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先ほども述べたように道はかなり整備されているようだ。
快調に足が進む。足下には雪が現れ、ようやく冬の山という気分になってきた。しかし、それも長くは続かない。
2000年にこの道を通って
小金沢連嶺を縦走した時は、
熊と思しき足跡が雪の上にあり、少々ビビりながら歩みを進めたのだった。
もっとも、この地域に熊が居るかどうかは定かではなかったのだが、
足跡は大きく、あれは熊のものだったと今でも信じている。 |
少し進むと、
道の左側に写真のような石が現れる。見ての通り石の マラである。実はこの石は 3代目とか。
かつて、石丸峠には子授けの神として立派な 石マラがあり、子供を授かりたいと願う女性たちが願をかけに登ってきたとのこと。
従って、石丸峠の語源は、石マラ峠とか・・・。
現在、石丸峠に石はなく、こうして 旧大菩薩館に近い登山道に 3代目が置かれているという次第である。
そういえば、日光の根名草山に登った際に通った金精峠にも、
男根が祀られていたっけ・・・。 |  |
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石マラから 5分程進むと、登山道右手に写真のように沢の水を貯めて池のようにした場所が現れた。
水辺のそばには東屋もある。
こうなると、この道は完全な遊歩道である。少々ガッカリ。
おまけに坂を登りきると車道にぶつかり、車道横にはバスの停留所まであったのだった。バス停の名前は小屋平 (石丸峠入口)。
こちらも俗化が進んでいるようだ。しかし、冬場は訪れる人も少ないようである。ありがたい。
時刻は 8時38分。 |
車道を横切って再び斜面に取り付く。
足下はササ原。雪も残っていて滑りやすい。
高度を上げて周囲を見渡せば、カラマツ林の向こうに上日川ダムが見える。
急坂を10数分ほどジグザグに登っていくと、再び車道というか、林道にに飛び出した。
こちらは先ほどバス停があった道と違って、未舗装である。
本来の道は、この林道を横切ってササとカラマツの斜面を登っていくのだが、途中に崩壊した所があったらしく、
新たな道が林道の 100mほど先に作られていた。林道を歩きながら振り返れば、
大菩薩嶺
の伸びやかな斜面が見える。 |  |
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車道を進んで新しい登山道に取り付く。
従来の道は、尾根に出るまで富士山を拝めることはなかったのだが、
この新しい道は尾根筋に作られているので、すぐに富士山とご対面することができる。
崩壊のお陰、怪我の功名といったところである。やはり富士山が見えると嬉しい。
富士山の大きな裾の下で右端に盛り上がっている山が
御坂黒岳。
その左の小さなピークが御坂山。
そして富士山の左の裾の手前にあるピークは
三ツ峠山であろう。 |
新しく作られた道は日当たりも良く、
景色も得ることができて大変明るく良い道である。
本来の道は、日が当たらず、今の時期であれば、地面に積もった雪が凍って歩くのに難儀することであろう。
崩壊のお陰で、良い道ができたものである。
やがて道は、完全に尾根上の平らな道へと変わり、やがて左から従来の道が合流する。
ここから道は右の方にカーブし、明るいカラマツ林の中を進むこととなる。 |  |