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目の前に見える岩峰を目指し、急斜面を登り続ける。展望がドンドン広がるのが嬉しい。
右方に見えるオベリスクも大きくなり、そのてっぺんに登ろうとしている人までも良く見える。
オベリスクの頂上に初めて立ったのはウェストンであると、深田久弥氏の 「日本百名山」
鳳凰山の項に載っていたのを思い出した。
帰宅後に読み直すと、ウェストンは 「私の生涯で初めて、いまだ人間の足の印せられたことのない頂上を踏んだ・・・」 とその喜びを著書に記しているとのこと。
その喜びは大変よく分かる。 |
11時44分、多くの人が憩っている赤抜沢ノ頭に到着。
ここからは、地蔵岳オベリスクはもちろんのこと、観音岳や
北岳、
そして高嶺もよく見える。
甲斐駒ヶ岳には残念ながら雲がかかっている。
そして、ここから右に下れば、地蔵岳 賽ノ河原に下り着くことになる。しかし、今日は高嶺を往復することが大きな目的となっている。
その高嶺を見やれば、双耳峰とまではいかないが、山頂が 2つに見える。
仙丈ヶ岳を半分隠している大きな山容はなかなか魅力的である。
暫し休み、11時56分、高嶺を目指す。 | |
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右手のオベリスクに目を向ければ、ここからは賽ノ河原も含め、そのほぼ全体を見ることができる。
オベリスク直下には、登るための順番を待つ人が列をなしているようである。
オベリスクの右後方には
小川山や
金峰山といった奥秩父の山々が見える。
逆に、それらの山からは、このオベリスクを確認して、地蔵岳を同定できたことに喜びを感じている人たちも多いことであろう。 |
岩尾根を下る。
白ザレた道の先には高嶺のどっしりとした山容が見える。
場所によっては、高嶺の左手に
北岳が見えるから不思議だ。
赤抜沢ノ頭からは高嶺の右に仙丈ヶ岳が見え、
北岳はもっと左であったのに・・・。
道は一旦下り、そこからまた高嶺に向かって登るという形。少々息が切れる。
鞍部近くとなり、右を見やれば、岩の間に甲斐駒ヶ岳が見える。
残念ながら、頂上付近は雲で覆われている。 | |
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高嶺への登りにかかる。ここからはほぼ一直線の登り。
一応、急登ではあるが、周囲の景色が良いので、あまり気にならない。
振り返れば、赤抜沢ノ頭と地蔵岳のオベリスクが並んで見える。こちら側から見るオベリスクは初めてとなるが、
個人的にはスーパーマリオ3に出てくる 巨大パックンフラワーを連想してあまり好きな姿ではない。
それにしてもこちら側に来る人は少ないようだ。
赤抜沢ノ頭までの人の行き来が嘘のようである。 |
12時32分、高嶺の頂上に到着。
狭い山頂に先客は 3人。
ここも 360度の大展望である。まず目に入るのは
甲斐駒ヶ岳。
先ほどまで、頂上を覆っていた雲もとれ、スッキリした姿を見せてくれている。
何度も言うようだが、いつも甲斐駒ヶ岳の横にくっついて瘤のように見える摩利支天が、
こちらからは甲斐駒ヶ岳の頂上直下にあり、懐に入ってしまっているのが大変良い。
その美しいピラミダルな姿に惚れ直すとともに、先日 その急角度の尾根を登って日帰りしたことが
誇らしく感じられる。 | |