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周囲の木々にはシラビソに混じってシャクナゲも見え始める。
高度はドンドン上がってきており、展望はかなり広がる。
やがて、右手に展望の良さそうな岩場が現れたので、そちらに登ってみる。
岩場からは富士山がよく見える。
ありがたいことに、周囲を覆っていた雲はすっかり下方に下がり、富士山の右下には
竜ヶ岳と思われる、
ズングリした山も見える。
反対側を振り返れば、薬師岳が青い空に浮かんでいる。頂上はもうすぐである。 |
そして、10時11分、薬師岳到着。
まず目に入ってくるのが、北岳の大きな姿である。
実を言うと、薬師岳の頂上で北岳とご対面するのは初めてである。
これで 4回目の薬師岳ということになるが、過去 3回はいずれもガスが邪魔をするか、北岳自身が雲の中であった。
しかしまあ、これほどハッキリと北岳の山ひだが見えることに、驚きと感銘を受ける。
快晴と秋の日差しのなせる技であろう。
残念ながら北岳の左側は雲が多く、間ノ岳や
農鳥岳は見えない (実際に見えるかどうかも不明)。
しかし、もっと左手には雲の上に荒川中岳と
悪沢岳が浮かんでいる。 | |
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北の方を見やれば、観音岳とそこに続く稜線がスッキリとした姿を見せている。
何遍も言うが、薬師岳でこれほどの快晴を得たのは初めてだったので、大変嬉しい。
少々混み気味の山頂で、岩に腰掛け、腹ごしらえをする。南を見れば、
薬師岳の中で一番高い岩に人が登っているのが見える。あの岩の上に立てば、絶景を得られるであろうが、下からでも十分に景色は堪能できる。
とてもトライする気にはなれない。 |
西方には
仙丈ヶ岳の姿。
仙丈ヶ岳には悪いが、ここから見る仙丈ヶ岳の姿は、やや凡庸である。
小仙丈沢カールの他、普段あまり目にしない大仙丈沢カールも見えるのだが、それが逆に横に広がり過ぎて見え、折角の気品を削いでいる気がする。
また、仙丈ヶ岳の手前にある山 (太郎山?) も邪魔。
先般の甲斐駒ヶ岳から見た姿とは全くレベルが違う。
考えたら、この薬師岳が低すぎるのかもしれない。 | |
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そして、南東には富士山。
頂上から 1/3はもうすっかり冠雪しているようだ。
先ほどまで富士山の姿を隠していた雲はすっかり消え、
先と同じように右下には竜ヶ岳と思しき高みも見える。
今日は快晴、非常に気分が良い。
と思ったら、あれよあれよという間に、観音岳との間の稜線にガスが流れ始めた。
これから進む方向なので、ガックリくる。
今までに無く薬師岳頂上が晴れていた分、観音岳、赤抜沢ノ頭、地蔵岳はガスの中かもしれない という不安が持ち上がる。 |
10時27分、薬師岳山頂を後にし観音岳を目指す。
野呂川から吹き上げるガスが稜線を徐々に覆い出す。折角の白砂の稜線歩きだが、展望無しでは面白くない。
やはり、鳳凰三山との相性はあまり良くないな
と思いながら先に進む。場所によっては、視界は足下だけとなる。
この頃になると、観音岳側から歩いてくる人たちと擦れ違うことが多くなる。
前日鳳凰小屋に泊まったのであろうか、あるいは早川尾根小屋泊か ?
広河原から白鳳峠経由にしては時間が早すぎる気がする。 | |