「Add Some Music To Your Day」

「Paul McCartney Rocks / Paul McCartney」

Paul McCartney Rocks(1990 promo)  ポールマッカートニーが10年ぶりにワールドツアーを敢行するのに合わせて制作されたプロモーションオンリーのアルバム。曲は当時の最新アルバム「フラワーズ・イン・ザ・ダート」からの曲、ウィングス時代のロックナンバー、アルバム未収録の曲で構成されています。

 なんといっても“フィギュア・オブ・エイト”のシングル・ヴァージョンが収録されているのが良いですね。このシングル・ヴァージョンは日本では結局発表されていない、局地的なレア・アイテムとなっている(と思う)もので、アルバムとは異なり、中間部にギターソロが入ったり、ベースもカッコ良かったりしてよりロックっぽさを強調したアレンジ、ミックスになっています。ワールド・ツアーのオープニングナンバーになりましたが、その時にもこのシングル・ヴァージョンで演奏されていました。個人的にもシングル・ヴァージョンの方がアルバム・ヴァージョンよりも好きですね。

 他にもシングル・ヴァージョンの方が良い曲もたくさんあるので、それらを集めたベストアルバムをそろそろ発表してくれないかな。


「乙女 パスタに感動 / タンポポ」

乙女 パスタに感動(2000)  1月に石黒 彩が抜け、新たに加護亜依と石川梨華が加わった新生タンポポのシングル。

 今までのタンポポはグループ名とは裏腹にあまりさわやかなイメージを感じさせない曲が多かったですが、やっとタンポポらしい曲が発表されました。ジャケ写といい、とても60年代ガールグループを彷彿させます。メンバーチェンジがうまくいきましたね。

 キャンキャン聞こえるギターはビートルズの“ゲッティング・ベター”のカッティングそのままですが、元ネタの方は今聴くともっとテンポが遅くてもたついて聞こえるので、タンポポの方がしっくりくるような気がします。うまく元ネタを活かしつつ現代のサウンドに発展させた良い例ですね。こういうパクリなら大いに結構。

 倉木麻衣は宇多田ヒカルのパクリだ、という発言に倉木側が「あやまれ!」といってケンカになったそうですが、そんな「似ているからダメだ」みたいな表面的な相似でしか音楽を評価できない今の日本の音楽シーンは本当にダメですね。もっとその元ネタにパクッた側がどう敬意を表しているのか、どう自分なりに発展させているかまで聞き込んでから評価してほしいですね。

 昔から今までの音楽の歴史なんて極端にいえばパクリと改良の連続の歴史ですから。ぽんと新しい音楽が出来るなんてことは絶対にありません。よく憶えておきましょうね、芸能レポーターの○○さん。

(00.07.15)

「LIVE AT THE ROXY THEATRE / Brian Wilson」

LIVE AT THE ROXY THEATRE(2000)  ブライアン・ウィルソンが今年ロキシー・シアターで行ったライブを収録したアルバム。セットリストは、昨年の来日公演と殆ど同じですが、アルバムに収録されていない新曲を2曲、そして“プリーズ・レット・ミー・ワンダー”と“ティル・アイ・ダイ”が新たに加えられています。

 バンドとの息もピッタリで、ライブ録音とは思えない素晴らしいコーラスを聴かせてくれます。それにしても殆どの曲が60年代に発表された曲なのにそんな古さを全く感じさせないのはスゴイ!だって、日本のGS以前の曲もあるんですよ。

 個人的なBB5フェイバリット・ソングであるオープニング・ナンバーの“リトル・ガール”は今聴いてもゾクゾクして一年前を思い出します。

 このCD、残念ながらCDショップでは買うことが出来ず、通販のみの販売となっています。興味がある方はここへ行って申し込んでみて下さい。

 今年も精力的なライブ活動をしているブライアン、また日本に来てくれることを信じています。

(00.07.14)

「Tokyo Romance / Tokyo Performance Doll」

Tokyo Romance(1992)  穴井夕子、篠原涼子らを輩出した東京パフォーマンスドール4枚目のアルバム。この時点のメンバーは7名で、他にもライブメンバーが何人かいました。この7人それぞれのソロ曲を挟み、ヒット曲“放課後はいつもパーティ”“夢を”をフィーチャした構成になっています。

 川村知砂の曲が強烈なダンスナンバーだったり、穴井の曲がアイドルっぽかったり、木原の曲が大人のムードいっぱいの歌謡曲っぽかったりそれぞれの個性がうまく全面に出るようにプロデュースされていますが、なんと言ってもスゴイのが全12曲が全てノンストップで繋がっていること。名前に恥じないパフォーマンス集団だったことが良くわかります。

 この後パードルはプロデューサとして小室哲哉が参入してメチャクチャにされてしまい(まったく、この男は…)、そのまま自然消滅してしまいましたが、このアルバムはお気に入り一枚として、今でも良く聴いています。

(00.05.26)

「タイムボカン シングル・コレクション SINCE 1975-1983」

タイムボカン(1991)  70年代、一世を風靡したアニメ「タイムボカンシリーズ」の全主題歌、挿入歌を収録したアルバム。当時小学生で、この番組に夢中だった私は、なつかしくてついつい口ずさみながら聴いてしまいました(^^;。もう何年も耳にしていなかったのに、歌詞を殆ど憶えているのは不思議な感覚です。

 お奨めは、怪しげな雰囲気、いかにも悪役のテーマのような曲調、更にほとんど同じ曲構成なのにメロディラインが絶妙に違う、合わせ技ソングの“それゆけガイコッツ”と“天才ドロンボー”、そしてこれこそ70年代の植木サウンド“シビビーン・ラプソディ”。

 曲としてのクオリティがとても高く、コミックソング、ノベリティ・ソングの最高峰です。70年代のクレージーキャッツともいうべきサウンドはもっともっと再評価されてもいいはず。殆どの曲を作り、自ら歌も歌っている、山本正之氏はアニメファンだけでなく一般的な音楽ファンにも絶対受け入れられます。「アニメだから」といってまだ聴いたことのない人は是非聴いてみて下さい。

(00.05.14)

「My Heart in Red / 飯島真理」

My Heart in Red(1989)  飯島真理7枚目のオリジナル・アルバム。リリースは1989年の5月ですから、ちょうど今から11年前になります。元だんなさんのジェームス・スチューダさんとのコラボレーションが一番うまくいっていた時期で、日本のアーティストながら非常に洋楽よりのサウンドを聴かせてくれます。曲によってはあのTOTOのジェフ・ポーカロがドラムを担当。私はこのアルバムと小田和正の「K.ODA」というアルバムでジェフを知り、独特の抜けるようなスカッとしたドラムに惹かれていったのでした。

 春というよりも梅雨入り前の暑くなり始めた時期、ちょうど5月の気候にピッタリなさわやかなサウンドに仕上がっていて、特にギターとドラムの音が澄んでいて気持ち良い“Still”、“Boy Friend”等が好きです。

 それにしてもこのアルバム、音質が最高に良いですね。

(00.05.12)

「Sweet Insanity / Brian Wilson」

Sweet Insanity(1992,withdrawn)  ブライアン・ウィルソンの幻のセカンドアルバム。ここまで完成していたのに、レコード会社のダメ出しでボツになってしまったとのこと。理由はタイトルがちょっとヤバかったかららしいですが、それにしてもなんてもったいないことをしたんでしょうね。

 今では色々と努力すれば音は聴くことが出来るのですが、非常に素晴らしい内容で、ファースト・アルバムよりも出来はすごく良いような気がします。オープニングになるはずだった“コンサート・トゥナイト”から“サムワン・トゥ・ラブ”の流れはドキドキさせられますね。バラードもかつてのブライアンのように、“ドント・レット・ハー・ノー”とか“レインボー・アイズ”など冴えまくっています。そして、現役アーティストであることを証明するかのように力強いラップも“スマート・ガールズ”で聴かせてくれています。この曲、一部のファンでは人気がないみたいですが、私はすごく好きです。

 そして、全編で聴かせてくれる一人多重コーラスの素晴らしさ。これは後に「イマジネーション」でも存分に聴かせてくれましたが、この頃から既に芸術の域に達していたんですね。これだけ丁寧に作っていたのに、まったく…。

 現在はマスター・テープを盗まれてしまったとのことで、公式に発表されることは永久にないかもしれませんが、前述のように音だけは聴くことが出来るので、是非聴いてみて欲しい一枚です

(00.05.03)

「Respiration / 椎名へきる」

Respiration(1995)  椎名へきるのセカンドアルバム。1枚目のアルバムは「声優が歌うアルバム」的なものでしたが、本格的にアーティストを目指し始めた最初のアルバムです。

 とはいっても、収録曲はどこかアイドル・ポップス的な要素も漂っていて、そこがとても聴きやすいポイントになっています。これぞ「へきるポップス」の最高傑作といえるでしょう。今でも人気の高い“空想メトロ”“少女爆弾”などが収録されていますが、個人的に好きなのは“攻撃は最大の防御”“2センチのせつなさ”そしてへきるちゃんファンの間では最も人気の無い曲だった“優しかった人”がこのアルバムで一番好きな曲です。どうも、声優ファンの方々と私とは音楽の聴き方が違うみたいです(笑)。

 へきるちゃんはこの後、どんどんギターをフィーチャーしたロック路線に行ってしまい、現在は袋小路に入り込んでしまっているようです。ファンの望む音と自分の望む音にギャップが出てしまった今、次はどう活動を展開していくのでしょうか。

(00.05.02)

「Alone Again / Gilbert O'Sullivan」

Alone Again(1986)  シンガーソングライター、ギルバート・オサリバンのベストアルバム。一般的には“アローン・アゲイン”という曲の作者で有名です。この曲は日本ではCMソングとしてかなり頻繁に取りあげられており、最近もCMソングとしてオンエアされています。私がこの曲を知ったのは「めぞん一刻」の一回きりのオープニングテーマとしてでした(曲のせいではなく、オープニングで使われたアニメの出来に対して非難が集中したために一回で終わってしまったそうですが)。

 ポール・マッカートニー直系のようなとても耳に心地よい綺麗なメロディラインの曲が多くて、とても好きなアーティストの一人ですが、おすすめは“アローン・アゲイン”の他に、「めぞん一刻」のエンディングで使われた“ゲット・ダウン”、3人組コーラスグループの名前にもなった“クレア”、何とも切ないメロディの“ナッシング・ライムド”など。

 ちょっと前までは良く来日していたように思えましたが、最近は来日はおろか音楽活動の情報もなかなか伝わってきません。早くまた新作を発表して来日して欲しいものです。

(00.04.29)

「All Things Must Pass / George Harrison」

All Things Must Pass(1970)  ジョージ・ハリスンの実質的ソロ・デビューアルバム。デビューアルバムでいきなり3枚組のすごいヴォリュームですが、捨て曲なしで素晴らしい内容になっています。これなら無人島に持って行って一生楽しめるでしょう。

 これだけ曲がたくさん入っているのに一曲も同じような曲が無いのはすごいですね。こういうアルバムこそ「デビューアルバムでいきなりベストアルバム的な内容」というべきでしょう。

 アコースティック・ギターの曲が好きなので、ボブ・ディランの曲「イフ・ノット・フォーユー」(オリビア・ニュートン・ジョンも良いけど、ジョージのヴァージョンもおすすめですよ、美香ちゃん)とかタイトル曲の「オール・シングス・マスト・パス」がお気に入り。

 それにしても、生演奏は良いですね。これだけの量の曲を一気に聴いていても全然疲れないし、頭が痛くなることもありません。個人的には「癒しのアルバム」にもなっているみたいです。

(00.04.22)

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1999.11-2000.04
 Kraftwerk,Eric Clapton,ルパン三世,宇多田ヒカル,斉藤由貴,Hellow,細野晴臣,ほか


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