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カラマツ林の中の登りが続く。
時刻は 9時7分。ここまでほとんど休まずに登ってきたので、少々疲れが出てきた。休みたいところだが、早く石丸峠に着きたい という気持ちの方が勝ち、
休まずに進み続ける。
やがて、樹林も切れ、展望が一気に広がる場所に着いた。
やはりここでも真っ先に富士山に目が行く。
そして、富士山の左には、黒々とした
小金沢山が大きい。
空には雲一つ無く、本当に良い天気である。しかし、やや風が冷たい。 |
再び林に入る。
そして、その林を抜ければ、目の前にはササ原の斜面が待っていた。
従って、180度近くの展望が得られ、足が自然に止まる。
南西方面を見れば、下の方には上日川ダムが青い水を湛えており、その後方には甲府の町が広がっている。
そして、そのさらに後ろには悪沢岳、
赤石岳、
聖岳、
上河内岳、
笊ヶ岳といった南アルプスの山々が連なっている。
無論、右方には塩見岳、
農鳥岳、
間ノ岳、
北岳といった山々も見ることができる。
素晴らしい光景である。 |  |
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ササ原の斜面を横切って進む。
前方右手には天狗棚山、狼平、そして小金沢山が見える。
いかにも気持ちよさそうな稜線が続くので、つい予定を変更してそちらに行ってしまいそうになる。
この辺は日当たりが良いので、雪は全くないが、
小金沢山方面の斜面は日当たりも良くないのであろう、雪が目立つ。
それにしても風が強く、冷たい。 |
やがて、石丸峠が見えてきた。
時刻は 9時30分。
今の大菩薩峠は、明治になってから開かれたようで、昔は今の大菩薩峠ではなくて、丹波 (たば) 大菩薩峠と小菅大菩薩峠の 2つの峠があったようである。
丹波大菩薩峠は、今の賽ノ河原付近を通る道で、現在は廃道になっており、小菅大菩薩峠はこの石丸峠のことだそうである。
そして、昔は丹波大菩薩峠を上峠、この小菅大菩薩峠 (石丸峠) を下峠と呼んでいたそうである。
なお、石丸峠の名の由来は先に述べた通りである。この由来については異論もあるようだが、
個人的には、今の説がもっともらしいと思う次第。 |  |
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熊沢山経由で大菩薩峠、そして大菩薩嶺に至るには、
この石丸峠から V字ターンをして写真のような熊沢山の斜面を登っていくことになる。
小金沢連嶺を縦走する度に、
この熊沢山のササ原の斜面が大変魅力的に見え、いつかは登ってみたいと思っていたのだったが、ついに念願が叶ったことになる。
しかし、実際に歩いてみると、山は結構荒れており、一部は崩壊が進んでいるところもある。
ちょっと外見に惑わされたかなと思ったが、それでも風が吹き抜けるササ原の斜面は気持ちがよいものであった。 |
しかし、斜面を登り、
ピーク近くなってからがいけなかった。
折角 熊沢山に登ったのだからピークを踏みたいところである。
ところが、道は右側に見える高い所を外して作られている。
仕方がないので、登山道を外れてピークを辿ってみたのだったが、あったのは写真のような東京都水道局の立てた林班界標のみ。
この後も結構歩き回ったのだが、どこが頂上なのか結局分からずじまいであった。残念。 |  |