** Time After Time 〜 花舞う街で 〜:music by 倉木麻衣 / under the sky(オリジナル)
花が舞いそして散る。
『はらはら』と、という言葉が似合うかのように、ひとひら、離れては散っていく。
はらはらと……。
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彼女は淡い色をしていた。
白磁のような肌、フィヨルド・ブルー…冷たい灰みの青の瞳、淡い金色……亜麻色の髪、そしてその唇はサクラ色だと誰かが言った気がする。
その薄い紫みが掛かったピンク色の花は、白くはらはらと色を失いながら散っていく。
彼女もそう言う雰囲気を持っていた。
守らなければならない人。
「守りたいのなら命をかけろ」
そう誰かに言われたのを思い出す。
オレは彼女を命をかけて守れたのだろうか。
彼女はこの花のように儚くはない。
大木のようにオレを見守っていた。
「あなたが居るから私はこうしていられるの」
声音は柔らかなのに、意志は力強い。
オレが居たから彼女は強くあれた?
オレが居たから彼女は強くならねばならなかった?
オレはただ、彼女に笑っていて欲しかっただけだった。
ただ、彼女が笑っていられる場所を守りたかっただけだった。
「………」
それは、希望の光なのだという。
だとするならば、希望はドコにあるのだろうか。
オレ達はいつか望む所へと行けるのだろうか。
花が散る。
はらはらと。
花が舞う。
風に吹かれて。
そこは花に守られた場所……。
**後書き:
とある青年の独白です。
最期の時の想いでしょうか……ね。
最期の時の想いでしょうか……ね。