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幸いなことに、観音岳が近づくに連れ、ガスが無くなってきた。つまり、ガスの流れは薬師岳と観音岳の間の稜線だけだったようだ。
確かに振り返っても、薬師岳、富士山はガスの中。
そして、10時48分、観音岳に到着。
早速、岩場から展望を楽しむ。ここではやはり甲斐駒ヶ岳。
考えたら、この甲斐駒ヶ岳も
鳳凰三山からジックリ眺めるのは初めてである。
先日登ったばかりの山であるだけに、より一層の親近感を感じる。
こちらから見る甲斐駒ヶ岳は、いつも瘤のようにくっついている摩利支天が
甲斐駒ヶ岳の懐に入り、本当にスッキリ見える。逆に駒津峰が邪魔か・・・。 |
甲斐駒ヶ岳の右には
地蔵岳のオベリスクが見えている。
いつ見ても素晴らしいが、欲を言えば、オベリスクは空中に浮いていて欲しいものである。
観音岳からは見下ろす形となり、オベリスクのバックは黒戸尾根などの山や町並みになる。それではあまり映えない。
また、やはり甲斐駒ヶ岳の存在が大きく、
加えて地蔵岳の左にある赤抜沢ノ頭や高嶺もその存在を誇示しており、結構 地蔵岳が霞んでしまう。
もっとそばで見るべき山なのであろう。 | |
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10時55分、観音岳を出発。道は一旦 大きく下ることとなる。
この頃になると、擦れ違う人が多くなり、登り優先 の原則で、結構 上で待つことが多くなる。
こ こ にも書いたが、
上で待っているのに知らん顔やおしゃべりに夢中で通り過ぎていく人が多い。
別に礼を求めるつもりはないが、やはり一言挨拶があって然るべきであろう。
さて、左手を見れば、相変わらず
北岳が大きい。
大樺沢、八本歯ノコルも良く見える。あそこを登ったと思うと、ちょっと誇らしく感じる。 |
進む先には地蔵岳 オベリスクが見える。
高度を下げてきているので、オベリスクが空中に浮かぶ。やはりこの方が良い。
11時10分、鳳凰小屋への分岐に下り着く。左手には
仙丈ヶ岳が見える。
周囲は完全に岩稜地帯。ただ、岩は全て灰色である。前には赤抜沢ノ頭。右斜面は樹林帯だが、左側は岩が立ち、まるで針の山である。
オベリスクが大きくなる。青い空、灰色の岩肌、やや黄色がかかった草木、
これらが見事なバランスを作り出して美しい。 | |
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上でも述べたように、赤抜沢ノ頭は左側が見事な岩稜地帯となっている。ほとんどの岩が上を向き、針の山を登る感覚である。
実際はそれ程険しくはなく、道は岩の間をうまく縫っていくようになっている。
赤抜沢ノ頭の斜面 左側には、高嶺の姿が見える。
高嶺の花などという比喩もあるように、高嶺は高い山という意味であるが、それにしても良い名をこの高みに与えたものである。 |
振り返れば、観音岳の姿が大きい。
かなり急な斜面を下ってきたものだ。この岩稜の急斜面を見ていると、薬師岳から観音岳、そして赤抜沢ノ頭へと進む方が楽のように思われる。
左手には相変わらず
北岳
が大きい。 | |