「Add Some Music To Your Day」

「Yourself/dream」

Yourself / dream (2002)  現在、ライブツアーの真っ最中のdreamが今年になって最初にリリースしたシングル。高校サッカーのイメージソングでした。

 メンバーの麻衣ちゃんが今回のツアーを最後にdreamを卒業することになり改めて発表した曲を聴いてみて一番心に残ったのがこの曲でした。詩は麻衣ちゃんが担当。この曲は「どんなことがあってもがんばっていこう」といういわゆる応援ソングなのですが、使われている言葉が「少しだけ涙を流せばいい」とか「誰でもあるよ恥ずかしいこととは違う」とか今までプロの作詞家では絶対に使わないような、言い換えれば“素人っぽい”表現が多い詩ですが、逆にそれが新鮮であり、ストレートに心に響いてきます。

 一方サウンドの方は打ち込みのリズム、ベースに乗るバイオリンのような音色のフレーズがとても耳に心地よいです。また、リズムは意図的なのかほんの少しため気味にプログラミングされ、曲に重量感を持たせています。ベースラインもそれに合わせるように音数は多いけどためていますね。dreamの曲は全般的にこの手の打ち込み系の曲としては珍しくリズムとベースに重量感があり曲の土台がしっかりしています。

 毎度お馴染みの変な振り付けはこの曲ではあまり見られませんが、最後の「未来は君が放つ」の指さしがポイントでしょうか。ライブではお客さんも合わせてみんなでピシッと決めたい部分です。

(2002.06.29)

「YUKO from Tokyo Performance Doll/穴井夕子」

YUKO from Tokyo Performance Doll (1993)  最近でもTVショッピングなどでたまに姿を見ることができる穴井夕子のファーストアルバム。これは東京パフォーマンスドール(TPD)のフロントメンバー7人が同時にソロアルバムをリリースするという企画の一つとしてリリースされました。

 アルバムに収録された曲は殆どがTPDのアルバムやシングルで発表されていたものであり、特に目新しいものはありませんでしたが、TPDのアルバムは基本的にノンストップリミックスのため、1曲を単独で聴くことが出来るというメリットがありました。

  穴井は7人の中では最も後に加入したメンバーであり、もっともアイドルっぽいキャラクタでした。また、その特徴ある高音をいかしたかわいい系の曲が多かったですね。現在のモーニング娘。でいうと石川梨華あたりのキャラと重なりそうです。収録曲の方は、コンサートでも人気のあった“心のルール”や“I Want You!”も良いですが、'60年代ガールズポップ路線の“レモンのKISS”と“イチゴの片想い”の2曲が収録されているのもうれしいですね。個人的には豪華なストリングスがまるでバートバカラックのアレンジのようなちょっとセンチメンタル路線の“秋色協奏曲”と唯一の新曲であるバラードで、イントロのギターから涙が出てしまう“FAIRY DAYS”も好きです。

 TPDの7人はそれぞれ違う個性を持った集団でどのメンバーにも好きな曲があったのですが、ノリのいいポップ路線としっとり系のバラード路線の両方をそつなくこなしていた特に穴井の歌は特に好きでした。

 そんな穴井も今月で2?歳になってしまうんですね。もうお子さんもいるみたいですし、いつまでも幸せであってほしいです。

(2002.06.02)

「亜麻色の髪の乙女/島谷ひとみ」

亜麻色の髪の乙女 (2002)  島谷ひとみのニューシングルはグループサウンズのカバー曲。原曲はビレッジシンガーズというグループです。

 この曲は大好きな曲なので、ビレッジシンガーズ・バージョンの方はCDで買っていましたが、ある日突然聞き慣れた曲が変なアレンジをされているのが聞こえてきて、誰が歌っているのか調べたところこの人だとわかりました。

 イントロのギター弾き語りパートはそれなりに良いのですが、その後のアレンジが曲を台無しにしてしまっているようであまり好きではありません。原曲はGSということもあって非常にギターの音色が綺麗で、またコーラスも良いのですが、今回のアレンジはそれを生かし切れていませんね。でも、曲自体が素晴らしいので、このアレンジが全く嫌いというわけではありませんよ。

 この曲、数年前には吉成圭子他たくさんのアイドルによりカバーされていましたが、そちらはアコースティックギター一本のシンプルなアレンジで曲の良さを引き立てていて素晴らしいものでした。版権の関係からかCD化されていないことが非常に悔やまれます。

 それにしても、なぜ今この曲を取りあげたのか、非常に気になります。

(2002.05.13)

「STEEL WHEELS/THE ROLLING STONES」

STEEL WHEELS (1989)  ストーンズが'90年代に入る直前に発表したアルバム。このアルバムと、次のライブアルバム「フラッシュ・ポイント」をもってベースのビルワイマンはストーンズを脱退してしまい、以降現在までストーンズはベーシスト不在なまま活動を続けています。

 個人的にはこのアルバムの発表された1989年(平成元年)はロックに目覚めた年であり気に入ったアルバムが非常に多かった年でした。ポールのアルバム「フラワーズ・イン・ザ・ダート」、ティアーズ・フォー・フィアーズの「シーズ・オブ・ラブ」、ビリージョエルの「ストーム・フロント」と並んでこのアルバムも聴きまくったものです。

 このアルバムに対してはまず、非常にギターが綺麗に録音されたアルバムだなという印象を持ちました。シングルとなった“ミクスト・エモーションズ”、“ロック・アンド・ア・ハードプレイス”などがそうです。アルバム収録曲でも“テリファイング”とか、スピード感のあるギターサウンドがとても気持ち良いですね。

 そして、キースの歌う“キャント・ビーン・シーン”、“スリッピング・アウェイ”もなかなか渋くきまっています。特に“スリッピング〜”はこのアルバムの中でも特にお気に入りなひとつです。

 このアルバムが発表された直後には初めての来日公演もありました。当時は田舎の大学生だったので見に行くお金も時間もありませんでしたが、是非一度見に行ってみたいものです

(2002.04.25)

「Feel fine!/倉木麻衣」

Feel Fine (2002)  倉木麻衣久々のシングルはとても夏っぽい、ちょっと60年代のGSテイストを持ったノリの良い曲です。以前はR&B路線一辺倒な感じがしましたが、“Stand Up”以来、曲の幅が広くなりましたね。

 麻衣ちゃん(抵抗ある言い方)の曲は“Love, day after tomorrow”で衝撃を受けましたが、その後も良い曲が多くて、個人的には毎回ヒットなんです。“Stand Up”も好きだし、“Winter Bells”も大好き。今回の新曲も自分の好きな60年代テイストがいっぱいであることとノリノリでテンポの早いリズムがとても気に入りました。間奏ではビーチボーイズっぽいコーラスパートもあってどこまでも夏の曲!早くも麻衣ちゃんのお気に入り曲の仲間入り決定(^^;。

 R&B路線はどうなっちゃったのかな、と心配したらカップリングの“Rescue Me”は“think about”にちょっと似ているR&B路線でした。

 ビデオクリップも曲のイメージにあって良さげなので、早くビデオクリップ集の第二弾を出してくれないかな。

(2002.04.24)

「Volume One/Traveling Wilburys」

Volume One (1988)  ジョージハリスン、ボブディラン、ジェフリン、トムペティ、ロイオービソンが変名を使って結成したバンドのファーストアルバム。もともとはジョージのシングルのB面用(なんでB面でこんなに凝るかなぁ)にレコーディングしようと集まったところセッションが楽しくてそのままアルバムまで作ってしまったとか。

 その、もともとはB面用に録音された“ハンドル・ウィズ・ケア”ではジョージから始まり、ロイ、ディランと信じられないようなボーカルチェンジが聞けます。名前を隠していてもみんな個性的な声の持ち主なのですぐに誰かわかってしまいますね(^^;。

 ジョージはビートルズの中でもアルバム2曲しか書かせてもらえなかったとか言われている人ではありますが、ジョージ自信は「ビッグバンドのメンバーでありながら表に出る必要が無くて居心地は悪くなかった」とか言っているので、このアルバムでも大物に囲まれてジョージは生き生きしていますね。ジョージのスライドギターが冴えまくっています。また、ジョージが提供したと言われる「ハンドル〜」、「ヘッディング・フォー・ザ・ライト」、「エンド・オブ・ザ・ライン」はどれもすごい良い曲です。ジョージの曲としては珍しく(?)明るいアップテンポの曲が多いですね。

 ジョージの曲でしか語られることが少ないアルバムですが、他にもロイの作った「ノット・アローン・エニモア」はロイのボーカルの美しさも相まって良い曲だし、前半のジェフ、トムが作った曲は他のメンバーが書けそうもない勢いのある曲でロックバンドっぽくてアルバムを引き締めています。

 既にメンバー二人が他界してしまったため再結成はもはや不可能かと思いますが、このメンバーでライブを見たかったです。ジェフつながりでポールとブライアンを加えて再結成しないかな。その時のドラムはもちろんリンゴスターで。

(2002.04.23)

「桃色片想い/松浦亜弥」

桃色片想い (2002)  ちょっと紹介が遅くなってしまいましたが、2月に発売された松浦亜弥ちゃんのシングルです。ちゃんと発売日には買っていたんですけどね(^^;。

 私は“LOVE涙色”から一目置いていましたが、この曲であややも一気にブレイクしたみたいですね。コンサートツアーも連日満員御礼みたいですし。それに男性ファンだけではなくて女の子の間でも人気みたいですね。中学生の子がカラオケで歌っているって話も聞いたことあります。

 あややは「も」の出し方に特徴があって、この曲も出だしの♪桃色の片想い♪が「んもぉもぉいろのぉ〜」がすごく鼻にかかった声でこれだけでも勝ち!って感じがします(いわゆるミルキーボイスですか?)。プリッツのCMでも「んもぉとまらんなぁい〜」と歌っていますね。この「も」の発音は演歌にも合うような気がします。

 さて、この曲は絵に描いたような典型的なアイドルソングで、盛り上がれる楽しい曲です。実際は歌詞の内容は片想いしている女の子の気持ちなんですけど。そしてこの曲の衣装はピンクのカウボーイハットにピンクの短パンというハデさと、おへそが見えるのがポイント(またこれだぁ)。このようにコテコテなアイドルってここ数年の間はB級、C級といわれるコアなアイドルファンが飛びつくような子にしか見られなかったのですが、やっとメジャーでも出現してきて嬉しい限りです。

 最後にちょっとうんちくをば。ビーチボーイズのメーリングリストで書いていた方がいましたが、この曲のイントロはビーチボーイズの“ダンス・ダンス・ダンス”のイントロにそっくりです。そして間奏などに現れるシンセの音はかの名曲“グッド・バイブレーション”に使われているテルミンの音に似ています。気になった方は一度ビーチボーイズのこれらの曲も聴いてみましょう。こうやって聴く音楽の幅を広げていくのっておもしろいですよ(^^)。

(2002.04.14)

「DAYDREAM/dream」

DAYDREAM (2001)  女の子3人組グループdreamのビデオクリップ集第一弾。dreamの発表したシングルは全てビデオクリップが制作されていますが、この第一弾にはデビューシングル“Movin' on”から6枚目のシングル“My will”までを収録。

 dreamの曲はユーロビートが基本なのでとても激しい振りつけですが、“Movin' on”ではサビの部分で胸を寄せて上げるような振りがあったりするなど同路線のグループと比較してちょっと変わった振りが必ず入っているのがおもしろいです。あとは毎回必ずおへそか太ももが見える衣装もポイント(^^)。

 この作品ではグループ初期のまだまだ元気いっぱいで弾けんばかりの映像を見ることができますが(今は年とって動けなくなったというわけではありません)、思い切りアイドル路線の“reality”、パラパラの定番曲(らしい)“Night Of Fire”、アニメの主題歌に使用されてグループの認知度がぐっと上がった“My will”のクリップが気に入っています。反面、“Movin' on”や“Private wars”でわざと画面にノイズを加えたり、色をずらしたりする幼稚な演出は効果はないし目障りだし一瞬プレイヤーの故障と勘違いしてしまい迷惑なのでやめてほしいです。

 実はdreamのファンクラブに入っていて、この前ファンの集いというのがあってバーベQに行って来ました。間近で見るdreamのメンバーはとてもかわいかったです(^^)。

(2002.04.13)

「アキラ1〜4/小林 旭」

アキラ1〜4 (2002)  小林 旭のコロムビア、クラウン時代のセレクションアルバムが出たので早速購入しました。このアルバム、かなり売れているのか、レコード屋さんを探し回ってやっとのことで見つけました。今年は“アキラブーム”でも起こるんでしょうか?

 さて小林 旭というと、普通は“昔の名前で出ています”か“熱き心に”のような歌謡曲を歌う歌手というイメージが強いでしょうか。ちょっと前に“アキラのじーんと来ちゃうぜ”がヒットしたのでノベルティソングの人という印象も多少はあるかもしれませんね。しかし、コロムビア時代は民謡、ロック、ツイスト、童謡、そしてもちろん演歌と何でも歌える歌手だったんです。

 個人的には“自動車ショー歌”で歌手アキラを知ったので、この歌のようなコミックソングの人という印象が強いですが、その後“ダイナマイトが百五十屯”や“アキラでツイスト”のようなヒット曲を後追いで聞いていき、その音楽の幅の広さに驚かされたものでした。他にも“アキラのツーレロ節”、“アキラのホイホイ節”、“アキラでボサノバ”、最近氷川きよしにカバーされた“ズンドコ節”などの和洋折衷サウンドがすばらしいです。当時流行最先端のマンボやボサノバのリズムと民謡をドッキングさせたというのは、パラパラと音頭を合体させた(?)“ダンシング夏祭り”よりも画期的なものではなかったでしょうか。更に“宇宙旅行の渡り鳥”という曲はリズムパターンがあのヒカシューの名曲“パイク”と同じで、要するにテクノ!テクノポップが流行する10年以上も前にシンセもコンピュータも使わずにテクノサウンドを作ってしまうなんて!

 後は“自動車ショー歌”と同じく歌詞がおもしろい“恋の山手線”、“恋の世界旅行”などのノベルティソングもお奨め。“恋の山手線”は名のとおり山手線の駅名を軽快なメロディにうまく乗せたものですが、これは日本作詩大賞ものの大傑作だと思います。そしてまだ歌手アキラを暗中模索していた頃の“さすらい”、“十字路”のようなシリアス路線ももちろん聞き応え十分。これらの曲を一度カッコ良く歌ってみたいものですね。

 それにしても曲名に大胆にも自分の名前を入れてしまうのはこの人だけですね。かの裕ちゃん(石原裕次郎)でもそんな曲はありませんでしたから。と書いていて気がつきましたが、女性では元アキラ夫人の“お嬢”がいましたね。この夫婦、ただ者ではありません(^^;。

(2002.04.10)

「浮気なぼくら/Y.M.O.」

浮気なぼくら (1983)  発表当時、ファンの間では賛否両論とびかった(圧倒的に否の方が多かった?)Y.M.O.のアルバム。前作「テクノデリック」から実に1年半ぶりのオリジナルアルバムでした。

 まず、アルバムに先がけて発表されたシングル“君に、胸キュン”がショッキングでした。日本語で歌われ、ジャケットデザインを含めて非常にポップで明るいイメージ。それは「テクノデリック」という最高に暗い(笑)アルバムの後だけにこの振幅の激しさはただごとではありませんでした。

 私は発表当初からこのアルバム結構好きなんです。とても春から初夏にかけてのさわやかな空気にピッタリのアルバムだからです。当時「ロンバケ」は否定していた私ですが、Y.M.O.には弱かったのでした(^^;。

 曲はどれも粒が揃っていて捨て曲なし。“希望の路”や“オープンド・マイ・アイズ”の幸宏のドラムはカッコイイし、“音楽”や“邂逅”の教授のメロディはとても美しいし(両曲ともさりげない裏メロが音色も含めてすごくいいです)、“ロータス・ラブ”や“ワイルド・アンビションズ”の細野さんの久々なボーカルも渋く決まっていますね(なぜか“ロータス・ラブ”は通信カラオケにもリストに入っています。そんなに人気あるのか?)。要するに3人の個性がとても出ています。この辺は前回紹介したナイアガラトライアングルをプロデューサ細野は意識していたんでしょうか?そういうインタビュー記事は見たことありませんが。

 私は少しカメラをいじくっていて、モデルさんの撮影会にも良く行くのですが、このアルバムに収録されている“フォーカス”の歌詞が頭をよぎることがあります。

  引きつった笑顔に 僕は目を閉じて
  ただカメラを向ける あの子は今スター
  You'll be burning with a new love tonight
  And I'll be burning all pictures on my mind  (作詩:細野晴臣/Peter Barakan)

この、「君は今夜新しい愛に燃えるのだろう、だから僕は心の内にある写真を全て焼き捨てることにする」という歌詞がお気に入りです。

(2002.04.01)

過去の書き込みはこちら。

2001.12.29-2002.03.30
 宇宙戦艦ヤマト,ZONE,キャンディーズ,THE SPOTNICKS,ナイアガラトライアングル,ほか

2001.12.01-2001.12.24
 渡辺満里奈,Kraftwerk,CASIOPEA,ハナ肇とクレージーキャッツ,Carnie & Wendy Wilson,ほか

2001.11.08-2001.11.29
 George Harrison, 鈴木康博,プッチモニ,笹峰 愛,白石まるみ,本 秀康,ほか

2001.04.21-2001.08.04
 坂本龍一,Wings,ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA,鈴木あみ,OFF COURSE,野田幹子,ほか

2001.01.02-2001.04.04
 花*花,dream,堀江由衣,Badfinger,Martha & The Vandellas,ザ・ピーナッツ,ほか

2000.08.03-2000.12.17
 水木一郎,高橋幸宏,The Rutles,John Lennon,モーニング娘。,倉木麻衣,ほか

2000.04.22-2000.07.16
 George Harrison,椎名へきる,Brian Wilson,飯島真理,タイムボカン,タンポポ,ほか

1999.11.03-2000.04.18
 Kraftwerk,Eric Clapton,ルパン三世,宇多田ヒカル,斉藤由貴,Hellow,細野晴臣,ほか


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