「Add Some Music To Your Day」

「コーヒー・ルンバ / 國實唯理」

コーヒー・ルンバ / 國實唯理 (1992)  國實唯理(国実百合)の最初で最後のベストアルバム。決して歌は上手い方ではありませんでしたが、良い曲をたくさん歌っていました。特に菊地桃子を受け継ぐ林 哲司の「青春アイドル路線」は非常にクオリティの高い曲ばかりです。

 その林 哲司作曲の“秋色の街”が特に大好きで、秋にはピッタリ。歌詞も「昨日より今日、曲より明日、素敵になりたい」など、ちょっと感傷的な気持ちに浸っている主人公の女の子の気持ちが反映されていてとても綺麗。「秋と女の子」という組み合わせは、私が一番好きなシチュエーションです。


「FIRST CUT / 倉木麻衣 (DVD)」

FIRST CUT / 倉木麻衣 (2000)  倉木麻衣初のビデオクリップ集。個人的にはデビュー曲“Love, Day After Tomorrow”を聴いた時のショックがすごくて、それからシングル、アルバムを買い始めました。なんだか良くわからないメロディがだらだら続いたと思ったところに始まるあの強烈に印象に残るサビ。この歌をカラオケでまともに歌える人が何人いるんでしょうか?(笑)

 サウンドはかなり黒っぽく、オケだけ聴くと洋楽みたいですが、メロディや歌声を聞くとやっぱり歌謡曲なんだな、と安心させられます。日本人だからこの位がちょうど良いんですよ。幻の米デビュー曲“Baby I Like”も収録されていますが、英語の発音が高校生みたいなカタカナ英語なところに親近感を持てます(笑)。このかっこいいかっこわるさがやっぱり歌謡曲なんですね。

 宇多田ヒカルと事ある度に比較されていますが、二人ともいつまでもブライアンとポールのように対決し続けて、よりクオリティの高い作品を発表していって欲しいと思います。音楽的な対決をただの「パクリ」としか表現できない人達はほっておきましょう。

(00.11.15)

「1 / The Beatles」

1 / The Beatles (2000)  今年はビートルズの当たり年で、9月にはメンバーのコメント満載の豪華本「アンソロジー」が出たし、10月にはジョンの生誕60年(!)、没後20年を記念して「ジョン魂」「ダブルファンタジー」のミレニアムエディションがリリースされたり、さいたまにジョンレノンミュージアムが出来たりしてましたが、ビートルズも今年解散30年ということで、シングルで全米全英1位となった曲を集めたベストアルバムが発売されました。

 今回は去年の「イエローサブマリン〜ソングトラック〜」のような大胆なリミックスは無しですが、ノーノイズシステムとかのリマスタリングが一応売りとなってます。確かに音質は向上していますが、売りとしてはイマイチ。ただ、“デイトリッパー”の例のタンバリン部分が修正されているのが隠れた売りかも(^^;。

 このアルバムはどちらかというと私のようにオリジナルアルバム全てはもちろん既に持っていて、海賊盤までで買いあさっているディープな人向きではなく、アンソロジー以降の新しいファンさんの入門編てな感じでしょうかね。好きな子へのバースディプレゼントで贈るも良し、クリスマスプレゼントで贈るのも良しといったところでしょう。

 あらためて聴くと“アイフィールファイン”とか“恋を抱きしめよう”とかすごく良い曲で好きです。

 でも、“ストロベリーフィールズフォーエバー”と“プリーズプリーズミー”を収録していないのは納得できない!

(00.11.14)

「I WISH / モーニング娘。」

I WISH / モーニング娘。 (2000)  新メンバーが4人加入して2枚目のシングル。今回はその新人4人(吉澤ひとみ、石川梨華、加護亜依、辻 希美)と後藤真希をフィーチャー。アカペラっぽく始まって、サビに突入するといつもの分厚いコーラスが登場して感動のエンディングを迎える構成はいつもどおり。たくさんの女の子が一斉に歌う快感はたまりません(^^;。プロデューサのつんくもだいぶ手慣れてきたようですね。

 でも、それが逆につまらなくなっているのも事実で、セールス的には前作“ハッピー・サマー・ウェディング”には及ばなかったようです。前々作の“恋のダンスサイト”や“ハッピー〜”みたいなハデさがなかったからかもしれませんけど、個人的にはベースラインとか、ブラスアレンジとか結構好きなんですけどね。早くもモーニング娘。ファンの中には「これは失敗作」と位置付けてしまった人もいるみたいです。もしセールスの結果だけでそんな結果を出してしまっているのならとても残念。

(00.11.11)

「John Lennon / Plastic Ono Band」

John Lennon / Plastic Ono Band (1970)  ビートルズ解散後のジョン初のアルバム。ミュージシャンはジョン以外にドラムスのリンゴ・スターとベースのクラウス・ヴーアマンのみ。曲によってはフィル・スペクターとビリー・プレストンがキーボードを担当しています。

 内容もかなりシンプルなものが多く、また詩の内容は殆ど自分のことばかり。まるで日記を歌っているような感じです。

 私は上のような理由だったので、今までこのアルバムはあまり好きではありませんでした。しかし、最近リミックス、リマスターされて音質が格段に良くなり、楽器の音も良くわかるようになって、このアルバムがとても好きになりました。音の隙間は多いけど、音の個性がはっきりしていて、とても3人編成の音だとは思えない厚い音です。

 そして、良いことが無くて気が滅入っている時にこそこのアルバムのジョンの気持ちがわかるような気がします。ジョンもいっぱい悩んだ一人の人間なんですね。

(00.11.05)

「Once A Fool... / 高橋幸宏」

Once A Fool...(1985)  YENレーベルが終了し、ポニーキャニオンにTENTというレーベルを設立してからの初のソロアルバム。この頃からCASIOのシンセを使用し始めています。

 ちょっともの悲しい曲が多く、この後「弱い男シリーズ」にどんどんのめり込むユキヒロ作品の一番初期のアルバムで、適度にYMO時代のテクノポップもまだ名残があります。とても聞きやすいテクノ歌謡ですね。日本語の曲もグッと増えました。

 CMソングになった“Providence”、“今日の空”がお気に入り。あと、このアルバムに収録されている“I Saw The Light”でトッド・ラングレンの存在を知りました。この曲はトッドの曲の中でもお気に入りの一曲です。

 秋深まるこの時期、このアルバムのような落ち着いた、ちょっと悲しいアルバムが聴きたくなります。泣きたい気持ちです。

(00.11.04)

「THE RUTLES / THE RUTLES (DVD)」

THE RUTLES(1978)  「オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ」「4人もアイドル!」等のタイトルで何度もビデオ化されていたラトルズのビデオがDVD化されました。ラトルズとは、裏ビートルズとしてその筋では有名なボンゾ・ドッグ・バンドのニール・イネスが中心となって結成されたビートルズのパロディバンドです。

 パロディとは言え、音楽的クオリティ、センスは非常に高く本家ビートルズよりもビートルズっぽかったりするところがスゴイです。“ペニー・レイン”のパロディの“ダブルバック・アレイ”、“ディア・プルーデンス”のパロディの“レッツ・ビー・ナチュラル”などが大好きな曲です。

 そしてラトルズのすごいところは曲だけでなく、ラトルズの結成から解散までのストーリーを全くのビートルズのパロディとして映像化してしまっているところです。結成時は白黒映像を使い、時代が進んで行くに連れてカラー映像に変えて行くなど、芸が本当に細かいです。さすが、英国人と言ったところでしょうか。本家の「アンソロジー」と見比べると本当にそっくりに出来ていて、思わず爆笑。逆に本家の方がラトルズを参考にしているんじゃないかとも思えてしまいます。

 脇役としてジョージ・ハリスンやミック・ジャガー、ポール・サイモンが出ているのもスゴイ。良くこの人たちが出演をOKしたもんです。とにかく、ファブフォー好きな方には一見の価値があるビデオです。

(00.08.11)

「熱風伝説 / 水木一郎」

熱風伝説(1999)  夏真っ盛りの中、更に暑くなるような濃いアルバムを紹介します(^^;。今回はアニメ歌手として約30年もの間第一線で活躍している水木一郎の大全集5枚組ボックスセット。

 マジンガーZから仮面ライダーシリーズまで主題歌挿入歌が数限りなく納められています。内容が濃すぎて一日ではとても聴き切れませんでした。

 水木一郎=叫び系の曲がイメージとしてありますが、「アローエンブレムグランプリの鷹」のエンディング“レーサーブルース”のようなAORっぽい曲もなかなか聴かせてくれます。この曲は大好きな一曲。

 日本の音楽評論家の間ではアニメソングを完全に無視していますが、私としてはこれほど日本の音楽史に影響を与えたジャンルはないと思っています。それまでの演歌や歌謡曲、GS、カバーポップスとは全く違い、誰でも覚えられる簡単なメロディ、わくわくするリズム、そしてシャウト、これはどう考えても「日本のロック、日本のパンク」そのものではありませんか。だからこそ、数年前にヘビーメタル系のサウンドでリメイクされた「アニメタル」が違和感無く受け入れられたと思います。

 私はアニメソングを絶対に無視しないで音楽を聴いていきたいと思います。

※今回のボックスは、C木さんよりお借りしました。

(00.08.08)

「Maybe Baby(ORIGINAL SOUNDTRACK)」

Maybe Baby(ORIGINAL SOUNDTRACK)(2000)  ポールネタが続きますが、ポール久々の新曲は映画「メイビー・ベイビー」の主題歌で、バディ・ホリーのカバー曲。プロデュースはジェフ・リンとポールなので、「ラン・デヴィル・ラン」セッションのレコーディングではなく、それ以前かと思われます。ミュージシャンクレジットはありませんが、ポールが全ての楽器を担当している可能性もありますね。

 とっても短い曲ですが、コーラスや“ルシール”っぽいかなと思わせて違うところへ行くギターリフなども聞き所のひとつです。

 この曲、もう10年以上も前の夏、静岡のとある商店街でまだデビュー前のキャディラックがストリートライブ演奏していたことを思い出しました。なんとなくですがそんなこともあって夏を感じさせる一曲です。

(00.08.03)

過去の書き込みはこちら。

2000.04-2000.07
 George Harrison,椎名へきる,Brian Wilson,飯島真理,タイムボカン,タンポポ,ほか

1999.11-2000.04
 Kraftwerk,Eric Clapton,ルパン三世,宇多田ヒカル,斉藤由貴,Hellow,細野晴臣,ほか


  ホームへ