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テント場を過ぎると、暫くは あまりアップダウンのない道が続く。
夏季にはこの辺はお花畑になるに違いないが、今は 花はほとんど無く、かといって紅葉とまではいかず、中途半端。
しかし、目の先には布引山、鹿島槍ヶ岳 南峰、
北峰を見ながらの歩きは楽しい。無論、そのバックに青空が広がっていることが大きくポイントを上げている。
周囲が草つきの斜面や灌木帯からハイマツ帯へと変わると、目の前に布引山の斜面が現れる。
少々きつそうである。 |
布引山への登りは先程までの
赤岩尾根の登りに比べれば、さほどきついものではないが、ここで冷池山荘にて休憩をとらなかったツケが回ってきた。
腹が減って力が入らないのである。余程、途中で休憩して食事にようかと思ったのだが、なかなか適当な場所が見つからず、
そのまま登り続ける。
一方で、高度は上がり、展望が広がってきていることから、写真を撮ることで足を適宜止め休む。
高度が上がるに連れ、今まで見えなかった山がドンドン見え始める。
まずは、立山の左に
薬師岳が見えてきた。
北薬師岳、そして 金作カールを始めとする 3つのカールもよく見える。 | |
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そして、先日登った蓮華岳も見えるようになり、
さらにその稜線の向こうには槍ヶ岳の穂先が見え始める。
槍ヶ岳の左には、奥穂高岳、前穂高岳も見える。
少々へばりつつも、布引山頂上に到着。時刻は 8時39分。
早速、頂上の南の縁まで行き、大休止。
ここからの展望は当然抜群で、まずは爺ヶ岳から冷乗越、冷池山荘、そしてこの布引山までのルートを振り返る。
爺ヶ岳の右後方には常念岳、
大天井岳、そして先程述べた前穂高岳、奥穂高岳、
そして槍ヶ岳が見える。
また、爺ヶ岳の左側には、南アルプス、そして富士山も見える。 |
この写真は、
その槍ヶ岳近辺をズームしたもの。
槍ヶ岳、奥穂高岳、前穂高岳、そして大天井岳がよく見える。
これらの山々の手前にある大きな山は蓮華岳。
さらにその手前を横切る稜線上には種池山荘も見える。 | |
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南東に目を向ければ、先程も述べたように雲の海の向こうに
富士山の姿を捉えることができる。
富士山の右には鳳凰三山、
甲斐駒ヶ岳、
北岳、
間ノ岳、
仙丈ヶ岳と続く、
南アルプスのシルエットがよく見える。
このシルエットはさらに、塩見岳、
荒川東岳 (悪沢岳)、
そして赤石岳と続いている。
また、富士山の左側には八ヶ岳の峰々が並んでいる。
さらには 浅間山、
四阿山もよく見える。
どういう訳か、その間の雲が切れて浅間隠山も姿を見せている。 |
腹を満たして、
9時51分に布引山を後にする。
ここから見る鹿島槍ヶ岳 南峰は、
なかなか優しそうな顔を見せているが、やはり登りはきつそうである。
17年前、ジリジリと照りつける日差しの中、この尾根をひたすら登ったことを思い出した。
本日は風が冷たく、ジッとしていると寒いくらいである。
南峰の右後方には北峰も見える。どうやら、どちらの頂においても好展望が得られそうで、
ようやく 17年前の借りが返せそうである。 | |