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そして、10時23分、赤岳頂上に到着。
案の定、頂上はガスに囲まれており、視界はほとんど利かない。イヤ、すぐソバの赤岳頂上山荘までガスで見えにくくなっているので、
先程 赤岳を見た場所からわずか 6分程の間にガスが再び流れ出したということなのであろう。
頂上及びその周辺には数人の人達がいたが、皆 このガス状態に残念そうである。
しかし、小生はと言えば、赤岳には何回も登っていることもあり、
さらに 本日の目的はキレットと権現岳であることから、
頂上の展望にそれ程固執する気はない。
三角点を踏み、頂上の写真を撮った後、すぐに今 来た道を引き返す。
慌ただしいと言えばそれまでだが、40分ほど前に飯を食ったこともあり、展望の無い、冷たい風が吹く頂上に長居は無用である。 |
来た道を順調に戻り、
竜頭峰手前のところから赤岳を振り返る。
今度も頂上がよく見え、頂上山荘もよく見えたので、先程 小生が頂上に立った時が最悪のコンディションだったらしい。
これも登山である。タイミングというのは難しい。
竜頭峰を巻き、鎖場を下って、先の鉄梯子も下る。下を見れば、これから進む道が良く見える。細い尾根とは言え、途中までは普通の登山道だが、
登山道が見えなくなった先がグッと落ち込んでいることが何となく分かる。厳しい道が待っているに違いない。
また、これから向かう権現岳はガスの中。
そして、右手を見ても阿弥陀岳はガスに囲まれ全く姿が見えない。
おまけに吹く風が強い。気を引き締めて下り始める。 | |
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10時35分に、真教寺尾根の分岐を通過。先程 ここを通ったのが、10時12分であるので、
赤岳との往復時間は 23分。
如何に慌ただしかったかが分かる。
暫く下って振り返れば、赤岳頂上 (正面の大きな岩峰の左下に見える小さな突起が頂上) の後ろに青空が見える。
やはり、一番タイミングの悪い時に登頂したようだ。今回はあまり赤岳頂上からの展望に固執しないとは言え、
やはり少々悔しい。
先を見れば、縦走路にガスが流れており、
権現岳の方は相変わらず隠れ気味である。
ガスで展望が全滅となれば、これは問題である。 |
と思っていたら、
強い風にガスも流されるようで、徐々に権現岳方面が姿を現し始めた。
まだまだ薄いガスで幕が掛かったようだが、それでもギボシと権現岳 (左) の姿が見える。
暫く下ると、先程とは少々角度が変わって、ギボシから下る斜面の後方に編笠山の頂上が少し顔を見せ始め、
さらには編笠山の右に西岳も見えてきた。
今年になって登った山々なので、一層 親近感が湧く。
振り返れば、赤岳頂上は先程と同様に見えるものの、
その背景は真っ白。まさに山の天気は変わりやすい。
そして、相変わらず阿弥陀岳はその頂上を雲が隠している。 | |
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やがて、鎖場のあるトラバースが現れる。
右手で鎖を掴みながら岩稜地帯を進むのだが、さほど難しい場所ではない。足場の方もしっかりしている。
トラバースが終わると、鉄梯子の下りが待っている。但し、ここは鉄梯子を下るより、その右側の岩場を、鎖を補助にして下った方が安全のような気がする。
梯子を下りた所には、『 ガレ場につき 注意 』 の警告板が立てられている。確かに、
ここから下は、恐ろしきまでのガレ場の下りが待っていた。逆コースをとって、このガレ場を登りとしなかったことに心底 ラッキーと感じたのであった。 |
左前方下を見れば、大天狗、小天狗が見える。
大天狗へと続く道がハッキリ見えるが、最後まで登れるのであろうか。先程登ってきた真教寺尾根の南側下部に位置する出合小屋から、
天狗尾根を詰め、この大天狗、小天狗を経て赤岳に登る人達がいるようだが
(しかも 冬期にまで)、そのように下から登ってくる場合、大天狗をトラバースする人の他、
大天狗に直登する人もおられるようである。
直登となると、私の登山範疇とは違う世界、とても挑む気にはなれない。
しかし、大天狗の上はなかなか気持ちよさそうである。こちら側からはそのまま登れるのならトライしても良いかなとも思ったが、
本日は 長丁場であることも考え、パスすることにした。 | |