「Add Some Music To Your Day」

「FUNNY FACE / 渡辺満里奈」

FUNNY FACE  (1990)  渡辺満里奈二十歳の誕生日に発表されたベストアルバム。ってことはあの満里奈ももう三十路を超えているということで…(^^;。

 満里奈の曲は非常にクオリティが高く、昔から日本のポップスファンにも隠れファンが多いとのことですが、私はアルバム「EVERGREEN」を初めて聴いた時に曲の出来の良さ、アルバム全体の流れに大きなショックを受けました。

 このベストアルバムはそのタイトル曲である“EVERGREEN”の新録音バージョンで始まります。そして「EVERGREEN」収録曲の傑作のひとつ“恋の日付変更線”そして“マリーナの夏”、“八月、最初の水曜日”と満里奈の夏のシリーズが続いていきます。でも、何故“夏の短編”を収録しなかったのでしょう。

 中盤に収録されている“ちいさなBreakin' my heart”や“胸がいっぱい”といった少し通好みの名曲は未だに一部でしか再評価されていないようですが、もっと評価されても良いのでは。

 ただ、もう一曲隠れた名曲“もう夢からさめないで”が今のところどのCDにも収録されていません。この曲も大好きな曲なのでいつかこの曲と“EVERGREEN”のオリジナルバージョン、おニャン子クラブ名義で発表された“避暑地の森の天使たち”を収録した究極のベストアルバムを発表してもらいたいです。あっ、あと「ちびまる子ちゃんの」のテーマソング、“うれしい予感”も忘れずにね。


「Hey Santa! / Carnie & Wendy Wilson」

Hey Santa!  (1993)  思えば4年ぶりのクリスマスネタになります。これは、ブライアンウィルソンの二人の娘さんによるユニットのクリスマスアルバム。タイトル曲以外は全てクリスマスのスタンダード曲のカバー。

 このタイトル曲“ヘイ、サンタ!”はカーニーとウェンディのオリジナルで、これもクリスマスソングの基本である、ベルの音、コーラス、ホームパーティの雰囲気が全て入った曲で、スタンダードに負けず劣らずの傑作だと思います。イントロは賛美歌のような子供のコーラスで始まり、二人の息のあったボーカルで曲が進み、コーダ部分のコーラスにはカールおじさんも参加。

 そして、もう一つの目玉、“ママがサンタにキスをした”はビーチボーイズが「クリスマスアルバム」として製作したもののアルバムごとボツになっていた曲で、まだ幼い頃の二人に加えてビーチボーイズの他のメンバーのお子様も参加してます。この幻のクリスマスアルバムセッションの曲は後に「クリスマスアルバム(完全版)」としてその一部が発表されましたが、なぜこの曲だけわざわざこのアルバムに入れたんでしょ?

 それにしてもクリスマスソングって、楽しい時期の曲のはずなのに、なぜか少し悲しげなメロディの曲が多いですね。

(2001.12.23)

「クレージーキャッツ・デラックスボックス / ハナ肇とクレージーキャッツ」

デラックスボックス (2001)  クレージーキャッツの6枚組CDボックス。ただし、東芝EMIファミリークラブの通販限定のもので、一般のレコードショップでは販売していません。これにはクレージーキャッツ、植木 等、谷 啓らが発表したシングルをほぼ全てとその他に映画で使われた曲などが収められています。こんな内容の濃いすばらしいBOXが通販のみの販売とはなんとも残念。

 何を隠そう、私は子供の頃からクレージーキャッツのファンで、正月の「かくし芸大会」で東軍西軍に別れて戦うクレージーが楽しみだったものでした。決して大滝詠一氏の影響でファンになったわけではありません。あと、私が「ハッチポッチステーション」のようなな音楽遊びが好きになったのもクレージーの音楽コントが事の発端だなと思います。クレージーキャッツはドリフよりも少し知的なイメージがありましたが、私は力ずくの笑いよりも少し考えさせるそんな笑いが好きなんです(もちろん、ドリフも大好きで年末の紅白が楽しみなのですが)。

 私のお気に入りは“ホンダラ行進曲”、“これで日本も安心だ”、そして“スーダラ節”といったところ。「ホンダラホダラカホイホイ」とか「フンニャラッカフンニャラッカ」とか「スイスイスーダララッタ」とか、なんだか意味不明な言葉が好きみたいです(^^;。

 クレージーは映画もおもしろいですね。昔BSで放送されたものを録画してあるので、たまに見ますが、胸がスカッとするおもしろさです。動くクレージーを見ると、植木、谷、ハナの中心メンバーも良いですが、安田、犬塚、桜井、石橋の脇役のメンバーもなかなか個性的で良い味だしています。個人的にはエータローさん好きです(^^;。

(2001.12.23)

「黒猫と月気球をめぐる冒険 / 堀江由衣」

黒猫と月気球をめぐる冒険 (2001)  ほっちゃんの1年ぶりのセカンドアルバム。今回も何だか良くわからないタイトルです(^^;

 基本的には前作“水たまりにうつる世界”の延長線上ですが、新たな挑戦の曲もあり、ほっちゃんの世界を更に拡大させるのに成功していると思います。第一印象で好きになった曲は“この指とまれ”。来年決定したコンサートツアーでもオープニングを飾ってくれるんじゃないかなと思えるとてもかわいくて元気が出る曲です。新たな挑戦としては女版オフコースという雰囲気の“Pure”(「あなたをずっとスキでいいの?」という歌詞は“Yes/No”を彷彿させますね)や、何となくとろそうな(失礼)ほっちゃんのイメージとは裏腹にヒップホップのリズムでしっかりと歌っている“Gravity”が好きです。この曲は、最近難しい譜割の曲ばかり作っている小田和正っぽいと言えるかもしれません(^^;。

 このように新たな挑戦が際だって成功している分、逆にシスタープリンセスの主題歌“Love Destiny”や“翼”が平凡な印象で終わってしまっています。アルバムの中でも浮いているような…。

 今年もほっちゃんに会える機会はありませんでしたが、来年こそは一度お会いしたいと思います(^^)。

(2001.12.20)

「Jive Jive / CASIOPEA」

Jive Jive (1983)  日本が誇るフュージョンバンド、カシオペアのアルバム。このアルバムはカシオペアのひとつの転機になった作品で、ロンドンで録音されたことや今まで以上にボーカル曲をフューチャした曲が多くなっていることが特徴です。個人的にはこのアルバムが発表されたのがちょうど18年前の今の時期だったので、カシオペアとしては珍しくクリスマスや冬のイメージのアルバムです。

 私もこのアルバムを初めて聞いた時には1曲目の“スウェット・イット・アウト”からドラムのサウンドが今までと全く違うことに驚かされました。ただしこの年のツアーではこの曲のドラムをシモンズ(シンドラ)でやっていてちょっとがっかりしましたけど。野呂さんや向谷さんはよく「ファンキー」という言葉を使いますが、このアルバムからその兆しが見え始めたような気がします。

 ボーカル曲ではスキャットが効果的な“ファビダビ”やタムを使ったリズムが印象的な“ライト・フロム・ザ・ハート”などがお気に入り。

 '83年にカシオペアはこのアルバムの前に「フォトグラフス」というアルバムも発表していますが、こちらも大好きなアルバムで、カシオペアの大収穫の年だったと思います。私にとってもこの年からリアルタイムで聴いていますし。最近はちょっとご無沙汰していますけど(^^;。

(2001.12.15)

「THE MAN MACHINE / KRAFTWERK」

THE MAN MACHINE (1978)  元祖テクノポップグループ、クラフトワークのアルバム。これが発表された1978年といえばあのYMOがファーストアルバムを発表したのも同年でした。

 今聴くと恐ろしくもたついてなんだかほのぼのする“ロボット”、今ならパソコンでもこれくらいできそうな“メトロポリス”など、音の方はさすがに時代を感じさせますが、この時代に、人力でこれほど無機質なリズムを作っていたとはすごいやらあきれるやら…(^^;。

 でも、メロディはなかなか綺麗で、“モデル”の哀愁を帯びたヨーロッパ調のメロディはさすが、弦楽奏でカバーされただけのことはあります。この曲は、ベースラインもかっこいいですね。

 新作が出るといわれてなかなか出ませんが、ドイツの田舎でサイクリングでも楽しんでいるんでしょうかねぇ(^^;

(2001.12.13)

「OFF COURSE 1969-1989」

OFF COURSE 1969-1989 (2001)  今年は何故かオフコース周辺の動きが活発ですね。まず、小田さんがオフコース時代のセルフカバー第二段「ルッキングバック2」を発表し、ヤスさんはライブビデオを始め、リクエストによるベストアルバムや新ユニット“ソング・フォー・メモリーズ”としてもテレビやライブで精力的に活動、残る松尾さん、清水さん、大間さんは3人でビートルズカバーバンドである“ABC”を結成し、ライブ活動を活発に行っています。先日はNHKのビートルズ特集の番組で久しぶりにテレビ出演していました(余談ですが松尾さん、風貌が怪しすぎです(^^;)。個人的にも10月から11月にかけてはめちゃくちゃに凹む事件があったためにとてもお世話になりました(^^;。

 そして、オフコース本体はオリジナルアルバムのリマスタリングによる再発、伝説の武道館コンサートやテレビ番組「NEXT」のDVD化と今回紹介するDVDを発表しました。本作はオフコースが20年間の活動中に発表した曲を全曲ワンコーラスだけ収録していたり、貴重なビデオクリップなど盛りだくさんの内容です。

 さすがに2人や5人時代のビデオクリップは製作されていないようで、クリップは4人になってからの“君が嘘をついた”、“夏の日”、“緑の日々”、“たそがれ”、“君住む街へ”が収録されています。中でも“たそがれ”や“君住む街へ”のクリップはフルバージョンを見たことがなかったので、これが収録されただけでも感動ものでした。更に、「we are」ツアーの頃の幻のライブ映像も収録されていて、これを見つけた時には思わず声を出してしまいました(この映像、年表から追わないとわからないところに隠れているんです)。

 来年早々にはNHKで放送された「若い広場」がDVD化されることが決定し、再結成を望む声が今以上に大きくなると思いますが、メンバーはそれぞれオフコースを離れても積極的に音楽活動を行っているので、その気配は全くありません。私も、同時期に活動していたバンドが次々再結成している中で唯一再結成しないのはなんとなく格好良くて良いかな、と思います。

(2001.12.10)

「WINGSPAN AN INTIMATE PORTRAIT/Paul McCartney and Wings

WINGSPAN (2001)  今年の春に発表されたウィングスのベストアルバムの映像版、だと思ったら大間違い。この作品はポールとリンダの活動の歴史を娘のメアリーと語り合うドキュメンタリと言った方が良いです。従って、期待されるようなウィングスの未発表映像は物語の挿し絵程度の細切ればかり。でも、あくまでもメインはポールとリンダの物語なのでそんなことで怒ってはいけません。

 ポールは天才で、努力とは無関係な人というイメージがありますが、実はポールはかなりの努力家であることがこのビデオでわかります。なんたってビートルズ解散後にはどん底まで落ちていたのを「ラム」や「バンド・オン・ザ・ラン」等のアルバムで再びトップシーンへ返り咲いたのですから。しかも、バンドのメンバーが抜けたら自らドラムまでプレイしてしまうというのもポール以外には考えられないでしょう。

 でも、このビデオ、出演が父と子なのでとてもアットホームでほのぼのしている反面、自分の娘に「俺の若い頃はこうだったんだ」とひたすら語っているオヤジみたいでなんだかなぁって感じもします(^^;。

(2001.12.08)

「Together! Clips/たんぽぽ ほか

Together! Clips (2001)  モーニング娘。を中心とした、ハロープロジェクト所属のユニットによるビデオクリップ集。たんぽぽ、ミニモニ、プッチモニ、中澤裕子などのビデオクリップが収録されています。

 以前にも書きましたが、私の一押しユニットはよっすぃ(吉澤ひとみ)が所属するプッチモニですが、曲的には4人組になった新生タンポポが一番好きです。ビデオクリップもタンポポの方が好きかな(ホントにプッチモニ好きなのか?>ぢぶん(^^;)。

 このDVDにはその新生タンポポの、今でもつんくの作った曲でベスト3に入ると思う“乙女パスタに感動”やブリティッシュ・ロックの匂いがする傑作“恋をしちゃいました!”の両クリップが収録されていて、それだけで十分です。DVDだから画質も最高に綺麗だし(加護ちゃんって意外にかわいいのね(^^;)。

 そいえば、松浦亜弥ちゃんのクリップが1曲も収録されていないのは何故?(;_;)

(2001.12.08)

「Live in Japan/George Harrison with Eric Clapton and His Band

Live in Japan (1992)  先日癌で亡くなったジョージ・ハリスンが10年前に親友エリック・クラプトンと彼のバンドを従えて日本で行ったコンサートのライブアルバム。結局これがジョージ名義のアルバムでは最後の作品となってしまいました。

 コンサート嫌いで有名なジョージがライブを再開、しかも日本で行うというので当時は驚きと感動でその日が来るのが待ち遠しかったです。そして、12月14日に行われた東京公演の初日、初めて私は東京ドームへ行ったのでした。この時のジョージは黒のスーツに赤いシャツ。トレードマーク(?)の無精ひげもすっかり剃り落として60年代前半の頃のようにとてもカッコイイジョージでした。肉眼ではジョージの姿は米粒くらいにしか見えませんでしたが、“アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー”のあのイントロのギターのフレーズが聞こえてきた時には鳥肌が立ち、間奏のギターソロをとるクラプトンに拍手したりしたものです。そして、ギターソロから始まる“サムシング”は本当に涙が出るくらいに感動しました。

 あれから早10年。ジョージはこの世からいなくなり、クラプトンは日本で最後のコンサートツアーのために日本に来ています。もうあの名曲“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”を、ジョージとクラプトンのプレイで聴くことが出来ないのかと思うと悲しくて仕方ありません。

 ハデな音を使って人の耳を引き、音楽そのものの良さよりもそれがどれだけ売れたのかの方が重要になっているような「マテリアル・ワールド」で、ジョージほど人間味ややさしさのある温かい音楽を作れる人物がこれから出てくるのでしょうか。

 All Things Must Pass. All Things Must Pass Away..

(2001.12.01)

過去の書き込みはこちら。

2001.11.08-2001.11.29
 George Harrison, 鈴木康博, プッチモニ, 笹峰 愛, 白石まるみ, 本 秀康,ほか

2001.04.21-2001.08.04
 坂本龍一,Wings,ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA,鈴木あみ,OFF COURSE,野田幹子,ほか

2001.01.02-2001.04.04
 花*花,dream,堀江由衣,Badfinger,Martha & The Vandellas,ザ・ピーナッツ,ほか

2000.08.03-2000.12.17
 水木一郎,高橋幸宏,The Rutles,John Lennon,モーニング娘。,倉木麻衣,ほか

2000.04.22-2000.07.16
 George Harrison,椎名へきる,Brian Wilson,飯島真理,タイムボカン,タンポポ,ほか

1999.11.03-2000.04.18
 Kraftwerk,Eric Clapton,ルパン三世,宇多田ヒカル,斉藤由貴,Hellow,細野晴臣,ほか


  ホームへ