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更に高度を上げて丸山ケルン方面を振り返る。
丸山というのはケルンのある場所の左にあるまんじゅう型の高みを言うのだろうか。登山道はその高みを巻くようになっている。
丸山ケルン自体は第二ケルン (息=やすむ ケルン)、八方ケルンと同様に、
遭難碑であるようだ。先程 通過した際は、ケルンに近づかなかったのでそのことに気づかなかったのだが、後で ネットを見ていて知った次第。
この八方尾根では遭難ケルンが多く建てられ、遭難者の鎮魂と二度と遭難を起こさないようにとの願いが込められているとのこと。
本日の明るい尾根からは想像できないが、悪天候となればやはり山は牙をむくのである。
丸山の向こうには高妻山、
妙高山、
雨飾山がよく見える。
先程と同様、火打山の山頂は雲に覆われている。 |
前を向けば、
牛首岳が見事な三角錐を見せており、その左に 大黒岳と覚しきピークが見える。
大黒岳から大きく下った稜線は、再び白岳へと盛り上がり、少し下って五竜岳へと延びている。
この唐松岳からの行程はかなり手強さそうで、少々やっかいだなとの気持ちが生じる。
また、鹿島槍ヶ岳の方は、
徐々に五竜岳の後ろに隠れ始めている。もうすぐ見えなくなってしまうだろう。
岩稜帯を登り高度を上げていく。白馬三山の方は、かなりガスが上がってきており、
白馬岳、
杓子岳はガスに隠れ気味である。 |  |
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その手前、不帰ノ嶮の方はまだガスもなくよく見える。
手前には III 峰、その右に II 峰の南峰が大きく、気持ちの良さそうな尾根が北峰へと延びている。
I 峰は II 峰に隠れてしまっているようなので、天狗ノ大下りがそのままII 峰に繋がっているように見え、
一見 気持ちの良さそうな尾根道に見える。
ただ、全体的に緑が少なく、灰色の岩が目立つので、厳しい雰囲気を醸し出している。 |
やがてガレた斜面を横切るようになる。
この辺は落石があってもおかしくない感じである。
木製の桟橋を渡る。左側は谷、右側は上からの落石がありそうな岩場の斜面。一応 斜面にはネットが掛けられており、またロープ、鎖もあって、
安全対策はキチンとなされている。
五竜岳の方を見やれば、
頂上へと続く登山道がハッキリと見て取れる。厳しい登りを覚悟せねばならない。
鹿島槍ヶ岳はその特徴ある双耳峰をほとんど
五竜岳に隠されてしまっている。
恐らく、鹿島槍ヶ岳をもう一度見るためには、五竜岳頂上に登るしかないと思われる。
五竜岳頂上に着くまでこのコンディションが続いてくれていることを祈るばかりである。 |  |
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斜面を横切って進む、岩とハイマツの道が続く。
この辺はほぼ平坦な道が続くのでありがたい。
やがて、前方に見えていた高み (八方ピークと呼ぶらしい) を回っていくと、
先の方に朱色 (あけいろ) をした建物が見えてきた。唐松岳頂上山荘である。
ようやく到着である。時刻は 8時31分。
この山荘前には素晴らしい展望が待っていた。これから登る唐松岳は勿論のこと、
今まで見えなかった富山県側の景色が目の前に広がっており、南西方面に並ぶ
剱岳、
立山等の山々と対峙する形になっているのである。
暫し、写真を撮りまくる。 |
山荘で飲み物を購入しようと玄関を入ると、
そこには自動販売機が置かれていた。ポカリスエットを 500円で購入。ビールもあったがさすがにこれからの行程を考えると酔っ払う訳にはいかない。
それよりも何よりも、自動販売機でよく冷やされた飲み物にありつけたことに驚かされた。
さすが北アルプス。この後の 五竜山荘でもよく冷えた飲み物が手に入っており、南アルプスとの差にただただビックリした次第。
山荘前で 5分程休んでから唐松岳を目指す。ピストンになるのでザックを置いていこうと思ったが、
山頂で飯も食いたいのでザックを担いで登る。
唐松岳は写真のように美しく、麓から見えない位置にあるのがもったいない山である。
気分良く砂礫の斜面を登る。 |  |