「Add Some Music To Your Day」

「レコスケくん/本 秀康」

レコスケくん (2001)  今回はCDでもDVDでもなくて本の紹介です。これは「レコードコレクターズ」誌等に連載されていた「レコスケくん」というマンガを集めたもの。

 内容は中古レコードを集めたことがある人なら共感できるようなもので、大きく分けて1.中古レコードコレクターに良くありがちな話、2.アーティストやレコードについてのうんちく話の2つの種類の話があります。特に2の方は作者が大ファンであるジョージ・ハリスンの話が多く、ジョージコレクターの苦労話などが良くわかりとてもおもしろいです。私はジョージコレクターと言うほどではありませんが、ジョージという、一般人から見ればかなりマニアックで地味なアーティストのレコードを集める時の苦労話にはかなり共感できます。集めるのが本当に大変なんだけど周りの誰にも自慢できないし、理解してもらえない心情というのはある意味他人ごととは思えなかったり(^^;。

 そして、ジョージの「オール・シングス・マスト・パス」30周年を前に発表された「レコスケのマイ・スウィート・ロードの巻」は単行本化にあたって大幅な加筆修正が加えられ、作者のジョージへの愛情が更によくわかる非常に読み応えのある内容になっています。そう、このマンガのようにジョージにはまだやらなければならないことがたくさん残っているんです。だからまだジョンの元へ行かないでくれ、ジョージ!

 この作者のマンガは読んでいると頭の中で音楽が鳴って来るんです。「レコスケのマイ・スウィート・ロードの巻」では“マイ・スウィート・ロード”が、「いとしのレイラの巻」では“いとしのレイラ”が頭の中で聞こえてきます。私もこの作者のように音楽が頭の中に響くような文章が書けたら良いなと思っています。

(2001.11.29)

「オリオン座のむこう/白石まるみ」

アイドル宝石箱 (1995)  “オリオン座のむこう”の笹峰 愛バージョンのところで最後に少し書きましたが、その後白石まるみさんバージョンがCD化されているという情報を聞いてさっそく買ってみました。それにしても探すと見つからないもので、秋葉原のCD屋さんを探し回ってやっとのことで見つけました。

 これは、ビクター系のアイドルの代表曲を集めた2枚組のオムニバスアルバムです。たった1曲聴きたいために2枚組のアルバム買うのも気が引けましたが、どうしても聴きたかったので思い切って購入してしまいました。実際にアルバムを聴いてみたら“オリオン座のむこう”以外にも良い曲がたくさん入っていたのでこれはこれで良しとしましょう(^^;。

 さて、オリオン座のむこう”に話を戻すと、アレンジはほとんど笹峰版も白石版もほとんど同じですが、打ち込み音を使っていない白石版の方が好きです。間奏のセリフは、笹峰版が明るめの声で軽く言っているのに対し、白石版は少し暗めの抑えた声で笹峰版よりも事態が深刻化しているような印象です。これは好みが別れるところでしょう。わたしは声のトーンで詩の意味する世界が大きく変わっているのでどちらも捨てがたくて好きです(^^;。

 名曲は何度でもよみがえると言いますが、この曲は大好きな曲なので、またいつの日か誰かがカバーして歌い継いでもらいたいです。個人的には西堀真子ちゃんの歌声で聴いてみたかったですね。

(2001.11.28)

「ハッチポッチステーション/グッチ裕三&グッチーズ」

ハッチポッチステーション (2001)  NHK教育テレビで放送されている番組のサウンドトラック。この番組は音楽を使って遊ぶ番組で、かなり前から好きで見ていました。

 中でも童謡をスタンダード曲のアレンジで歌うコーナが大好きで、“おなかのへるうた”をキッスの“デトロイト・ロック・シティ”のアレンジで、しかもグッチ裕三がキッスのメイクをして歌う姿に衝撃を受けました。後は“おはなし指さん”を“ツイスト・アンド・シャウト”のアレンジで歌うとか、どう考えても子供には理解できない世界が展開されています(^^;。

 今回はその“おなかのへるうた”の他、“クラリネットを壊しちゃった”の“ステイン・アライブ”アレンジ等も聴くことが出来ます。気に入ったのは“アイアイ”の“アイ・ショット・ザ・シェフ”アレンジバージョン。もともと原曲がレゲエっぽいこともあって、レゲエのリズムが奇妙にマッチしています。

 昔、童謡をビートルズアレンジで演奏していたアルバムがありましたが、今回のアルバムも基本的には同じ路線ですね。私はこういう音楽を使った遊びものって大好きなんです。

(2001.11.25)

「Driving Rain/Paul McCartney」

Driving Rain (2001)  ポール4年ぶりの新アルバム。今回は今までとバックミュージシャンをガラッと入れ替えて、全員がアメリカ人の若手ミュージシャンとのこと。しかもポール含めて4人というビートルズと同じ小編成バンド。

 “フロム・ア・ラバー・トゥ・ア・フレンド”でも書きましたが、今回はバンド4人の音ということでとてつもなくシンプルなサウンド。でも、これが実に良いんです。やっぱりポールは小編成のバンドにすると良い曲たくさん作りますね。なんだか「マッカートニー」や「ラム」の頃の、ポールファン(これは必ずしもビートルズのポールが好きな人とは限りません)が一番大好きな頃の音に戻った印象を受けます。

 そして“ロンリー・ロード”や“アバウト・ユー”ではパワフルなシャウト、“スピニング・オン・アン・アクシズ”では驚異的な裏声など、来年60歳になるとは思えないボーカルを聴かせてくれます。あとおすすめは、シングルカットできそうな“ドライビング・レイン”、“タイニー・バブル”、耳にこびりついて離れないメロディラインの“ヘザー”、カントリータッチで詩も気に入った“ユア・ウェイ”など、とにかく全ての曲がおすすめです。でも、このアルバムの紹介記事でマスコミが一番取りあげている問題の“フリーダム”はいかにもちょこちょこっと時間をかけないで作った感じの曲で、あんまり好きではありません。

 ジャケット写真はポール所有のカシオの腕時計型デジカメで撮ったものだそうで、これもいかにもポールといったチープさです。まったく、にくいおじさんです(^^;

(2001.11.24)

「オリオン座のむこう/笹峰 愛」

オリオン座のむこう (1994)  笹峰 愛の'94年に発表されたシングルですが、オリジナルは'82年の白石まるみ。なんと作詩は松任谷由実が担当していて、白石まるみのデビュー曲として発表された当時にはそれなりに話題になったと記憶しています。そして、作曲の方は驚くことに松任谷正隆が担当。曲調からずっとユーミンの曲だと思っていたので、最近この事実に気がついてビックリしました。

 オリオン座が東の空に輝いている今の時期のデート中の女の子の心情が歌われていますが、「次の約束はいつ?なんて私からは聞けないわ」という間奏のセリフも曲の雰囲気にあっていて◎。

 なぜ、こんな昔の曲を今頃紹介するのか?というと、最近私の身内の間でこの曲で盛り上がっているからなんです。ところで、この曲の白石まるみさんのオリジナルの方が聴きたいんですが、CD化されているんでしょうか?

(2001.11.16)

「ぴったりしたいX'mas!/プッチモニ」

ぴったりしたいX'mas! (2001)  モーニング娘。のグループ内ユニットの4枚目のシングルは初のクリスマスソング。

 何を隠そう、私は娘。のユニットの中ではプッチモニが一番好きなんです。理由は、昔から3人組が潜在的に好きだというのと、よっすぃちゃん(吉澤ひとみ)が一押しだから(^^;。今までユニットではタンポポしか紹介していなかったので、タンポポが好きだと思っていた方もいたかと思いますが、タンポポはサウンドが好きというだけで、メンバー構成とかコンセプトとか総合するとプッチモニの方が好きなんです。

 詩はクリスマスまでに素敵な彼氏を見つけて友達に自慢しよう、という他愛のない内容(ごめんなさい)。最近の高校生はこんな感じなんでしょうかねぇ(^^;。曲はともかく「L・O・V・E ラブリー ○○」というバックコーラスは対ライブ用のものだと思いますが、耳障りなので必要ありません。

 そして、ジャケット写真は制服です(^^)。よっすぃとゴマちゃん(後藤真希)は確か現役の高校一年生のハズ(?)なのに、茶髪のせいかあんまり似合っていませんね。もう一人のメンバーの方は違う意味で似合っていないような…(^^;。

 娘。本体の新曲“Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜”といい、写真集の発表といい、よっすぃちゃん大活躍でうれしい今日この頃です。

(2001.11.15)

「SERVICE/YMO」

SERVICE (1983)  YMOの散開記念アルバム。この頃のYMOは既にメンバーが顔を合わせることもなく、完全に分業状態だったとのことです。確かにこのアルバムに収録されている曲を聴いてみると、幸宏さんの曲は幸宏さんの曲、教授の曲は教授の曲、細野さんの曲は細野さんの曲というようにはっきりと別れています。しかし、そんな中でも細野さんと幸宏さんの共作“リンボ”や教授と幸宏さんの共作“シャドウズ・オン・ザ・グラウンド”はこの時期のYMOでないと出来ないサウンドになっているところがやっぱりおもしろいです。離れていてもYMOはYMOですね。

 この時期になると教授のボーカルと綺麗なメロディ、そしてピアノがとても切なくてグッと来る“パースペクティブ”が聴きたくなります。

 聞いた話によると、現在YMOのアルバムは世界的に廃盤状態で入手が困難とのこと。早く再販されて誰でも聴くことが出来る状態にしてほしいです。

(2001.11.12)

「Yass Live in T-fm“dream”/鈴木康博(DVD)」

Yass Live in T-fm“dream” (2001)  鈴木康博がアーティスト活動30周年を記念して行われたライブのビデオ化。曲はオフコース時代からソロ時代まで満遍なく選ばれています。久しぶりにヤスさんの動く姿を見ましたが、いつの間にか髭を蓄えられて、なんだかちょっと違和感があります(^^;。

 曲の方は、郷ひろみに提供した“君にシンデレラ・コンプレックス”、オフコース時代にはライブ演奏されなかった“素敵なあなた”、アンプラグドバージョンでメロディの良さが際だった“夜はふたりで”など、見所がいっぱい。個人的にはウクレレ一本で弾き語りされる“SO LONG”や、オフコース時代そのままのアレンジの“のがすなチャンスを”もお気に入り。ヤスさんの透き通るようなボーカルは今でも健在です。あと、マルチアングルでヤスさんの手元がアップで収録されているので、曲のコード進行や、ヤスさんの華麗なギターテクニックが良くわかるようになっています。これは嬉しいおまけ。

 残念なことに、このDVDは普通のレコード屋さんでは入手できなくて、ヤスさんのホームページから通信販売で購入することが出来ます。

(2001.11.10)

「The Best of George Harrison/George Harrison」

The Best of George Harrison (1976)  ジョージのアップル時代のベストアルバム。ただし、半分はビートルズとして発表したものが収録されています。ジョージは半分ビートルズの曲を入れたことにかなり不満だったそうですが、私としてはジョージの名曲をバンドを越えて聴くことが出来るので非常に重宝している良いアルバムだと思います。

 “サムシング”や“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”ももちろん名曲ですが、私は“タックスマン”の変なノリや、“ギブ・ミー・ラブ”の情けないヴォーカル(ごめんなさい)、“ダーク・ホース”の綺麗なアコースティック・ギターの響きも大好きです。

 個人的には“オールド・ブラウン・シュー”、“ノット・ギルティ”(ホワイトアルバムボツバージョン)、“アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー”、“ファー・イースト・マン”なんかも入れたコンプリートベストアルバムの発売を強く希望します!

 最近、ふたたび癌治療のために放射線を浴びたりしてかなり衰弱しているというニュースも入っていますが、早く元気になって“タックスマン”のようなシャープでかっこいい曲をたくさん作ってほしいです。神よ、ジョージを救い賜え!

(2001.11.09)

「From A Lover To A Friend/Paul McCartney」

From A Lover To A Friend (2001)  ポール久々のシングルは、まもなく発表されるニューアルバム「Driving Rain」からのカット。ポールはアルバムからシングルカットをする際、1枚目は割と明るめのアップテンポな曲を選ぶことが多いですが、今回はバラード。

 ピアノ、ベース、ドラムを基調とした非常にシンプルな仕上がりになっています。なんとなくジョンレノンの「ジョンの魂」の頃を彷彿させます。ポールの声もいつになく切なく聞こえるのは愛するリンダを失った悲しさからなのでしょうか。それにしても綺麗なメロディーで、ポールがまだまだこのような素晴らしい曲を書けることに驚かされます。

 また、今回のシングルは先の無差別テロによって亡くなったニューヨークの消防士と警察官に捧げられています。

 なお、曲はここにアクセスすればエンドレスで流れます。
 (11/24 追加。現在アクセスすると“フリーダム”に変わっています。)

(2001.11.08)

過去の書き込みはこちら。

2001.04-2001.08
 坂本龍一,Wings,ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA,鈴木あみ,OFF COURSE,野田幹子,ほか

2001.01-2001.04
 花*花,dream,堀江由衣,Badfinger,Martha & The Vandellas,ザ・ピーナッツ,ほか

2000.08-2000.12
 水木一郎,高橋幸宏,The Rutles,John Lennon,モーニング娘。,倉木麻衣,ほか

2000.04-2000.07
 George Harrison,椎名へきる,Brian Wilson,飯島真理,タイムボカン,タンポポ,ほか

1999.11-2000.04
 Kraftwerk,Eric Clapton,ルパン三世,宇多田ヒカル,斉藤由貴,Hellow,細野晴臣,ほか


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