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牛首山からは右に折れて、樹林帯の中を緩やかに下っていく。
すぐに再び登りとなるが、傾斜は緩やか。そして、
牛首山からおよそ 14分程、8時15分に扇山の頂上に到着。頂上と言っても標識が無ければ全く気づかずに通り過ぎてしまうような場所である。
その標識も壊れて木に立てかけてあり、立派に立っていた頃を知っている小生としては時の流れを感じざるを得ない。
下りに入って正面を見上げれば、
赤岳の上の部分はすっかりガスの中。
先程の権現岳と言い、
この赤岳と言い、本日は 頂上からの展望が期待出来そうにない。こういう日もあるとは言え、
残念である。 |
扇山を過ぎて少し下ってからは、
ほぼ平らな道が続く。この頃になると、高度が上がってきたためであろうか、半袖 Tシャツの身では少々肌寒く感じる。
登りに掛かると、やがて、左手には天狗尾根が見え始め、大天狗、小天狗といった岩峰も見えるようになる。但し、やはりコンディションは悪く、
ガスが掛かっている。
しかも、天狗尾根の向こう側からガスが出ているようなので、キレットへの下りはガスの中になるかもしれない。残念である。
道は徐々に急斜面になり、その分、高度が上がるのが早い。樹林帯を抜けて振り返れば、登ってきた真教寺尾根が見える。
道は再び樹林帯に入る。周囲はシラビソ。この辺は黙々と足を進めるしかない。 | |
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やがて、周囲には立ち枯れが目立ち始める。この辺の木はコメツガのようだ。
立ち枯れの白い木々、その周囲の緑、そしてそのバックには青い空といきたいところだが、白いガスが立ちこめ、
ますます先行き宜しくない雰囲気を醸し出している。
再び樹林帯を抜けて振り返れば、今度は 真教寺尾根の左側に県界尾根も並んで見える。
自然が作ったとは思えない、絶好の登山コース 2つである。
いつ見ても感心させられる。
そして、この辺から鎖場が現れ始める。もう 慣れてしまったので、鎖場も当たり前のように感じるが、最初にこのコースを登った時は鎖場の連続に緊張を強いられたものである。
ただ、鎖場の難易度はそれ程高くなく、慎重に通過することを心懸ければ問題ない。 |
とは言え、鎖の使用は、
普段 あまり使わない筋肉の活用を強いられる。なるべく鎖に頼らず、鎖を補助的に持って登るのが良かろう。
時刻は 9時半を過ぎている。登り始めてから既に 3時間以上が経過しており、
空腹感が募ってきた。適当な岩場を見つけて、暫し 休憩することにする。登り来たりし方向を向いて岩場に腰掛け、握り飯を頬張る。
右手には天狗尾根、そして大天狗、小天狗の岩峰が見える。大天狗まで続く道も良く見えるが、縦走路からは外れているはずなので、
キレットへの下り時、立ち寄ることはなかろう。
10分程休憩して出発。 | |
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岩場、鎖場がまだまだ続く。暫く登って上を見上げると、稜線が見えてきた。左の岩場の所には何やら標識のようなものが立っているようだ。
恐らく、あそこが縦走路との合流点であろう。もう少しである。
そしてこの場所から 8分後、縦走路との合流点に到着したのだった。時刻は 10時12分。周囲はガス。あまり視界は利かない。
合流点を右に折れ、岩場を進む。すぐにかなり斜めに架けられた鉄梯子を登り、崩れやすそうな岩場を登る。
ここでも鎖場が現れるが鎖は補助程度と考えて良い。
やがて、正面に竜頭峰が現れる。竜頭峰の上には石碑が置かれていると聞くが、パスしてここは左側を巻いていく。
カニの横ばいのように鎖が横に張られているが念のために握る程度で良い。 |
竜頭峰を巻いて岩場を進むと、
やがて目の前に赤岳の頂上が見えてきた。
赤岳の背後は白いガス、そして雲のようだが、ここから赤岳岳の間にはガスが無いので頂上の標識、
頂上直下の鉄梯子、そして赤岳頂上山荘も良く見える。頂上からの展望は端から諦めていたものの、
頂上周辺は五里霧中状態かと思っていただけに、こうして頂上がハッキリ見えたのは嬉しい。
左下を見れば、文三郎尾根を登ってきた人や阿弥陀岳からこちらへ進んできた人達の姿が見える。
やはり皆、梅雨の晴れ間を待ち、チャンス到来とばかりに登ってきたのだろう。快晴でないのが残念だが、このくらいのコンディションであれば、
良しとしたい。 | |