|
この状況にガッカリしながら 8時47分、爺ヶ岳に向けて出発する。
東側へと進むのだが、ガスでほとんど周囲の景色を見ることができない。
やや盛りを過ぎたチングルマなどが咲くお花畑の中を進む。
前方を見れば、こちらから延びていく稜線が途中からガスの中に入ってしまっている。
但し、左方には爺ヶ岳の北峰らしき高みがボンヤリと見えている (実際は中峰であった)。 |
道は左へと曲がりながら高度を上げ、やがて稜線上に登り着く。
ここからは暫く平らな道が続く。
振り返れば、ガスの中にうっすらと
剱岳の姿が見えている。
先程の状況から展望は諦めていただけに、薄い膜が掛かったような状態とはいえ、その姿にテンションが上がる。
さすがに 剱岳には多くの雪が残っている。 |
|
|
そして道の左手には
鹿島槍ヶ岳も見えている。
鹿島槍ヶ岳の左側はほとんどガスがないため、南峰の方は青空をバックにハッキリと見えている。
しかし、南峰からこちら側にある冷乗越へと下ってくる尾根上には雲が掛かっている状態で、北峰はその雲に隠れてしまって見ることができない。 |
ハイマツ帯を進む。
前方には相変わらずガスが漂っており、爺ヶ岳の南峰はその姿が全く見えない。
しかし、南峰左手後方の中峰は一応その形を確認することができる。
緩やかな道を進む。
ありがたいことにガスの動きは早いようで、進んで行くうちにて少しずつ爺ヶ岳南峰も姿を現し始める。
ただ、丁度東の方角に進んでいるため、逆光気味であり、しかもそこにガスが絡んでいることから、ややぼやけ気味である。 |
|
|
時折 振り返って、後方のガスの状況を確認すると、こちらもガスの動きが速く、徐々に
剱岳の姿がハッキリと見え始める。
これにはテンションがさらに上がる。
写真 左手、一番高い峰が 剱岳の頂上。
その左手に見える高みは前剱で、剱岳の右に見えている山は池平山。
また、剱岳の下方手前を横切っている山は黒部別山であり、左に南峰、中央に黒部別山、そして右に北峰と並んでいる。 |
鹿島槍ヶ岳の方も、
相変わらず冷乗越から南峰にかけての稜線上には雲が停滞しているものの、北峰の方も雲の上に徐々に顔を出し始め、
その間を結ぶ吊尾根も見え始めている。
道の方はハイマツ帯の丸い高みから少し下った後、矮性化したシラビソ帯を進んでいく。
ありがたいことに、正面には均整の取れた三角形をした爺ヶ岳南峰がよく見えるようになり、
そのハイマツの斜面を割るようにして道が頂上へと続いているのがよく分かるようになる。
完全にアルペンムードに突入であり、気分が高揚する。 |
|