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木道を進んでしまったことについてもう少し詳しく言うと、八方池山荘から第2ケルンまで、登山コースと木道コースがあるようだ。
登山コースはその名の通り岩などが露出した登山路そのもので、尾根を直線的に登るようである。一方、
木道コースは子供や年配の方にも安心して歩いてもらえるようにと設置されたようで、写真のように緩やかな傾斜でかつジグザグに作られている。
しかし、こちらも展望は良く、左側には五竜岳や
鹿島槍ヶ岳、
右側には白馬三山を見ることができる。
そして振り返れば、シルエットではあるものの、雲海の向こうに
高妻山・乙妻山、
妙高山、
火打山などの山々も見ることができる。 |
やがて、大きなケルンの前に到着。
石神井ケルンと呼ばれているケルンで、ここは八方山である。時刻は 6時35分。
ここには三角点も置かれており、標高は 1,974.2m。出発点の黒菱の標高は 1,500mとのことであるから、
順調に高度を稼いでいるようである。
三角点のある場所はテラスのようになっていて、その先には雲海が広がっており、その雲海の中には所々 島のように山が浮かんでいる。
三角点の先、やや右に見える島 (山) は恐らく
浅間山であろう。 |  |
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しかし、何と言っても五竜岳、
鹿島槍ヶ岳の眺めが素晴らしい。
雲一つ無い空に浮かぶ五竜岳を見て、何とか 小生があの頂上に辿り着くまで、
このコンディションが持続して欲しいものだと強く思う。
前回 五竜岳に登った時は、頂上はガスに囲まれ、ほとんど視界は得られなかったのであり、
今回は何とかリベンジを果たしたいところである。しかし、地図上では、唐松岳の往復を含めると、
ここから五竜岳頂上まで 7時間20分かかることになっている。
それ程の時間を要するとは思わないが、それでもやはり午後になってしまうと頂上からの展望は厳しいかもしれない。 |
前方を見れば、白馬三山と唐松岳を結ぶ急峻な尾根が見えてきた。
白馬鑓ヶ岳から左に延びる天狗尾根は、高低差もあまりない丘のように見える。この辺はノンビリ歩ける所らしい。
しかし、そのノンビリとした歩きも天狗の大下りと呼ばれている、見ての通りの急斜面から厳しい状況が始まる。
天狗の大下りを下り着いた所が不帰キレット。そしてそこから、I 峰、II 峰 (北峰&南峰)、
III 峰と続く、不帰ノ嶮 (かえらずのけん) と呼ばれる難関が始まる。
見ただけでも、天狗の大下りから I 峰、II 峰までは大変厳しそうである。
少し挑戦したい気もするが・・・。 |  |
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不帰ノ嶮の厳しい尾根とは対照的に、こちら側は伸びやかな尾根が丸山まで続いている。
今は この時間であり、リフトもようやく動き出したタイミングなので、ほとんど人が見えないが、あと 数時間もすれば、
この辺は アリの行列になるに違いない。特に、八方池辺りまでは登山者に加えて多くの観光客が登ってくるので、
帰りはこの道を通らない方が良いかもしれない。
前方、不帰ノ嶮の II 峰 (写真右側の 2つの峰を持つ高み) と III 峰 (II 峰の左にある鋸歯のような峰々) の左に、
三角形の山が少し顔を出しているのが見えるが、もしかしたらあれが目指す唐松岳かもしれない。
まだ かなり距離がありそうである。 |
高度を上げるに連れて、
右側の 白馬三山もさらに大きく見えるようになってきた。
こうして魅力的な山が 3つ並んでいるのを見ると、どうしても登りたくなる。
前回 白馬岳に登った時は、
白馬岳からさらに北に足を伸ばし、小蓮華山、白馬大池、白馬乗鞍岳を経て、
栂池に下山したのであった。本能的に楽そうな尾根を選んだ気もするが、山の魅力から言ったら、
やはり三山縦走であろう。
チャンスがあれば、是非とも三山縦走を行いたいと強く思ったのであった。 |  |