「てめぇ、やりやがったアルな!!」
本能丸出しの目を出してチャイナは武器の傘を突き出す。
パラパラとピンクの髪が数本宙を舞った。
町中でパトロール中にいつもより綺麗な格好をしたチャイナ娘を見つける。
晴れの日でも差す傘はいつもと同じ蛇の目の赤。
それも濃い色。
血が混じっても分からない色。
あいつを見つけるとどうしても刀がうずいてしょうがない。
「よう、チャイナ」
「サド王子、何しに来たアルか?」
チャイナはどこか汚い物を見るような目でオレを見る。
それもしょうがない。
この娘とは出会い頭に何度もやり合っている。
「私はお前と遊んでいる暇ないアル。用がないならさっさとどくアルよ」
「それでも遊んでくだせぇ。オレはあんたと遊びたくて仕事放棄してきたんでさぁ」
「とんでもないこーむいんアルな。ぜいきん返せ!」
「意味分かってて言ってますかぃ?」
そう言いながら刀を抜く。
「ちょっと遊んでくんなせぇ」
「お前と遊ぶ暇はないアルよ。どくアル」
「力ずくでも遊んで貰いまさぁ」
そう言って振りかかれば背負う傘ですぐに払う。
使う手は片方だけ。
「両手、使わないんですかぃ?」
「オマエ相手に両手使う必要ないアル。それとも死にたいアルか?」
そう言うチャイナは「戦闘民族」の名の通り鋭い眼光を見せる。
「そうだって言ったらどうしますかぃ?」
「じゃあ、やめるネ。死にたい奴を殺す気はさらさらないアル」
「じゃあ、その気なんて無いですぜ?」
そう言ってみる。
殺される気も殺す気もない殺し合い。
生ぬるくって面白みも何も無いけれど。
それでも、接近できるのはこういう時以外無い。
「オマエ、何が言いたいアルか?」
そう言ってきたときだ
「神楽」
少し離れたところから万事屋の旦那がチャイナを呼ぶ。
「銀ちゃん!!」
今までと全く違う声色で、チャイナは万事屋の旦那の方へと向かう。
正確には万事屋の旦那が向かってきたというか。
「沖田君、相変わらず君、うちの神楽ちゃんに何てことしてくれんの?」
そう言って旦那は少しだけ不揃いの前髪をさらりと触れながら言う。
「別に、ただ切りたかっただけでさぁ。切ったらどういう顔するか見てみたかっただけですぜ?」
チャイナがオレに見せる顔は嫌悪以外にない。
それ以外をただ見たかっただけ。
「だからって、切ること無いだろうに」
「銀ちゃん、こいついやある〜」
「マヨラーに何とかして貰うかぁ?っていうかマヨに貸し作りたくねぇなぁ」
目の前で人の存在軽く無視で二人の会話は弾んでいく。
「じゃ」
やりきれない怒りだけがどこかを支配してそのままその場にいたくなくって帰る。
「総吾、さぼりか?」
「土方さん、死んでくだせぇ」
そう副長に剣を向けたって、それはオレが悪い訳じゃない。
そう、思った。
………私には沖神は無理だ!
存在すらない。私の中にはないよ。銀神←沖田なら書けるのかな?。
でも、なんだか無理そう。というわけで、おそらく唯一の沖→神小説。