|
息を切らせて鉄梯子を登り切り、尾根を進む。すぐに分岐点で、右に行けば、権現小屋を経てギボシ、そして青年小屋に至る。
まっすぐ進めば権現岳であるが、
暫し ギボシに登るかどうかで悩んでしまった。
ギボシはなかなか見事な三角錐をしていて登高意欲をかき立てられる。しかし、縦走路はギボシ頂上手前で左に折れ、そのまま下っていくので、
もしかしたらギボシ頂上には登れないのかもしれない。そうなると、行ってみて登れないと分かるのもイヤなので、
ギボシは諦めて権現岳へと向かう (実際は登れるようだ)。
目の前には権現岳のユニークなピークが見える。一つ飛び出た岩の後ろに鉄剣が立っているはずである。 |
そして、権現岳頂上岩場の基部に至り、
岩場を登って一つ飛び出た岩の横に立つ。時刻は 12時55分。
傍らには権現岳と書かれた標識と記憶通りの鉄剣が立っていた。
狭い場所なので、後から来る人のことも考え、すぐに下りる。途中の岩場からも素晴らしい展望が得られ、目の前のギボシの他、
赤岳、横岳、硫黄岳、
阿弥陀岳、
そして南西に目をやれば美しい形の編笠山が見える。
少し先に下って、石祠の前で再び握り飯を食しながら、暫し休憩。石祠は八雷神 (やついかづちのかみ) を祀っているとのことである。 | |
|
15分程休憩して、13時16分に出発。まずは、三ツ頭を目指す。目の前にはスッキリした 三ツ頭の姿がなかなか美しい。
右を見れば、編笠山の美しい姿。
その手前には青年小屋の青い屋根が見える。
道はドンドン下り、鞍部からはシラビソの樹林帯を進む。登りにかかって展望が開ける。振り返れば
権現岳の姿が誠にユニークである。
頂上から左側は水平下 30度くらいの角度で綺麗に切れている一方、右側は右に延びた尾根が途中でスパッと切れ落ちていて、
人の肩のようである。
権現岳の右後方には阿弥陀岳が見えるが、
ここから見る阿弥陀岳は三角錐をしており、これまたその変わりように驚かされる。 |
さらに高度が上がってくると、
赤岳から
権現岳へと至る尾根、
そして、権現岳からこの三ツ頭に至る尾根が良く見通せるようになる。よくまあ、歩いてきたものである。
また、上でも述べたが、八ヶ岳の山々ほど見る角度によってその形が変わる山もないような気がする。
ここから見る赤岳然り、阿弥陀岳然り、
そして権現岳もそうである。
やがて、三つ頭頂上に到着。時間は 13時46分。
頂上には大きな石が積み重なっており、その間に三ツ頭と彫られた石柱が立っていた。
休むことなく先に進む。 | |
|
13時48分に観音平と天女山との分岐に到着。観音平へは右、天女山へはまっすぐである。
かつて、観音平から権現岳に登ったことはあるものの、
天女山方面のコースをとるのは初めて。ここからは未知の登山道ということになる。少々楽しみである。
分岐のすぐ先に展望の良い岩場があったが、休まずに天女山方面へと進む。
右を見れば、編笠山、
そしてその右後方に西岳が見える。
この 2つの山にまだ残雪が多かった頃に登ったことを思うと、今の緑濃き山の状態は嘘のようである。 |
良く踏まれた道を黙々と下る。
周辺はコバエが煩く飛ぶ。暖を求めているのか、ひなたぼっこをするかのように登山道上の岩の上に群がってとまっている。
下っていく中、樹林の間から先の方に草木の生えていない場所がチラチラ見えていたのだが、
樹林を抜けると目の前に写真のような光景が広がった。少し不思議な感じである。
よく見ると、石などがキチンと並べられ、崖には近づかないような工夫がされているが、ここもザレ場の一つなのだろうか。
そして、この先、行き着いた所が、前三ツ頭 (2,364.4m) の頂上であった。
そこには三角点も置かれている。時刻は 14時7分。
ここから左に折れて、ドンドン下ることになる。 | |