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9時23分に唐松岳頂上山荘に戻り着く。
今回は小屋には立ち寄らず、小屋の前を素通りしてそのまま
五竜岳へと続く縦走路に向かう。
前を向けば、牛首岳、そしてその右に五竜岳が見える。これを見ただけでも、
縦走路が牛首岳を越えて大きく下り、そこからまたかなり登り返さねばならないことが分かる。
地図上では、ここから五竜山荘ま2時間30分、五竜山荘から五竜岳頂上まで 1時間となっている。
そうなると、頂上を踏むのは 13時近くになるが、それでは少々遅い。12時を少し回った頃には頂上に着きたいものである。
唐松岳山頂に長居し過ぎた。足を速める。 |
縦走路に戻り、牛首岳を巻いて進む。
振り返れば、唐松岳頂上山荘の朱色 (あけいろ) と山荘を抱える八方ピークの緑と岩の色、
そして空の青、雲の白 等々素晴らしい色の組み合わせができあがっている。
山荘の後方には天狗ノ頭、白馬鑓ヶ岳が見える。鑓ヶ岳の右には
白馬岳がガスの間に僅かにその姿を見せている。
また、山荘から下っている道は餓鬼山を経て祖母谷温泉へと向かう道らしい。祖母谷温泉の先には欅平があり、
黒部峡谷鉄道がそこから出ているはずである。 |  |
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登山道はここから岩場の道のアップダウンが続く。鎖場もいくつかある。
ただ、慎重に辿っていけばそれほど難しい道ではない。
私の持っていった地図 (何と 1991年の 山と高原地図鹿島槍 黒部湖) では、
牛首岳周辺は巻き道と稜線上の道があると書いてあるが、今もあるのだろうか ? 小生は稜線上の道には全く気づかず、
巻き道を通ってしまったようである。
また、私が岩場を下り終えて振り返ると、ルートを外れて岩場の上に登った単独の女性が、急な岩場を無理して縦走路まで下り、
落石を起こしているのが見えた。幸い縦走路の方には誰も居なかったから良かったが、女性の方も危ないし、
ヒヤッとさせられた場面であった。 |
五竜岳を見やれば、
左の白岳付近にガスが湧き上がってきている。
これは急がねばと思うが、先にも述べたように頂上まではどんなに少なく見積もっても 2時間以上かかる訳で、
自然の変化にはついて行けるはずがない。頂上での幸運を祈るばかりである。
それにしても五竜岳は堂々としていて素晴らしい。
先にも述べたように、前回登った時は反対側の鹿島槍ヶ岳からの縦走であった。
その時にはガスの流れが多く、五竜岳の姿をじっくり見ることができなかったのだった。
今回 これだけの素晴らしい姿を見ることができ、もう これだけで満足である。 |  |
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岩場を下ってくれば、もう後は普通の登山道が続く。
振り返れば、下ってきた斜面が見える。
よく分からないが、写真 左側の高みが大黒岳と思うがどうであろう。ちょっと牛首岳との距離が近いような気もするが・・・。
国土地理院の地図閲覧サービスにて 2万5千分の1 地形図を見ると、大黒岳の表記のところに 2,393mとある。牛首岳の表記は無く、
大黒岳の北側に 2,511mの表記があるので、そちらが牛首岳 (牛首ピーク) であろう。
その牛首岳は今 見えている高みの後方にある。唐松岳の方は写真 左の斜面の後方に、その美しいピークと左斜面を大きく見せている。 |
砂礫の最低鞍部近くから
五竜岳を見れば、
先程よりもさらにガスが上がってきており、その魔の手は五竜岳頂上にまで及ばんとしている。
こうなったらなるようになれの心境である。 |  |