意外に細身の山だと感じたのだったが、こちらから見る不動岳は頂上より後方のボリュームが大きく、
かなりどっしりとして見える。
不動岳の左下には、鹿ノ平のササ原の広がりと大きく崩れつつある斜面が見え、その後方には池口岳の双耳峰が見える。 |
不動岳の右側には
光岳が見える。
光岳自身、あまり特徴のない山容なので、小生の場合、どこから見ても確認できる という訳にはいかない。
今回も昨年 黒法師岳に登った際、
バラ谷の頭から眺めて山座同定をしていたから分かったものである。
光岳の右には聖岳が見えるはずだが、
雲に頂上部分を隠されてしまっている。
聖岳の右には仁田岳が尖った山頂を見せており、
さらに右にあるはずの上河内岳 (恐らく 茶臼岳と重なっている) も、
その頭は雲に隠れている。 | |
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不動岳の左、
池口岳の双耳峰の下には合地山の 4つあるコブのうち 2つ程が見える。
また、池口岳の左に見えるドーム型の山は、先に述べたように恐らく中ノ根山であろう。
そして、目の前には鎌崩、鎌崩の頭が続いている。見るからに足場が悪そうで、単独の身としては、とても挑戦する気になれない。
それにしても風が強い。身体が揺れてなかなか周囲の山を撮るのも大変である。
さらには、汗が引いて寒くなってきたので、ミニ船窪に下りて休憩することにする。 |
写真はそのミニ船窪に下りる直前の場所から、
丸盆岳頂上 (写真 左の高み。頂上標識が見える)、
黒法師岳、バラ谷の頭を撮ったものである。
丸盆岳の頂上付近を見ると、木々が皆 一方向に傾いている。この辺はいつも今日のように風が強いのであろう。 | |
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ミニ船窪で食事をしながら暫し休んだ後、13時23分に下山する。
下りながら右手後方を振り返れば、上の高みで見た南アルプスの山々が見える。
登りの時には気づかなかったので、それだけ登るのに精一杯だったということか・・・と思ったが、
今はガレ場の縁を下っており、登りの時はもっとササ原に近い所を登っていたためのようである。
南アルプスに目を凝らすと、
上河内岳が先程よりも良く見えるようになってきている。
しかし、暫く待つも、これ以上の進展はないようなので、止めた足を進める。 |