「Add Some Music To Your Day」

「Brainwashed / George Harrison」

Brainwashed / George Harrison (2002)  ジョージ15年ぶりのアルバム。とにかく久しぶりのオリジナルアルバムなので、どんな音になっているのか期待と不安が入り交じっていましたが、良い意味で全く変わらずジョージハリスン・サウンドになっています。むしろ前作「クラウド・ナイン」よりもシンプルになっていていますね。

 まだ買ったばかりであまり聞き込んでいませんが、最初に一通り聴いて気に入ったのは1曲目の“エニィ・ロード”、“P2バチカン・ブルース”、“ルッキング・フォー・マイ・ライフ”あたり。どの曲も一音聴いただけでジョージのプレイとわかるスライド・ギターをフィーチャしています。あと、ウクレレも良い味を出していますね。ジョージの優しさがよく出ていると思います。

 何と言っても驚くのは声が15年前と比べても全く変わっていないことです。死の直前に録音された“ホース・トゥ・ザ・ウォーター”ではあまりにも変わってしまった声にビックリしてしまいましたが、死の直前までは本当に元気だったんですね。それだけに死が悔やまれます。これで本当に最後のアルバムになってしまったのかと思うと本当に残念です。もっともっと良い曲をたくさん作って聴かせて欲しかったのに…。

(2002.12.01)

「CM/TV / 坂本龍一」

CM/TV / 坂本龍一 (2002)  教授こと坂本龍一が手がけたCM作品、TVテーマソングを集めたアルバム。今回、教授のベストアルバムが同時に3枚リリースされましたが、その中でも最も未発表曲が多く一番聴きたかったのがこのアルバムです。全50曲のうち殆どが今までにCDやレコードとして発表されたことのない曲です。

 昔から教授はたくさんのCMソングを手がけていましたが、画面に教授の名前がクレジットされるもののCDとして発表していないためにどうしても聴くことができない曲というのがあり困ったものでした。

 特に今回一番聴きたかったのはテレビ番組「YOU」のテーマソング2曲です。とてもポップでキャッチーな曲なのになぜ当時レコード化されなかったんでしょう。今回聴くのは実に20年ぶり位でした。同じような運命をたどりつつあった“フォトムジーク”と“両眼微笑”は既にCD化されていつでも聴くことができる状態でしたが、この“YOUのテーマ”のCD化によって当時の教授の曲で聴きたかったものは全て揃えることができました。

 もう一曲忘れられない曲“ニュースワイドのテーマ”のCD化も待ち望んだものでしたが、当時の放送テープから起こしたもののようで非常にヒスノイズが多く、時間もテレビでのオンエア時間とほぼ同じでした。もうマスターテープは残っていないのでしょうか。YMOでいうと“ソリッドステイトサバイバー”と“増殖”の間、教授のソロでいうと“ウォーヘッド”から「B2-UNIT」の橋渡しとなるようなサウンドの曲なのでもしマスターがあるのなら是非フルサイズで聴いてみたいです。

(2002.11.02)

「Pipes of Peace / Paul McCartney」

Pipes of Peace (1983)  ポールが80年代に発表した3枚目のアルバム。当初は前作「タッグオブウォー」が2枚組として予定されていたものが1枚ものに変更になったために収録できなかったアウトテイクと新曲を集めたアルバムということらしいです。

 このアルバムの曲で一番話題になったのはマイケルジャクソンとのデュエット曲“セイセイセイ”でしょう。私もこの曲がヒットした頃は高校生で洋楽に目覚めた頃でもありテレビやFMで良く聴いたものでした。

 録音時期がバラバラのために曲はバラツキがあって統一感がありませんが、だからといって出来が悪いアルバムではありません。特にLPA面にあたる“パイプスオブピース”から“ソーバッド”の5曲はどれもメロディアスでいかにもポールらしい曲が並んでいてすごく好きです。B面も一度ライブで聴いてみたい良い曲が目白押しで、“アベレージパーソン”とかすごく良いなと思います。

 今回のポールのツアーは殆どの曲がビートルズナンバーで占められていて'80年代のソロ曲は“カミングアップ”しかないんですよね。この時期の曲はバンド向きではないけど忘れ去られてしまうにはもったいのない曲が多いので、次のツアーでは是非セットリストに加えて欲しいと思います。

(2002.09.30)

「All of タンポポ / タンポポ」

All of タンポポ (2002)  先頃、石川梨華を除くメンバーが総入れ替えになり新生タンポポとして活動を開始しましたが、その直前に今までの活動を総括する意味でにリリースされたベストアルバム。石黒、飯田、矢口の3人でスタートした1期と石黒卒業後に石川、加護が加入した2期のベスト選曲になっています。

 1期の頃はユニット名と曲のギャップが大きくてイマイチ好きになれませんでしたが、2期の曲は見事に名前と曲のイメージがマッチし、また素晴らしい曲ばかりで一気に好きになりました。今聴いても“乙女パスタに感動”、“恋をしちゃいました”、“王子様と雪の夜”のブリティッシュポップス3部作はどれもクオリティが高くてつんくが作った曲の中でも特に大好きです。先日のツアーでも“乙女〜”と“王子様〜”のメドレーがセットリストに入っていてとてもうれしかったです。なんだかファンの間では「“たんぽぽ”が歌われなかったことが不満」とか言われていますが、2期最後を飾るにはこのメドレーの方が絶対に相応しいと思います。ユニット自体が解散するわけではありませんし。

 一曲加えられた新曲“I & YOU & I & YOU & I”も2期を象徴するブリティッシュポップス路線の傑作で、一度もライブやテレビ番組で歌われることなく終わってしまったのがもったいない曲です。そう言えば2期は1枚もオリジナルアルバムを作ることなく終わってしまいましたね。重ね重ね残念。

 本日、新生タンポポの新曲“BE HAPPY 恋のやじろべえ”がリリースされましたが、ブリティッシュポップス路線が終わり、普通の曲に戻ってしまいましたね。もっと音楽的な冒険をしてくれるのを期待していたのに。

(2002.09.26)

「AUDIO SPONGE / SKETCH SHOW」

Audio Sponge (2002)  高橋幸宏と細野晴臣が新たに結成したバンドのファーストアルバム。去年の秋位からこの2人が何かたくらんでいるという噂がインターネットの掲示板の方で話題になってはいましたがまさかこのような形でアルバムを作るとは思っていませんでした。

 音の方はYMO直系のテクノポップ。この手の音楽としては珍しく音数が少ないのも特徴かも。テクノは何時間も聴いていると頭が痛くなってくるものが多いですが、このアルバムは脳にも優しいみたいです(^^;。

 話題となっている教授が参加したのは2曲。どちらもいかにも教授っぽいメロディー、シンセの音が聴けて思わずニヤッとしちゃいます。特に“Supreme Secret”はリズムのはね方が幸宏っぽくもあり教授っぽくもあり、更に幸宏と細野さんのボーカルのからみは「これはYMOじゃないか!」と思いました。幸宏と細野さんだけではすごく真面目なポップスになってしまうのに、教授の毒(スパイス)を少し加えると曲が少しひねくれたポップスになるのは正にYMOマジック。

 テレビ番組に出演した時には「これはユニットではなくバンドだ、ユニットは1枚アルバムを作ってさよならだけどバンドは2枚目3枚目を作って解散しなければならない」と言っているので、今後どの位のインターバルになるのかはわかりませんがニューアルバムを作る予定もあるのでしょう。期待して待ちたいと思います。

(2002.09.21)

「AN ALL-STAR TRIBUTE TO BRIAN WILSON」

AN ALL-STAR TRIBUTE TO BRIAN WILSON (2001)  昨年の3月にニューヨークで行われたブライアンウィルソンのトリビュートコンサートの模様を収録したビデオ。参加アーティストはポールサイモン、エルトンジョン、ビリージョエル、リッキーマーチンなど、とにかく豪華です。また、ブライアンの2人の娘のグループであるウィルソンフィリップスも参加してます。

 選曲がすごくわかっているというか、普通はブライアン=ビーチボーイズ=サーフィンミュージックと簡単に等式で結ばれてしまうのに、このコンサートではペットサウンズから“神のみぞ知る”、“だめな僕”そしてブライアンもお気に入りの“セイルオンセイラー”もしっかり押さえています。何しろオープニングから合唱隊による“アワプレイヤー”ですからすごいです。

 最後にブライアン本人が登場して何曲か歌います。ブライアンの歌う“英雄と悪漢”の映像は今のところこのビデオしか見ることが出来ませんが、素晴らしいですね。ブライアンがカメラをじっと凝視しながら歌うのもすごい鬼気迫っていて曲に合っているかもしれません(^^;。あと、“バーバラアン〜ファンファンファン”のメドレーではベースを構えて歌います(音は出ているかどうか怪しいですけど)。このビデオのジャケット写真でもベースを構えていますが、ベースを構えるブライアンは本当に格好良いですね。このポスターどこかにあったら部屋に飾りたいです。

 ブライアンが比較的オリジナルに忠実に歌っているのに対し、他のアーティストは自分なりに歌いまわしを変えたりしています。これがその人の歌なら違和感がないのかもしれませんが、せっかくのバックコーラスからかけ離れてしまってあまり曲の雰囲気にあっていないような気がして残念。気持ちはわかりますが、オリジナルに忠実に歌ってほしかったです。

 このビデオ、まだ国内発売されていません。それに普通は見れない映像なのです(^^;。こんな素晴らしい作品を日本国内で普通に見れないなんてなんと残念なことでしょう。

(2002.08.28)

「特撮テレビヒーロー主題歌集」

特撮テレビヒーロー主題歌集 (1987)  2年前の夏に某氏から水木一郎のCD-BOXを借りて以来すっかりこのジャンルにハマってしまいました。そういうわけで今回は主に70年代のテレビ特撮番組の主題歌集を集めたアルバムです。

 このジャンルの曲は当時流行していた歌(歌謡曲と言われていましたね)と比較して非常に独創的なサウンドを持っています。歌謡曲っぽくはなく、かといってコテコテの洋楽っぽくもなくどのジャンルにも属さないもので、しかもそのサウンドが今聴いても全く古くないというのは驚くべきことだと思います。例えば、70年代のアイドルの曲は今聴くと音も歌詞も非常に古くさく感じますが、特撮ものやアニメの曲は全く古さを感じさせません。それは菊池俊輔氏、渡辺宙明氏などの活躍による、ブラスやパーカッションを効果的に使用した独自のサウンドによるものが大きいと思います。

 このアルバムの中では“イナズマンアクション”が最も好きです。シンセベースの音のリフがすごくカッコイイですね。そして渡辺宙明氏独特のフレーズのブラスセクションもわくわくするもので、これは後に「宇宙刑事シリーズ」まで引き継がれていくことになります。

 そして忘れてはいけないのは水木一郎氏を筆頭にものすごいシャウトを聴かせる文字通りプロの歌手の皆さんの歌声です。私はヒデ夕樹氏も好きで、氏の歌った曲では“力石のテーマ”も良い曲なので一度聴いてみて下さい。最近知ったのですが、ヒデ夕樹氏は既に故人とのことです。すばらしい歌手だったのに非常に残念なことです。

(2002.08.28)

「Process/dream」

Process / dream (2002)  このコーナーでは毎度おなじみdreamのセカンドアルバム。そして3人編成としては最後のオリジナルアルバムとなりました。

 つい先日までdreamはライブツアーを行っていましたが、このアルバムの曲を中心とした構成でした。そのため私は通勤途中にライブが始まる少し前からずっとこのアルバムをMDに録音してヘビーローテーション中なんです。ライブで歌われたアルバムの曲“destine”、“SUBPAIN”などがすごく良いです。初めて聴いた時にはあまりぱっとしない曲だと思いましたが、ライブで何度も聴いているうちに曲の良さがだんだんとわかってきました。特に“SUBPAIN”がお気に入りです。ベースラインがなんとなくYMOの“Key”の2002年版リミックスみたいでカッコイイですね。また、ライブで見たこの曲の振り付けがおもしろくて、カッコイイ曲にピシッと決める「ニンニキダンス」と「敬礼」というミスマッチがまさにテクノしてます(^^;。

 そして極上のバラード“願い”。イントロから胸キュンですが、声がひっくり返る一歩手前のサビの高い音も聞き所です。そして、麻衣ちゃんの書く詩が良い意味で素人っぽくて新鮮なんですよね。

 こうやって聴いてみると、dreamの魅力はやっぱりライブなんです。CDで聴くだけではわからない良さがたくさんあります。CDセールス的には頭打ちのところもありますが、是非ライブ活動は定期的に続けて欲しいと思います。

(2002.07.13)

「California Feelin'/The Beach Boys」

California Feelin' / The Beach Boys (2002)  メンバーでありリーダーでもあるブライアンウィルソン自らが選曲したビーチボーイズのベストアルバム。

 日本では未だに“サーフィンUSA”のグループとしか認識されていないので今回のベストアルバムにこの曲が収録されていないのを不思議と思う人も多いかもしれませんね。でも、ちょっとブライアンウィルソンを知っている人ならば納得できる選曲になっているかと思います。私のようなマニアになると「なんであの曲が入っていないんだ!」という曲が多くて少し中途半端な選曲の感じもありますが、ライナーノーツでブライアン本人も「これは今日私が選曲したベストで明日になったらどうなるかわからない」みたいなことを書いているので本人的にももっと入れたかった曲があったんでしょうね(^^;。

 さて、アルバムは私がビーチボーイズの曲の中でも特に大好きな“サーファーガール”で始まります。この曲はもう何百回と聴いていますが全然飽きません。この曲を越えるようなハーモニーの美しい曲はあるのでしょうか。そして“ドントウォーリーベイビー”、“ザウォームスオブザサン”、“カリフォルニアガールズ”と個人的にも大好きなビーチボーイズの曲が次々と登場するのはやっぱり圧巻です。

 そしてこのアルバム最大の売りが最後に収録されている現在のブライアンバンドによる演奏のアルバムタイトル曲です。突然現在のブライアンの声が聞こえてくるのでちょっと違和感がありますが、悪い曲ではありません。でも最後だけ突然ソロ曲というのはやっぱり変な構成ですね。やっぱり最後にもビーチボーイズとしての新曲を収録して欲しかったです。バンドの現状を考えるとかなり難しいかもしれませんけどね。

 あと、このアルバムはジャケットやレーベルが海と空を表す青を基調としたデザインとなっていますが、とても清潔感があり古さを感じさせないのでとてもお気に入りです。まだビーチボーイズを聴いたことがない若い方にも受け入れやすいのではないでしょうか。

 さて、今年の8月に予定されていた本家ビーチボーイズの来日公演がマイクラブの急病のために中止になってしまいました。とても楽しみだったので残念ですが、早く病気が回復してツアーを再開してもらいたいです。私は待つのには昔から慣れているので、いつまでも待ちますよ。

(2002.07.07)

「夢じゃない/スピッツ」

夢じゃない / スピッツ (1997)  現在、CSで「ふたり」の再放送をしているので懐かしくて見ていますが、このドラマの主題歌がスピッツの“夢じゃない”でした。シングル化にあたり、アルバムに収められてているバージョンにオーバーダビングを加えてリミックスしたらしいのですが、アルバムバージョンは聴いたことがないのでその辺の所は良くわかりません。曲は非常にシンプルなバンドサウンドでギターやドラム、ボーカルが耳に心地よいです。スピッツは良くはっぴいえんど直系といわれますが、確かにある面では似ているのかもしれません。

 ドラマの内容は、交通事故で姉を亡くした実加(奥菜 恵)が姉(一色紗英)の死を乗り越えて成長していく様子を描いていますが、このドラマの内容とこの曲の何ともいえない気だるさがすごく合っていると思います。普段はドラマ、特に出演者もストーリーも代わり映えのしない恋愛ドラマなどは殆ど見ることはないのですが、このドラマのように人間の成長を描くようなしっかりした内容のドラマは好きですね。また、最近のドラマの主題歌はただのタイアップだけであまりドラマの内容と関係のない曲も多いですが、この曲みたいにドラマの内容にマッチした内容の曲をもっと採用してもらいたいものです。

 余談ですが、このドラマの頃の奥菜 恵ちゃんは本当にかわいいですね。

(2002.06.30)

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2002.04.01-2002.06.29
 Y.M.O.,小林 旭,TRAVELING WILBURYS,THE ROLLING STONES,穴井夕子,ほか

2001.12.29-2002.03.30
 宇宙戦艦ヤマト,ZONE,キャンディーズ,THE SPOTNICKS,ナイアガラトライアングル,ほか

2001.12.01-2001.12.24
 渡辺満里奈,Kraftwerk,CASIOPEA,ハナ肇とクレージーキャッツ,Carnie & Wendy Wilson,ほか

2001.11.08-2001.11.29
 George Harrison, 鈴木康博,プッチモニ,笹峰 愛,白石まるみ,本 秀康,ほか

2001.04.21-2001.08.04
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2001.01.02-2001.04.04
 花*花,dream,堀江由衣,Badfinger,Martha & The Vandellas,ザ・ピーナッツ,ほか

2000.08.03-2000.12.17
 水木一郎,高橋幸宏,The Rutles,John Lennon,モーニング娘。,倉木麻衣,ほか

2000.04.22-2000.07.16
 George Harrison,椎名へきる,Brian Wilson,飯島真理,タイムボカン,タンポポ,ほか

1999.11.03-2000.04.18
 Kraftwerk,Eric Clapton,ルパン三世,宇多田ヒカル,斉藤由貴,Hellow,細野晴臣,ほか


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